地中海に眠るエジプトの古代都市遺跡から新たに発掘されたものとは⁉︎

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古代エジプトの水没都市「ヘラクレイオン」の遺跡 (c)Franck Goddio/HILTI Foundation

2021年8月上旬、地中海に位置するエジプト沖合の海底に沈む古代都市「ヘラクレイオン」の遺跡から、推定2100年前に使用されていたと思われる軍艦が新たに発見された。ヘラクレイオンはエジプトで最も大きな地中海の港湾都市だったという伝説が残されていたが、2000年にヨーロッパ海洋考古学研究所(IEASM)の創設者であるフランク・ゴディオ博士が海中で神殿の遺跡を発見したことで、その存在が立証されたという。

発見された軍艦 (c)Christoph Gerigk/Franck Goddio/Hilti Foundation

IEASMは今回、エジプトとフランスの合同調査チームを指揮し、同地点へ改めてダイバーを送り込んだ。神殿付近を探索していたところソナーに反応があり、水底に蓄積した泥の層の中から全長25メートルにもなる古代エジプトの軍用船の発見に至ったという。今回発見された軍艦は、運河に停泊していたところ、近くの寺院から崩落した巨大なブロックが激突する形で沈没したのではないかとCNNでは記述している。

通常ならば塩分による損傷が見られる海底遺跡であるが、今回発見された軍艦は推定2100年前の船だというのにもかかわらず、保存状態は非常に良好とのこと。美術・考古学関連のニュースを伝えるアート・ニュースペーパー誌はトーニス・ヘラクレイオン遺跡全般の保存状態について、「ナイル川が運んだ粘土質の泥土を含む堆積物が、遺物を化学的にも物理的にも侵襲する海水に対する保護層として機能している」と解説。調査を率いたゴディオ博士も「このように古い高速船が無傷の状態で発見されることは非常に稀なことです」と喜びを表現しているという。

また軍艦の他にも、ヘラクレイオンの北東部に位置する運河沿いに大規模な埋葬の遺構も見つかっている。遺構は豪華な副葬品で覆われており、大きさは長さ約60メートル、幅8メートルとのこと。ものが燃やされたことを示す証拠が至る所から見つかったため、豪壮な儀式が行われていたと推測されている。

まだまだ解き明かされていない謎が沈む海の中。海外だけでなく日本の海底にも、まだ見つかっていない数々のロマンが眠っているはず。もしかしたらあなたが、歴史の1ページを刻む日がくるかもしれない。

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PROFILE
静岡県西伊豆町出身。

ドルフィントレーナー専門学校を卒業後、ダイビングインストラクターや操舵手といった海に関わる職歴を持つ。

現在は、ライターとして「地球に暮らす全ての生き物がHAPPYな未来を」と願い、記事を書く。
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