パラオマンタリサーチリベンジ!そして、ぐるぐるマンタの可能性

Palau / パラオ

50匹ものマンタが、ぐるぐると旋回する!

Photo&Text
越智 隆治
Special Thanks
デイドリームパラオ
Art Direction
PanariDesign
Design
Yoshiko Murata
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Palau / パラオ

50匹ものマンタが、ぐるぐると旋回する!

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越智 隆治
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デイドリームパラオ
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Yoshiko Murata
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パラオマンタリサーチリベンジ!

ぐるぐるマンタ

目の前で50匹ものマンタが、ぐるぐると旋回し、捕食を続けている。まるでシルク・ド・ソレイユの一糸乱れぬパフォーマンスを見ているようだ。
時にマンタたちは、プランクトンの豊富に集まる海域へと編隊を組んで移動を始める。一旦姿を消し、また海中を怒濤のように押し寄せてくる姿は圧巻だ。マンタを見慣れた僕でさえ、これほどの群れが大口を開けて突っ込んでくれば、興奮を隠すことはできない。
2011年11月、辛酸をなめたマンタリサーチ、そのリベンジが、今ここに達成された!!

辛酸をなめた昨年11月

2011年11月、実際には別の取材目的で訪れたパラオ。しかし、その取材を行なう事が不可能になり、急遽行なったのが、デイドリーム(以下DD)がリサーチ中だった、北のマンタ捕食。
「当たれば50匹は群れる」という少ない目撃情報と、未確定なリサーチ情報だけではあったけど、「何か今までに無い取材がしたい」というガイドの遠藤学さんの出した博打に近いターゲット撮影に同意して、取材を敢行した。

多くの費用をかけて、取材を行い不発に終わる。これほど、リスキーな事は無い。にも関わらず、こんな無謀な賭けに出たのには、遠藤さんに少なくともそれなりの勝算があってのことだと思った。
が、結果はDDオリジナルポイントと呼んでいる、003でのマンタリサーチは、5日間訪れて1枚のマンタすらチラ見することなく、不発に終わった。

パラオマンタリサーチ序章

去年のウェブマガジン(クリックするとご覧いただけます)

6年前、DDペリリューステーション開設直前に、当時同ステーションのガイドだった、秋野大さんと行なったWEB-LUE取材を思い出した。
まだペリリューでの潮読みが今のように十分でなかった頃、ペリリューの先端に群れるロウニンアジを撮影することは至難の技だった。そして、最初のロケで撮影ターゲットのロウニンアジの影すら見ることなく、取材を終えた。
敗北感。水中カメラマンとしての意地、ガイドとしての意地。そんなものが、直後のリベンジ取材を行なわせ、ダウンカレントに捕まりながら、水深60m近くまで潜ってロウニンアジの群れを撮影し、リベンジを達成させた。

リベンジ!ペリリューエクスプレス

クリックすると2006年のウェブマガジンをご覧いただけます

今では、条件さえそろえば、当然のように見せれてしまうロウニンアジの群れの撮影も、当時は「命がけの撮影」に思えた。そして、今回もガイドとカメラマン、お互いの同じような思いが、リベンジ取材の動機となった。

リベンジ取材開始!

「3月4月5月、この辺りである条件がそろった時に、マンタが捕食で群れる可能性が高いです」
遠藤さんのその説明と自分のロケスケジュールを見比べて、2012年4月前半、10日間ダイビングを行なう日程で、早々に取材スケジュールを組
んだ。そして挑んだ今回の取材は、WEB-LUEではなく、ダイビング・ドット・コミュ、スキューバダイビング.jp、それにWEB-LUEの3サイトが統合して発足したocean+αの初海外ロケという形で行なわれた。

ぐるぐるマンタを求めて出発

2011年の同じ時期、遠藤さんがマンタ狙いで003を訪れて、10匹以上の補食マンタに遭遇したのは、10回中3回と少なかった。しかも、30匹程群れていたのが1回で、残りは10匹程度。今年に入ってからも、今回の取材前に、4回程訪れていて、20匹程の群れに遭遇できたのが、たったの1回だけだったと聞かされていた。
14日中、遭遇は4日。勝率は3割弱…。10日間のスケジュールでも果たして遭遇できるのかどうか。時期が悪かったとは言え、前回の大外しの苦い経験もあり、「1日でもいいから当たってくれますように!」と祈らずにはいれなかった。

今回の取材には、ゲストダイバーも数名参加して行なわれた。こんな低い確率でも「ぐるぐるマンタを見てみたい」という人が集まったのだけど、中には、「当然見れるものだと思って参加した」という人もいた。最初は驚いたけど、どうやら遠藤さんの伝え方、ゲストの解釈にも行き違いがあったようだ。
しかし!こういう状況下では、「見れないかもしれない」という不安を持って挑むよりも、「当然見れるもの」と思っていてくれる方が、運も向いてきそうな気がした。

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