ひとし増子のすべらない話10~サムイ島・タオ島~

この記事は約5分で読めます。

4.タイのハゼがなぜかフレンドリーな話
手乗りギンガハゼへの道

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

ひとし増子に送ってもらうタイ湾のハゼたちはなぜかドアップ画像が多い。
特別なレンズを使っている? それとも、撮影者の腕が良い?

いやいや、タイ湾のハゼはなぜか寄れるのです。

「ちょっとは撮影の腕ってことにしてくれても…(泣)。それはさておき、タイ湾のハゼはとっても寄れます。最も無警戒なのがレッドマージンシュリンプゴビーで、ちょっと目には単なる白地に縞模様のダテハゼの仲間ですが、ここまで寄ると白い部分に蛍光ブルーやイエローの模様が入っているのがわかります。隠れたオシャレでしょうか?」

タイのレッドマージンシュリンプゴビー(撮影:増子均)

タイのレッドマージンシュリンプゴビー(撮影:増子均)

いやいや、ひとし増子。
そこは、「なぜか寄れる」ではなく、なぜだか教えてください!(無茶ブリ)

「う~ん、あくまで推測ですよ。こちらの海では同じ種類の生物の個体数が異常なほど多いのが特徴ですが、共生ハゼも踏んじゃいそうなほどたくさんいます。そうなると、群れみたいなもので、その中の1個体当りでは、捕食などされる危険率が減るのではないでしょうか?また、エソなどもいるにはいるけれど数は多くないので、天敵が少ないためではないか、とも言えそうです」

なるほど~。

ハゼマニア垂涎のメタリックシュリンプゴビーも!

ハゼマニア垂涎のメタリックシュリンプゴビーも!

そんな寄れるハゼたちを目の前にして、ひとし増子は無謀なチャレンジ。

「手乗りハゼに挑戦しています」

ナデナデできるようになったハゼ。あと少し!

ナデナデできるようになったハゼ。あと少し!

「手乗りにするには、手を地面と同化させるのがコツですが、まずテッポウエビが出て来て指を排除しようとします。これはマジで切られそうなほど痛いので、あまり大きな個体を狙わないのが、最初の秘訣です(ハゼとエビのサイズは比例しています)」

そんなことをすると、引っ込んでしまう気が……。

「エビの攻撃に耐えているうちに、ハゼも平気になるのか、しばらくすると出て来ますよ。ちょっと時間はかかりますけどね」

5.ゴマモンガラは人気者? 嫌われ者? の話
振り返れば奴がいる…。

タイのゴマモンガラ

個人的にタイの人気者といえば、ゴマモンガラが真っ先に浮かぶのですが、そういうと反論されることもしばしば。
理由はもちろん、人を襲うから……(彼らにしてみれば必死に卵や縄張りを守っているだけなんですけどね)。

そのスリリングな存在がたまらないのですが、タオの場合、シャレにならないほど巨大化し、たま~に流血騒ぎも……(こっそり)。

それにしても、なんで、タイの海ではこんなに見かけるのでしょうか?

「タオ島周辺は、栄養豊富、流れない、水温が高目で安定、という環境のおかげで、生物がやたら大きくなる傾向があります。おかげで、ありがたくないことにゴマモンガラもまた巨大(笑)。そして、水温変化が少ないので産卵時期が読めず、常に襲われるリスクがあるというのがやっかいです。しかも、産卵中かどうかも定かでないのに、目が合っただけで突っ込んでくる危ないヤツもいるので、見かけだけでヒヤヒヤもんです。新宿歌舞伎町を歩いている酔っ払いの怖さに通じるものがある、と言って良いでしょう」

肩がぶつからずとも、目が合っただけで襲ってくるとは、なにその輩感!
身を守る方法を教えてください。

「アタックされたら、かなりの迫力でビビりますが、あまりバタバタせずにフィンでブロックする程度にして下さい。心の中で『まあまあ、話せばわかるから(話さないけど)』となだめるぐらいの落ち着きが必要です。慌てると、かえって刺激してしつこくなります。それも酔っ払いと同じですね。間違っても上に逃げて急浮上はしないように!死んだふりをして助かるかどうかは、試したことが無いので保証しません」

やっぱり怖くて、嫌われ者なのかも……。

「いや、案外目が可愛いし、こちらが気をつけてあげれば、タイの人気者になれなくもない気がしないでもないような気がします(笑)」

6.タイ湾で最も絶景の見られる島の話
ナンユアン島のテッペン

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

ひとし増子がおススメするタイ湾でベストなビューポイントはナンユアン島。

「デイトリップのダイビングスタイルではなかなか行く機会がありませんが、クルーズなら、リクエストベースですが上陸することも可能です(上陸するのに100バーツ)」

3つの島が白砂でつながっている美しくのどかな島のクライマックスは、島の頂上。
最初は緩やかだった足場も、最後はちょっとしたロッククライミングテイストでよじ登ると、15分ほどで到着します。

なに、この絶景!

タイのナンユアン島(撮影:むらいさち)

タイ湾を一望する絶好のビュースポット。
これは見逃せないでしょう。

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

7.うみカメラマン・むらいさちの話
はじめてのタイ

うみカメラマン・むらいさち

今回、写真を提供してくれた、うみカメラマンのむらいさちさん。
意外なことにタイの海ははじめてとのこと。

その感想は?

「サムイ・タオは常にワクワクドキドキする海でした。とにかく魚が多くて、いつまでも撮影できてしまうほど、次から次へとシャッターチャンスが現れますが、中でもやっぱり『セイルロック』は群を抜いていましたね。浅いところにも、深めのところも群れ群れで時間が足りませんでした……」

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

「あと、ソフトコーラルが他ではあまり見ない面白い形をしていますよね」

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

「でも、やっぱり僕は花も好きなので、ついつい撮ってしまいます。
南国の花って可愛いですよね」

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

「水中でも花が咲いていましたよ」

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

「魚がなぜか逃げないので、近くで撮影できるのも面白いところでした。陸上でもアジアらしい小物がいっぱいあって、この海に行くときは、メディアはたくさん持って行かないと足りませんよ~」

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

タイの基本情報・サムイ(タオ)の魅力

魚影が濃く、凝縮した群れが一番の魅力だが、ブラックコーラルやソフトコーラルなど、他の海では見られない水中景観が楽しめる。
また、案外知られていないが、地形ポイントもおもしろい。
マクロは、生物の種類は少ない代わりに、個体数が多く、探さなくても見ることができるのが魅力。
代表的なのが、おなじみの共生ハゼやイバラカンザシなど。

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

ひとし増子のすべらない話10~サムイ島・タオ島~

FOLLOW