注目を浴びている水中の最新スポーツ・水中ラグビー

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水中ラグビー(提供:ボニー)

みなさん、「水中ラグビー」って、聞いたことありますか?

ドイツで発明されたこのスポーツ。
その名の通り、水の中でのラグビーです。

プールの底付近で行われ、 バスケット状のゴールがプールの底に設置されています。
また、円形のボールを使用するのも一つの特徴です。

水中ラグビー(提供:ボニー)

息が続かなくなると、プレーヤー達はボールをパスして水面へ上がります。
観客は試合を直接見ることができません。
水面を見るか、画面を通して見る必要があり、バスケットボールやラグビーのような盛り上がりもあまり見られないそうです。

しかし、水中ラグビーを専門に始める人もいるほどエクサイティングスポーツなのです。

水中ラグビー(提供:ボニー)

今回は、シンガポールの水中ラグビーチームFATUWR (First Asian Team Underwater Rugby)のメンバーKhee Chia Howさんを通して、水中ラグビー(Underwater Rugby)を紹介します!

—- FATUWRはいつ設立されましたか?

2014年9月9日に正式に設立されました。

—- 上手になるには、どんなスキルが必要ですか。

泳げる人は誰でもトライできますが、シュノーケリングが怖くない人には向いています。
長い間水中で息を止めることや水かき等、そういったスキルもとても大事です。

また、試合は水中で行われるのでコミュニケーションが取れません。

万が一何かあったら、他のチームメンバーに助けてもらわなければいけないので、プレーヤー達のチームワークや絆も非常に大事で、これを日々磨いていく必要があります。

毎週行われているトレーニングは、スキルの上達だけでなく、チームの友情や絆も深めてくれますので、最適です 。

水中ラグビー(提供:ボニー)

—- 参加するのに、いくらぐらいかかりますか。

FATUWRのメンバーの場合、2時間トレーニングで$5(シンガポールドル)です。
メンバーではない人は$7です。

—- どういった物が必要ですか。

水着、フィン、マスク、シュノーケルと水泳帽ですね。
試合のゴールはバスケット状のものがプールの底に設置してあり、ボールは浮きにくくするために塩水を詰めたものを使います。

—- 結構、激しいスポーツですか。

他のコンタクトスポーツのように、水中ラグビーもラフでハードな時があります。
メンバー6人のチームが2つ、合計12人が皆一緒にプールで泳ぎ回っているので(笑)。

でも水が衝撃を吸収しますので、普通のラグビーほどハードではないです。他のスポーツのように水中ラグビーも安全やスポーツマン精神にフォーカスしているので、正々堂々の試合ぶりを強く勧めています。

もちろん、他の選手の装備、首、手などを急につかんだり、スポーツマン精神とは異なる行動をとったりするのは反則です。

水中ラグビー(提供:ボニー)

—- どれくらい人気ですか。

50年以上も前にドイツでスタートし、今はヨーロッパで多くの人が参加しています。

オーストラリアの水中ラグビーコミュニティーもどんどん拡大しているそうです。

シンガポールではまだ比較的新しいスポーツですが、関心は高まっているみたいです。

—- なぜチームを設立したんですか。

シドニーの大学に通っていた時水中ラグビーを習い始めました。
ノルウェーに住んでいた時も続けて、ノルウェーとスェーデンで試合に参加しました。
8年経ちますが、今でも水中ラグビーの3次元的な感じがとても好きです。

水中ラグビーは元気にさせてくれるし、そのアドレナリン的なスリルは、他のスポーツで経験したことがありません。

シンガポールに戻ってからも大好きな水中ラグビーを続けるため、チームを設立したかったのです。

僕の目標はシンガポールの水中コミュニティーをもっと大きくし、シンガポールをベースに水中ラグビーをアジアで普及する事です。

—- どんな大会に参加していますか。FATUWRはシンガポールや他の国でも有名ですか。

2015年4月3日から5日まで、オーストラリアのブリズベンで開催された水中ラグビーイベント、Pan Pacific Cup に参加しました。

チームとしては初のトーナメントで、8チームのうち3位になりました。

たった8ヶ月前に設立されたから、勝ち目のないチームとして参加しましたが、8年以上も活躍しているオーストラリアの様々なチームは僕達を見てびっくりしていました。

それ以来、世界中の水中ラグビーコミュニティーが僕達のチームやアジア内の水中ラグビーの拡大に興味を持ってくれています。

FATUWRの設立以来、シンガポールの様々な雑誌やニュース関連記事にも載るようになりました。

水中ラグビー(提供:ボニー)

—- 水中ラグビーの何が最も楽しいですか。

深さ3.8m から5mのプールで行われる試合はとても3次元的です。

どんな方向にでもパスができて、他のスポーツとは全然違います。

それから前にも言ったように、水の中ではコミュニケーションがとれないので、万が一何かあった場合対応できるようにチームワークやチームメンバー間の信頼はすごく大事です。

そういう強い絆や信頼は友情や仲間意識を築き、その結果チームメンバーは家族のようで、トレーニングも楽しいです。FATUWRは現在60人家族です。

—- 今後のトーナメントや目標、水中ラグビーの面で一緒に活躍したい国等について教えてください。

シンガポール、そしてアジア初の水中ラグビーチームとして、チームを設立したいアジア国に専門的知識やアドバイスを提供し、シンガポールやアジア圏内での水中ラグビーに対する認識を高めたいです。

そして、アジアの水中ラグビーコミュニティーがだんだん大きくなるにつれて、地域内トーナメント等も可能になりますので、それは楽しみにしています。

世界選手権にもいつか出たいです。
また、水中ラグビーチームを設立した国や設立したい国と一緒に活躍するのもとても楽しみにしています!

—- ありがとうございました。話を聞いていると チームメンバーの強い絆がとても感じます。また、水中ラグビーは魚になった気分で縦横無尽に泳ぎ回る楽しいスポーツのようですね。

日本の皆さんも、一度水中ラグビーをトライしてみてはいかがでしょうか。

※チームの設立に関する詳細などについては、こちらまでご連絡ください!

fatuwr@gmail.com

■情報提供:Khee Chia How
■写真:Wilson Zhang, Popillusion
■フェイスブックページ:https://www.facebook.com/groups/FATUWR/

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PROFILE
イギリス生まれ、8歳から13歳まで日本で育ったイギリス人と日本人のハーフ。

2006年に再度来日し、ナレーター、翻訳者、ライターとしてNHKテレビ、ラジオ、日本駐在外国人向けのウェブサイトなどで活躍。
2010年ニューカレドニアで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、2011年以降定期的に日本で潜っている。

日本の海の魅力、多様な生物や地形等に感動し、海外であまり知られていない日本のダイビングを紹介する目的で、2011年にブログ(Rising Bubbles)を立ち上げた。

外国人向けのサイトや海外のダイビングサイトで日本のダイビングスポットを定期的に紹介しており、スコットランドのセントアンドリューズ大学で水産養殖も勉強中。

「ダイビングをきっかけに、日本の海がどれだけ魅力的なのかをすごく実感しました。この連載では、たくさんの情報を届けていきながら、海外からのトピックを取り上げ、日本と海外の違いや海外の視点等をシェアするのを楽しみにしております」
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