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見てるだけで涼しくなる!南極渡航のべ33回の4人による写真展 「南極の夏」(1/3)閲覧無制限

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イベント

東京のコニカミノルタプラザで、南極渡航のべ33回の4人による写真展 「南極の夏」が開催されます。
期間は2012年8月1日(水)〜10日(金)まで。

写真を撮られているのは、池田宏さん、毛塚潤さん、谷ヶ崎智子さん、中島賢一さんの4人。
そのうち、以前にオーシャナでインタビューもさせてもらった毛塚潤さんから、特別に何枚ものお写真をお借りすることができました。
全点、毛塚さんによる解説付きです。

なんとこのご紹介だけでも全3回分ものボリューム。
今回はそのうちの第1回目です。

夏本番でとても暑くなってきたこの頃、南極の写真をオーシャナのサイト上で、さらに興味を持っていただいた方は会場でもご覧になって、少しでも涼しくなってください。

1.ウェッデル海を行くキャピタン・クレブニコフ

キャピタン・クレブニコフ

初めての南極行は、11月20日〜12月17日までこの船に乗船し、フォークランド〜サウスジョージア〜サウスサンドウィッチ諸島〜ウェッデル海〜南極半島〜南米先端ウシュアイアという全行程8500キロの船旅だった。キャピタン・クレブニコフはロシアの船で、総トン数12288トン、居住区域が8階まである、ヘリコプター2機を搭載した大型の砕氷船。ウェッデル海領域では、コウテイペンギンの生息域が凍った海の奥深くにあるため、砕氷船でなければ到達することができない。

2.南極半島を行くグレゴリー・ミカエフ

グレゴリー・ミカエフ

2回目の南極行は、翌年の1月23日〜2月12日までこの船に乗船し、ウシュアイア〜フォークランド〜サウスジョージア〜南極半島〜ウシュアイアを巡るダイブクルーズ。グレゴリー・ミカエフもロシアの船で、総トン数2000トンの耐氷船。キャピタン・クレブニコフの乗船客が約100人だったのに対し、こちらは40人、その内半分の20人がダイバーで、4隻のゾディアックに分かれてダイビングをした。当時、この海域でのダイブクルーズとしては世界初であった。

3.サウスジョージア 早朝のモルゲンロート

サウスジョージア 早朝のモルゲンロート

サウスジョージアは、一番近い南米大陸の先端からでも直線距離が約2000キロある絶海の孤島。「南氷洋のアルプス」と表現される急峻な山々が海から立ち上がる島で、ペンギン、アザラシなどの野生生物の楽園。

4.南極半島ルメール海峡 氷山

南極半島ルメール海峡の氷山

南極収束内の海域に入ると、氷山がたくさん見られるようになる。航海中にデッキから氷山を見るのは、南極旅行最高の楽しみのひとつ。すべての氷山に個性があり、いくら見ていても飽きない。まさに一期一会。

5.ウェッデル海 夕陽で黄金色に輝く氷山

ウェッデル海 夕陽の氷山

南極の夏は太陽が沈まない。水平線ギリギリに太陽がある深夜帯、こんな幻想的な氷山に出会うことがある。深夜1時頃に撮影。

6.南極半島ルメール海峡 シャチ

南極半島ルメール海峡のシャチ

航海中、鯨類も目撃する。シャチの他、ザトウクジラ、セミクジラ、ミンククジラなどを見ることができる。

7.ウェッデル海 アトカ湾

ウェッデル海アトカ湾

フォークランドから出港してサウスジョージア、サウスサンドウィッチ諸島を経由し、氷を割りながら航海して13日目、ようやくウェッデル海奥のreal Antarctica、アトカ湾に到着。接岸前、憧れ続けたコウテイペンギンの群れが遠目に見えた時の胸の高まりは、今も忘れられない。

8.ウェッデル海 アトカ湾

ウェッデル海アトカ湾

ウェッデル海の奥にある氷山は、より高緯度にあるせいか南極半島の氷山とは段違いの迫力がある。どれだけの年月が作り上げたのだろうか。高さ50m以上の氷山が延々と続く。

9.ウェッデル海 アトカ湾 コウテイペンギン

ウェッデル海アトカ湾のコウテイペンギン

コウテイペンギンは究極の生物のひとつ。18種いるペンギンの中では、あらゆる意味で群を抜いた存在でもある。体長130cm、体重40キロを超えるものもいて、最大潜水深度600m超、最長22分も潜水した記録がある。

10.ウェッデル海 アトカ湾 エサを獲りに海に向かうコウテイペンギン

ウェッデル海アトカ湾、エサを獲りに行くコウテイペンギン

ペンギンと言えば南極、と思われがちだが、実は南極大陸で繁殖しているペンギンはアデリーペンギンとコウテイペンギンしかいない。アデリーペンギンは周辺の島々にも繁殖地があり、地面の上で繁殖するが、コウテイペンギンは大陸海氷上のみで繁殖する。つまり、コウテイペンギンは、一生地面に立たない唯一の鳥類であり、唯一の南極大陸純特産種といえる。

