ワイドで魅せる錦江湾の魅力

Kinkowan / 錦江湾

桜島のお膝元を潜る!

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Takaji Ochi
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Scuba Diving Shop SB
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Harumi Yamamoto
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Panari Design
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桜島のお膝元を潜る!

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深度で変わる「クマソ根」の顔。

水深5mには、ソフトコーラルの群生地が広がる

水深5mには、ソフトコーラルの群生地が広がる

単発のロケでは、錦江湾の四季折々の海中景観を撮影することはできなかったのだけれど、潜っていて驚いたのが「クマソ根」だ。最初は、伊豆の春濁りみたいな透明度に、ワイド撮影大丈夫かなと思いながらエントリー。ガイドの松田さんの黄色いフィンを目印に潜降していく。

まずたどり着いたのが、船を固定するアンカーがかかっている、水深15mほどのスロープ部分。そこには、紫色をしたアカヤギの群生地がある。そこから深度をゆっくりと落としていくと、水深20m 付近には、白やオレンジ、淡いピンクなどのウミトサカが群生していて、また違った景観を見せてくれる。

錦江湾の海中の顔であるアカオビハナダイは、水深5mより浅いエリアから、至るところで見ることができる。ただ、水深25m付近にある「クマソ根」のメインエリアには、あふれんばかりのアカオビハナダイたちが乱舞していて、潮の流れによっては、根を覆い尽くす。透明度の悪い緑の海中では、あまりはっきりしないのだけれど、ストロボを発光した写真は本当に美しい。真っ赤なアカオビハナダイの乱舞のバックに、この不思議な緑色も悪くない。

そして、さらに深度を落とした35m付近には、カラフルな色彩をしたイソバナが群生している。小さめで、色とりどりで、周囲も暗めだから、とても映える写真が撮影できる。

撮影に夢中になって、深く潜りすぎたため、ゆっくり浮上。浅瀬で安全停止をしながら周囲を伺うと、水深5~10m付近には、これまたカラフルなソフトコーラル畑。その上、水深3mから水面付近には、キビナゴの大群が、太陽の光を体に浴びてキラキラと光を反射させながら、すごい勢いで泳ぎ去って行く。

水面下をキビナゴの群れが通過していく

水面下をキビナゴの群れが通過していく

四季だけでなく、この「クマソ根」では、水深のちょっとした違いによって、とてもバリエーションに富んだ表情を見せてくれる。他のポイントにも潜りたいのだけれど、正直、ベストコンディションの「クマソ根」を見せられると、ワイド撮影が楽しくて何本も潜りたくなってしまった。

透明度の高い海でも、これほど、1ダイブでバリエーションに富んだワイド撮影ができるポイントは、なかなか記憶に上がってこない。もちろん、今までと違う景観がおもしろいから、というのも確かにあると思う。でも正直なところ、ワイドなら「このポイントに何日間か潜り続けてもいいかな」とさえ思えるポイントだった。
特に、アカオビハナダイの乱舞シーンは、2018年に撮影した、僕のお気に入りの写真の一点になった。

水深15mは紫色をしたアカヤギの群生地

水深15mは紫色をしたアカヤギの群生地

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