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第13回小田原セミナーレポート【前編】閲覧無制限

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1月28日、神奈川県小田原市市民会館にて、
潜水医学講座小田原セミナー(通称:小田原セミナー) が開催されました。
毎年この時期に行なわれ、今年で第13回となる同セミナー。
潜水医学や安全潜水に関するレポートを聴講することができます。

今年のプログラムは4つ。

【1】
心配蘇生ガイドライン2010と「水難救助現場の蘇生法」を考える。
講師:関知子(小田原市立病院救急科部長)

国際蘇生連絡協議会の合意に基づき、5年ごとに改訂される「心肺蘇生ガイドライン」。
2010年の改訂により、「胸骨圧迫の重要性が強調されている」のが注目すべき点。

従来のEFR講習のマニュアルでは、1次ケアとして、まず「人工呼吸」を行なうとされていましたが、
同改訂により、「心停止と判断した場合、救助者は気道確保や人工呼吸より先に胸骨圧迫から心肺蘇生(CPR)を開始する」ことが推奨されています。

最大の目的は、傷病者の脳へのダメージを可能な限り防ぎ、社会復帰できる確率を高めるため。
呼吸の確認については、従来のように「見て・聞いて・感じる」と丁寧に行なうのではなく、
胸部の上下などで素早く確認し、すみやかに胸骨圧迫を行なう重要性が強調されています。
 


胸骨圧迫のポイントは以下。
胸骨圧迫を優先させつつ、周囲の助けを借りてすぐに119番することも重要です。

■1分間に少なくとも100回以上のテンポ
■5㎝の深さまで圧迫
■圧迫解除時は完全に胸郭を元に戻す

講義中にも上映された下記のYouTube動画。
1分間に100回とは、動画中のBGMで使用されている、映画《サタデーナイトフィーバー》の超ヒットナンバー「Stayin’ Alive」のテンポ程度。
2010年より1分間に100回以上が推奨されているので、これより少し早いくらいが目安のようです。

http://www.youtube.com/v/n5hP4DIBCEE

もちろん、知識と技術があれば、胸骨圧迫(30):人工呼吸(2)の比率で人工呼吸を行なうことが望ましく、準備できればAEDの使用も有効です。

水面での事故が想定されるダイビングの場合、気道の確保も重要となってきますが、
マニュアルどおりに「曳航しながら人工呼吸を施しつつ引き上げ」とするのではなく、
「一刻も早く岸やボートに上げて胸部圧迫」とした方がベストな状況もあるでしょう。

従来から指摘されている医療現場とダイビング業界の解離を埋めつつ、
臨機応変に対応できるダイバーを育成するマニュアル作りが強く求められます。

※後半へ続く

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