パプアニューギニア連載コラム「千変万化」

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第二回
水中カメラマン・細田健太郎
パプアニューギニアの“この一枚”

群れとの勝負に興奮!

パプアニューギニアの魚の群れ(撮影:細田健太郎)

ボートからエントリーした瞬間、根の周囲に黒く渦巻くものが見えた。
渦巻くものはバラクーダの群れだ。

「これは数が多い!」とワクワクしながら近づいていく。
魚の群れに出会うとなぜこんなに興奮するのだろう。

群れを散らさずにフレームにうまく収めるにはどうしたらいいか、ポジションをどこに取るかを考えながら泳いでいく。
この時が一番気持ちが高ぶっているのだと思う。

シャッターを押したいのを我慢しながら、群れに圧力をかけないようにして、ジリジリと距離を詰めていく。
そして、間合いに入ったらあとはシャッターを切るだけ。
さらに自分の位置を微調整し、ベストなアングルを探っていく。

この写真は群れの先頭に回りこんで撮影していたら、バラクーダがぐるぐると回りだしたもの。
先頭のバラクーダが最後尾に追いつき、円を描いて泳いでいた。

自分の周囲360°が魚で、まるで壁のようだ。
こんなシーンに出会えると半端無く嬉しい。
やがてギンガメアジの群れも合流し、周囲は魚群が混ざりカオスとなっていった。

この写真を撮ったのはキンベ湾の「ブラッドフォード」というポイント。
パプアニューギニアは全般に魚の数が多いので撮り甲斐がある。
ここ以外でも、パープルビューティーやキンギョハナダイなど多くの群れを撮る機会があった。

僕にとって群れを撮るのは大好きなこと。
魚との駆け引きをしながら、そっと近づいて、どれだけうまくフレームに収めることができるか、この緊張感がたまらない。

パプアニューギニアの海は、毎日のように群れとの楽しい出会いがあった。

キンギョハナダイの密度が高くなる瞬間を狙って撮ったもの。魚に寄れば絵としての密度は上がるが、近づきすぎると今度は魚が逃げてしまう。魚の群れにプレッシャーをかけずにどこまで近寄れるかが勝負

キンギョハナダイの密度が高くなる瞬間を狙って撮ったもの。魚に寄れば絵としての密度は上がるが、近づきすぎると今度は魚が逃げてしまう。魚の群れにプレッシャーをかけずにどこまで近寄れるかが勝負

ビーチの浅場にいたメアジの群れ。この時は群れがカスミアジに狙われ逃げ惑っていたので、メアジを追って延々と泳がされるはめになった

ビーチの浅場にいたメアジの群れ。この時は群れがカスミアジに狙われ逃げ惑っていたので、メアジを追って延々と泳がされるはめになった

細田健太郎(ほそけん) 
細田健太郎プロフィール

1970年、東京生まれ。写真家。ダイビング雑誌で、スタッフフォトグラファーと編集者の仕事を並行して携わる。その後、写真一本で活動するため2008年独立し、細田健太郎写真事務所を設立する。
独立後は、水中撮影だけでなく、ライフスタイルマガジンや建築系、広告系等、幅広く撮影活動を行なっている。現在は世界遺産と絶景を求めて全世界を撮影中。今までに訪問した国は約70カ国。

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