水中写真家・越智隆治が初めて潜った本州最南端「串本」

Kushimoto / 串本

マクロでも、ワイドでも、被写体に困らない贅沢な海

Photo&Text
越智隆治
Special Thanks
串本ダイビング事業組合
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マクロでも、ワイドでも、被写体に困らない贅沢な海

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小魚を狙ってガレたサンゴの下でチャンスをうかがうアザハタ。目がマジ過ぎて笑える。

小魚を狙ってガレたサンゴの下でチャンスをうかがうアザハタ。目がマジ過ぎて笑える。

本州のダイビングのメッカといえば、東の横綱、伊豆半島に対し、西の横綱が、紀伊半島の最南端串本だろう。
海中の四季を色濃く感じることができる伊豆、黒潮がぶち当たり、温帯と亜熱帯、両方の海を一度に感じることができる串本。

……そんな風に差別化できるのかもしれない。
日本一多くの魚種が生息しているという個性豊かな海は、串本初体験の私に、新たな感動をもたらしてくれた。

東京駅から584㎞、初めて潜る串本の幕開け!

朝焼けに染まる橋杭岩。その異形が、これから潜る串本の海への期待感を昂揚させる

朝焼けに染まる橋杭岩。その異形が、これから潜る串本の海への期待感を昂揚させる

東京から東名高速、東名阪自動車道、紀勢自動車道を乗り継いで、紀伊半島東岸を走る国道42号線をひた走ると、本州最南端の町、串本に到着する。
Googlemapでルート探索したら、東京駅からの所要時間は、7時間57分と表示された(検索したときの混雑具合で、所要時間は多少違ってくる)。
総距離にして584km。

この総距離をものともせずに、東のダイビングのメッカ・伊豆半島を超えて週末に串本に通うダイバーたちがいる。
ちなみに東京駅から伊豆海洋公園までの総距離は、142km、所要時間は約2時間40分。
お膝元の大阪駅から串本は214km。
今では、高速も伸びて、3時間前後で到着する。

車で紀伊半島東岸、国道42号線を南下し、串本町に入りしばらくすると、海に突き出した奇岩群の異様な風景が目の前に飛び込んできた。
橋杭岩は、紀伊大島まで続く火成岩でできた不可思議な岩脈。
この奇岩群を越え、潮岬を挟んで西側にある海が、今回取材で潜った串本エリアの海だ。

串本の海が、本州最南端に位置して黒潮が当たる特殊な海であることはなんとなく知っていたけど、実際に潜ってみたことのない自分には、その海の魅力にいまいちピンときていなかった。

串本に潜る前、水中カメラマンとして一番参考になったのは、ネットに挙がっている歴代の串本海中フォトコン受賞作品の数々。
アザハタの根、妙に人懐っこいイラ、多種多彩なマクロ生物たち、外洋の群れ、浅瀬に群生する美しいサンゴ、バブルリングなどなど。
印象に残る作品も多くあった。
そんな作品を参考にしながら、串本の海を潜ることになった。

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