豪快さと優しさ、西表島の海に

Iriomote Island / 西表島

男らしいハードな海と女性的で優しい海

Photo&Text
越智 隆治
Special Thanks
ダイビングチームうなりざき西表
Design
Panari Design
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Iriomote Island / 西表島

男らしいハードな海と女性的で優しい海

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豪快さと優しさ、西表島の海に

 石垣島同様、WEB-LUEとしては初取材となる西表島。石垣島が優しい女性的な海であるならば、この西表島は、男らしいハードな海と女性的で優しい海のどちらもが存在する海と言ってもいいだろう。中でもハードさの代表的なポイントが、西表島の南西約15キロに位置する、仲之御神島、通称「オガン」の存在だ。
 これからの夏のシーズン、群れや大物を狙うなら間違いなく、このオガン。年間でもここに行けるのは、50日程度。今回はそのオガンでのダイビングをメインに、西表島の全容を紹介していく。群れあり、地形有り、癒しのサンゴ有り、そしてマクロあり。どんなダイビングでも楽しめるのが、西表の海の魅力。そして、そんな西表の海を完全網羅しているのが、ダイビングチームうなりざき西表のガイドたちだ。

シークレットガーデンのサンゴに癒される

西表島のサンゴ

 石垣島から、フェリーに乗船して約40分。フェリーは、西表島の西にある上原の港に到着した。人口5万人の石垣島から、人口2000人の西表島へ。島の大きさは沖縄では、本島についで3番目の島から2番目に大きな島へ。なのに、人口が少ないのは、その多くが国有地だからだと言う。
 島には周遊道路は無く、今でも同じ西表島にありながら、フェリーでなくては訪れることができない集落も存在している。これには、自分もちょっと感動した。
 そんな島だからこそ、他の島に比べても、変わらぬ自然が残されている。それは海の中も同じ事が言えるようだ。もちろん、ベストシーズンには多くのダイバーがこの島に訪れるのだとは思うけど。
 この島にいると、邪念というものが無くなり、ダイビングの事だけしか考えない時間が過ぎて行く。それもあっという間に。

 ダイビング初日、うなりざき西表のチーフガイドの曽我勲君が、「シークレットガーデン」と呼ぶオリジナルポイントに連れて行ってくれた。起伏のある丘に囲まれた湾奥。そこは、竜宮城のようにサンゴが群生する、そして、箱庭のように、かわいらしい海だった。

西表島のサンゴ

 ダイビングポイントではあるのだけど、僕はランチタイムの休息時間に、カメラハウジングを持ち出して、スノーケリングで浅瀬のサンゴを撮りまくった。こんなに穏やかで、しかもこんなに浅い場所で、元気に成長を続けるサンゴの群生をスノーケルで夢中になって撮影したのは、マーシャル諸島以来の事だ。
 「目で見る」だけなら、スキューバ器材を付けて潜る深さでもサンゴを堪能できるのだけど、サンゴ本来の色や美しさを表現するには、このシークレットポイントのように、浅ければ浅い程良い。
 「そこはダイビングポイントじゃないじゃないか」と思われるかもしれないけど、これだけ浅い場所のサンゴが美しければ、当然ダイビングするエリアだって美しいに決まっている。

西表島のサンゴ

 自分は物事を、大げさに表現することは苦手なのだけど、日本の海のサンゴがこれだけカラフルで元気だということを、今まで知らずにいた事に、本当に後悔した。そう思いながらも、こんなに新鮮な気分にしてくれた、西表島のサンゴたちに感謝しながら、夢中でシャッターを切り続けた。マスクの中は、嬉しくてにやけっぱなしだった。天気も良かったし、その日1日、ずっとここにいても良いと思った。

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