11.ウェッデル海 アトカ湾 エサを獲りに海に入る前の準備をするコウテイペンギン

ウェッデル海アトカ湾、エサを獲りに海に入る前の準備をするコウテイペンギン

12.ウェッデル海 アトカ湾 エサを獲りに海に入るコウテイペンギン

ウェッデル海アトカ湾、エサを獲りに海に入るコウテイペンギン

13.ウェッデル海 アトカ湾 海氷上に飛び出すコウテイペンギン

ウェッデル海アトカ湾、海氷上に飛び出すコウテイペンギン

14. ウェッデル海 リーセルラーセン氷棚 コウテイペンギンのルッカリー

ウェッデル海リーセルラーセン氷棚、コウテイペンギンのルッカリー

コウテイペンギンのルッカリー(集団営巣地)は海氷縁からかなり奥に入ったところにあるため、そこを訪れる時は母船を海氷縁に止め、ヘリコプターで移動する。雛たちは神経質なため、驚かさないようにヘリコプターは営巣地から1.5キロ以上離れたところに着陸させ、徒歩で移動する。 コウテイペンギンのもっとも驚嘆すべきことは、その繁殖形態である。雛を気候の良い夏に巣立たせるため、産卵と抱卵は地球上でもっとも過酷な環境である南極大陸の冬に行う。

15.ウェッデル海 リーセルラーセン氷棚 まどろむコウテイペンギンの雛

ウェッデル海リーセルラーセン氷棚、コウテイペンギンの雛

深夜1時頃に撮影。気温はマイナス15度以下だったためか、この写真を撮ってしばらくした後に空気が凍り、ダイヤモンドダストのようなキラキラした結晶が空気中を漂い、雛に降り注いでいた。この幻想的な光景、凛と張り詰めた空気は一生忘れられない。空気は切り裂くように冷たかったが、風がなく、雛も心地よさそうにまどろんでいた。

16.ウェッデル海 アトカ湾 コウテイペンギン親子

ウェッデル海アトカ湾コウテイペンギンの親子

コウテイペンギンは5〜6月に産卵すると、オスは立ったまま9週間以上絶食して抱卵する。メスは産卵するとすぐにエサを獲るため、場所によっては数百キロ離れた海氷縁まで旅をする。卵が孵化する7〜8月頃にようやくメスはオスの元に帰るが、オスの体重は半分以下に減ってしまっている。抱卵しているオスが卵を氷上に落としてしまうと数秒で卵は死んでしまう。エサを獲りに行った親も、無事に雛の元へと帰れる保証はない。コウテイペンギンは外気温マイナス60度以下、風速数十メートルにもなるブリザードの中を子育てするが、成鳥になるまでに半数以上が命を落としてしまう。この写真のシーンも、親の後を一生懸命ついていく雛が愛らしく見えるが、実の親子ではないらしい。雛は親を求めて鳴きながら成鳥の後をついて回るが、成鳥は知らんぷり。おそらく実の親は命を落としてしまったのだろう。この時期にしては雛の大きさも小さすぎ、哀しい事にこの子の未来は、ない。

17.ウェッデル海 アトカ湾 コウテイペンギン親子

ウェッデル海アトカ湾、コウテイペンギンの親子

無事に両親の愛に育まれて成長した雛。実はこのシーン、もっとも撮りたかった夢に描いていた構図。尊敬する動物写真家、フランス・ランティングの「ペンギン」という写真集の表紙になったシーンと同じシーンである。

18.ウェッデル海 アトカ湾 コウテイペンギン親子

ウェッデル海アトカ湾、コウテイペンギンの親子

親からたくさんのエサをもらい、おなかいっぱいになり、眠くなって親に寄り掛かっている。両親の愛に育まれ、運よく生き残った雛たちは12〜1月初旬頃に換羽し、一人立ちして海に出る。

以下、その第1回目と第2回目の南極渡航を振り返った毛塚さんのお話です。

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南極に観光客が訪れるようになってから50年近くたちますが、私が参加した行程8500キロに及んだ1回目の南極への船旅、「2004ウェッデル海クルーズ」は、様々な記録を更新しました。

・ウェッデル海最南下記録
・最高上陸回数
・最高コウテイペンギンルッカリー訪問数
・ここ30年、旅行者がツアーとして初上陸した場所が数か所

通常は氷で厚く閉ざされているウェッデル海南極大陸氷縁が、この年は奇跡的に開いていたらしく、予定よりはるかに南下ができたとのことでした。
「2004ウェッデル海クルーズ」は今も南極リピーターやツアー会社たちの間では伝説のクルーズとして語り継がれているそうです。

また、2回目の南極行では、史上初のサウスジョージア〜南極半島ダイブクルーズで14本潜ることができ、非常に貴重な体験をすることができました。
たまたま「生涯1度の長期休職」中にこのようなすばらしい南極航海に巡り合うことができたのは、幸運だったと思います。

しかし、現在もどこの地よりも南極に行きたくてうずうずしています。
南極旅行の情報を見てはため息をつきつつ、妄想にふけっています。

一生に1回、と思い切って南極旅行に行く人も、一度訪れると人生を変えてまでリピートしてしまう人が多いそうです。

南極熱は一生治らない、不治の病なのです。

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●南極渡航のべ33回の4人による写真展 「南極の夏」●
○期間
2012年8月1日(水)〜10日(金)
○場所
コニカミノルタプラザ
東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F
○開館時間
10:30〜19:00(最終日は15:00まで)
○お問い合わせ
03-3225-5001


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このシリーズ、第2回と第3回はこちら!

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