南セブはワイドの水中写真に最強のネタが揃う海~フォトツアーを終えて~

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セブ島フォトツアー(撮影:越智隆治)

今回で2回目(計6クール)のフォトツアーを終えて思った事。
最終日に寺山編集長とも話していて、「国内でもやりましょうよ」と提案されたときに、じゃあどこでやるのって考えてみた。

自分のフォトツアー、テーマがマクロでもいいんだけど、やっぱり得意なのは、ワイド。
そのワイド撮影をテーマにしたときに、参加してくれたゲストに、確実かつ安全にテーマに沿った被写体を提供できる海って他にあるかなって考えてみた。

プロカメラマンとして撮影する事を想定した場合には、どこの海も魅力的なテーマが揃っているのだけど、フォトツアー用のテーマという前提で考えた場合、今回のBLUE CORALの南セブ支店に滞在して潜った、オスロブ、スミロン、バリカサグって、結構最強のセレクションかもしれないと思った。

もちろん、条件や運が良ければ、何の苦も無く撮影できちゃう場合もあるけど、前述したように、取材で訪れる海の多くが、ガイドとの信頼関係の下でかなりハードに潜りまくることでやっと撮影できる被写体も多い。

それと同じ事をフォトツアーのゲストに求めるのは酷だし、安全面を考えたら一定の場所に留まって、それぞれに被写体を与えて撮影してもらえるマクロ中心のフォトツアーの方がいいに決まっている。

でも、今回の撮影テーマは、以下のように全てワイド中心。

1.スミロン:浅瀬のサンゴとその上に群れるスズメダイやハナダイ

1.スミロン:浅瀬のサンゴとその上に群れるスズメダイやハナダイ

2.オスロブ:ジンベエザメ。しかも、複数個体やダイバー絡み、自分撮りetc

2.オスロブ:ジンベエザメ。しかも、複数個体やダイバー絡み、自分撮りetc

3.バリカサグ:ギンガメアジの群れとカメや他の魚たちとのコラボ写真

3.バリカサグ:ギンガメアジの群れとカメや他の魚たちとのコラボ写真

このテーマをゲストに提案して、ほぼ100%そのテーマに合った撮影環境を毎回海の中で皆に提供できるのって、よくよく考えたら凄いことだと思いませんか?
しかも、無理なダッシュをすることなく(してる人も少しいたけど)、ときには、まったく動く必要も無い。

水深だって、無理して潜らなければ、全部水深15mより浅いところで撮影できてしまう。
ジンベエに至っては、水深10mより深く行く事の方が難しい場所だ。
だって、ボトムがせいぜい8mしかないから。

だから、タンクを付けずに素潜りで撮影することもある。
その方が撮り易い構図もあるから。

ジンベエザメを撮る越智隆治(撮影:寺山英樹)

そう考えると、ビギナーの人でも安全に「水中ワイド撮影」をじっくり経験してもらえるし、それなりに水中写真に精通したフォト派ダイバーでも、これだけテーマがはっきりしていて、狙い易ければ、気合いも入ると思う。
ジンベエ、スミロンに至っては、素潜り(ノンダイバー)でも撮影が楽しめる。

自分自身もすでにここ数年で20回以上この3ポイントに潜りに来てるけど、毎回同じ被写体でありながらも、「次回はこう撮ろう、ああしてみよう」って思いがあって、しかもそれが空振りに終わる事がほとんど無い。

これだけ多く潜りに来ていれば、気持ちに余裕も持てて、同じ被写体に対しても、新たなテーマを見つけ出すこともできる。

砂地のジンベエザメのシルエットも、何回も来ていて、ジンベエザメを撮影死なれたし、今回、超べた凪だったから、撮影する気になった写真

砂地のジンベエザメのシルエットも、何回も来ていて、ジンベエザメを撮影し慣れたし、今回、超べた凪だったから、撮影する気になった写真

色々な海に取材に行きながら、「潜り込む」ということができている数少ない場所でもある(そういう機会を与えてくれているBLUE CORALさんには感謝しています)。

また、海中だけでなく、陸上の風景も魅力的。
前回のヘッドラインでも書いたけど、島々に囲まれた内海にあるセブの海では、べた凪率が高いこと。

周囲の島々にかかる入道雲が、とても美しいことなど、撮影テーマを挙げたらまだまだ沢山楽しめる。

セブ島のベタ凪(撮影:越智隆治)

今回、昨年の11月に続き、2回目のセブでのフォトツアーで、1回目に参加してくれて、再度参加してくれた方も数名いた。
前回に比べて、そのほとんどの方の撮影する写真が上手になっていたことは、正直嬉しかった。
撮影している様子も見ていたけど、色々考えながら撮影していたし。

面倒くさがりで、人に何かを教える柄では無いのだけど、今回のフォトツアーを終えて、大変だけど、そういう風に皆が上達していくのを見るのも、決して悪くはないな~と思える経験でした。

参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。
また、この最強のネタが揃う南セブで開催するかもしれないし、他のテーマを見つけて開催するかもしれませんが、機会があったら、是非また参加して下さい。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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