御蔵島イルカツアー・レポート by鈴木あやの

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オーシャナ御蔵島ツアー2日目。
というか、あっという間の最終日。
前日の大雨が嘘のような快晴で、海も穏やかです。

さて、今日のイルカは……。

あやのちゃんの写真と言葉でレポートします。

(以下、あやのちゃんのレポートです)

ツアー2日目、日曜日は朝から晴れました!

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
海の中に入ると、太陽の光がキラキラとイルカの体に光の模様を描き出していました。
光が差し込むと、海の中の印象はがらりと変わります。

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
昨日噴き出していた滝も、こんなにちょろちょろになりました。
島の上にはまだ雲がかかっていて雨が降っているようです。
雨が止めば、この滝はなくなります。
雨の日は、御蔵島から吹き出す何十本もの滝を眺めることが出来るので、
私は雨の御蔵島も大好きです。

御蔵島の水は日本100名水!
本当に甘くて美味しい水が、小さな島ながら豊かに存在します。

「御蔵の源水」として商品化され、ネットなどでも購入することができます。
御蔵島の水道から出る水は全て源水!
美味しい水で作ったご飯やお味噌汁、全てが美味しくてついつい食べ過ぎてしまいます。

なお、御蔵島のドルフィンスイムは体力勝負なので、もりもり食べてしっかり寝て、
楽しく安全に潜りましょう。

東海汽船で一泊して早朝御蔵島着。

あまり寝られないまま海へ。自分の想像以上に体は疲れています。
小さな船には風よけはいっさいありません。
イルカの群れを見つけると海に入り、泳ぎ、イルカが行ってしまうと船に上がります。
それを繰り返すだけで気がつかないうちにかなり消耗します。

なので、毎回海に入る必要はありません。
自分の体力、体調と相談して泳ぎましょう。

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
イルカの群れだよー!
と、指をさす高橋さんとアケム。

少し濁った海ゆえに、光は筋となり海の中に降り注ぎ、
霞んだような情景もとても幻想的です。

前日まで大量に降った雨により、滝とともに森の土が海へ流れ出し、海は濁っています。
この土が海の栄養分となります。

現在、黒潮は御蔵島から遠く離れ、潮の流れが無いため、濁りはなかなかとれません。
黒潮情報はこちらでチェック → 海の天気図 – 東京都島しょ農林水産総合センター
御蔵島の海は、透明度がいいときは50m以上、悪いときは30cmぐらい。
泳ぐ場所によってもすぐに変わります。

透明度が高ければ、イルカの群れが遠くからやってくるのが見え、
どの群れのどのイルカが遊びそうか、など遠くからでも分かります。
濁っていると、イルカが突然目の前に現れた!などという驚きがあり、
どちらも楽しいのです。

いろんな海に出逢えるのも御蔵島の魅力のひとつだと思います。

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
ジョーという名のイルカです。
よく遊んでくれるイルカです。鳩胸なのですぐに分かるのですが、最近お腹が大きくなったような・・・
もしかしたら妊娠しているかもしれません。

個体識別は、イルカの背ビレ胸ビレ尾ビレの欠けや体の傷、口の形などで行います。
イルカと目を合わせて泳いでいると、なかなか他の部分を見られないのですが、
私は横目でちらりと全体を観察するようにしています。
これは、意識はイルカの瞳に向けたまま、視界の端で全体を観察するという高等テクです。笑

そして、撮影するときも、イルカの表情だけでなく、
個体識別のために、体全体や、イルカが行ってしまった時に尾ビレも撮影するようにしています。

みくらしま観光協会から出版されている、「いるかいないか」というイルカの個体識別本もあります。
御蔵島観光協会:いるかいないか
イルカの個体ごとの特徴を捉えたイラスト、写真、そしてDVDの映像もついていて、とても役立つ1冊です。

イルカの個体が分かってくると、御蔵島に通うたびに、同じイルカに出逢えたり、
どのイルカとどのイルカが一緒にいた、このイルカが今日はこんなことをしていた!
などが分かり、本当に面白いです。

個体識別を楽しみつつ、イルカと遊び、イルカの野生の生態を観察する、
それが楽しめる場所、御蔵島は世界中でも希有です。

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
浮遊物サルパとしかちゃん!
たまにこんな未確認生物にも出逢えます。
そしてこのサルパを撮影していたら、横から気配が・・・

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
ジジジーっと、イルカにソナーを当てられていましたω
イルカもサルパに興味津々だったようです!
そして泡をぷぷっと出して、嬉しそうに泳いでいました。

イルカは本当に好奇心旺盛な生き物なので、いろんなものに興味を示します。
海草や魚、貝殻やタコで遊んでいることも!
人間もその興味の対象の一つ、私達はイルカに遊ばれているのかもしれませんね〜♪

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
海の場所によってはクラゲも!
アケムとお互いクラゲ記念撮影!
クラゲを下から撮影して、空と雲、御蔵島を映しこんでも面白いですね。

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
朝の光の中、イルカと泳ぐワイルド愛ちゃん!

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
素潜り練習!じんじんさん♪

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
ゆったりと泳ぐあきちゃん!

鈴木あやの御蔵島イルカツアー
次々とイルカが遊びに来ました。
イルカが行ってしまった〜
と思ったら、また後ろからイルカが!

みんながたくさんのイルカと出逢い、共に泳ぐことが出来ました。

オーシャナ御蔵島ツアーには、ドルフィンスイム3回がついています。
到着日の午前午後、帰る日の午前の3回です。

今回は、なんと3回とも同じ群れ・赤ちゃんを連れた
20頭ほどのメスの群れに出逢えていたことが分かりました。
これも個体識別をしているから分かることです。

1回目は、風雨が強く波も高く、ほとんど船が走れなかったこともあり、
ようやく出逢ったイルカの群れは一つ。
海へ入りましたが、イルカ達は寝ていたのか移動中だったのか、
向きを変えて、すーっと通り過ぎていくものでした。

2回目は、水面に浮いているだけでもイルカがどんどん遊びに来る、という状況でした。
みんながイルカとくるくる、潜らなくてもイルカと水面でぐるぐる遊んでいました。
そしてピーピーというイルカの嬉しそうな鳴き声が海に響き渡り、楽しい楽しい時間でした。

3回目は、水温がぐっとさがり、しびれるほど冷たい海でしたが、
たくさんのイルカ達に出逢うことが出来ました。
水温はおそらく18〜20度。滝の水によって水温が下がったのか、
冷たい潮が海底から上がってきたのかもしれません。
イルカの群れは、泳ぐスピードは少し速かったものの、
次から次へとこちらをソナーで観察し、ちょっと遊んでいく、というおもしろいイルカ達でした。

同じイルカの群れでも、寝ているとき、移動しているとき、遊びたいとき・・・、様々です。
それは野生であり、御蔵島の周りに棲んでいるからこそ、
同じイルカのいろんな状態を観察でき、出逢うことができたのです。

御蔵島に棲むイルカが野生であることを再認識させられます。
みなさんもこれから御蔵島へ行くときは、
イルカの様子をよく観察して、イルカに合わせて泳いで下さい。

また、今回は事前に、ゆっくり泳げばイルカも合わせて泳いでくれる、
ということを参加者に伝えていたので、
みんながゆったりと長い時間イルカと泳ぐことができました。

ご一緒した皆様、お世話になった方々、ありがとうございました!!
photo by Ayano Suzuki

鈴木あやの御蔵島イルカツアー

次回のオーシャナ・ドルフィンスイム、7月にも行います!

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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