2大ポイント 「サク根」「とび島沖」
Text & Introduction Makoto Miura
Text Takuya Nakamura
Special Thanks Central Sports Outdoor Village THE101
Edit Naoko Machida
伊豆半島きってのデートスポットとして知られる恋人岬。
永遠の愛を誓う鐘が見下ろす海は、知る人ぞ知る魅惑のダイビングフィールド。
土肥が誇る2大ボートポイント「サク根」「とび島沖」にアタック!
※2020年8月、限定ポイント「とびしま沖PartⅡ」追加!
「とび島沖」からさらに沖合のポイント「とび島沖PartⅡ」へ。
水深50mから立ち上がる隠れ根は、巨大な魚たちの群れで覆われていた。
Tobishimaoki PartⅡ
「とび島沖」からさらに沖合のポイント「とび島沖PartⅡ」へ。
水深50mから立ち上がる隠れ根は、巨大な魚たちの群れで覆われていた。
とび島沖の南の根の先に、特に魚影が濃いという西の根が存在する。南と西、二つの根の間の水路は潮通しがよく、ハンマーヘッドシャークや回遊魚などの通り道となっている。西の根からさらに南には、トップの水深が20mの、連なる沈み瀬のひとつにブイがつけられているのだが、その周囲のエリアが「とび島沖PartⅡ」だ。
根が重なり合うクレパス状の穴には、巨大なモロコ(クエ)の住処もあり、運が良ければ魚たちの群れの中を威風堂々と泳ぎ回る姿を見ることができる。
とび島沖の南の根の先に、特に魚影が濃いという西の根が存在する。南と西、二つの根の間の水路は潮通しがよく、ハンマーヘッドシャークや回遊魚などの通り道となっている。西の根からさらに南には、トップの水深が20mの、連なる沈み瀬のひとつにブイがつけられているのだが、その周囲のエリアが「とび島沖PartⅡ」だ。
根が重なり合うクレパス状の穴には、巨大なモロコ(クエ)の住処もあり、運が良ければ魚たちの群れの中を威風堂々と泳ぎ回る姿を見ることができる。
疾風のように泳ぎ回るイサキやタカベの群れに一瞬でのみこまれた。すると、突然神隠しのように魚たちが姿を消す。束の間の静寂の後、再び暗闇から現れた巨大な群れに向かって、ワラサやカンパチといった回遊魚がアタックを仕掛けてくる。エントリーからエキジットまでの全てがシャッターチャンス。視界を遮るほどの群れの向こうに感じる、わずかな気配も見逃すな。
疾風のように泳ぎ回るイサキやタカベの群れに一瞬でのみこまれた。すると、突然神隠しのように魚たちが姿を消す。束の間の静寂の後、再び暗闇から現れた巨大な群れに向かって、ワラサやカンパチといった回遊魚がアタックを仕掛けてくる。エントリーからエキジットまでの全てがシャッターチャンス。視界を遮るほどの群れの向こうに感じる、わずかな気配も見逃すな。
このポイントのもうひとつの見所は、ずばり岩。ナンヨウキサンゴやイボヤギ、ウミトサカやムチヤギなどが覆い海を彩る。ミドリイシやキクメイシなどのハードコーラルも混じり合い、南国の海の雰囲気も醸し出す。西伊豆の中でも、ぽっこり突き出たお腹のような小下田エリアは、特に黒潮の影響が色濃く出ている。温帯域と亜熱帯域の環境がほどよくブレンドされた、カラフルな岩肌にぜひ注目してもらいたい。
このポイントのもうひとつの見所は、ずばり岩。ナンヨウキサンゴやイボヤギ、ウミトサカやムチヤギなどが覆い海を彩る。ミドリイシやキクメイシなどのハードコーラルも混じり合い、南国の海の雰囲気も醸し出す。西伊豆の中でも、ぽっこり突き出たお腹のような小下田エリアは、特に黒潮の影響が色濃く出ている。温帯域と亜熱帯域の環境がほどよくブレンドされた、カラフルな岩肌にぜひ注目してもらいたい。
今回の取材で一番驚いたのは、1ダイブ中に海の色が青から緑へと劇的に変化すること。取材時は雨も降っていた影響もあるが、川から流れ込む栄養豊富な緑色の水と、沖合から流れ込む黒潮からの青い水とが混じり合う理想的な場所なのだろう。だからプランクトンを求めて魚達の活性が上がり、そこに大型の生き物が突っ込んでくる。そして、プランクトンは岩肌のサンゴやソフトコーラルを育て、多くの命を包み込むゆりかごとなっている。どのタイミングで、どのコースを選ぶかで、全く海の景色が変わる。そんな一期一会の出会いこそ、小下田エリアの魅力である。
今回の取材で一番驚いたのは、1ダイブ中に海の色が青から緑へと劇的に変化すること。取材時は雨も降っていた影響もあるが、川から流れ込む栄養豊富な緑色の水と、沖合から流れ込む黒潮からの青い水とが混じり合う理想的な場所なのだろう。だからプランクトンを求めて魚達の活性が上がり、そこに大型の生き物が突っ込んでくる。そして、プランクトンは岩肌のサンゴやソフトコーラルを育て、多くの命を包み込むゆりかごとなっている。どのタイミングで、どのコースを選ぶかで、全く海の景色が変わる。そんな一期一会の出会いこそ、小下田エリアの魅力である。
西伊豆の聖地にダイビングポイントがあると知り、取材班が向かったのは土肥の「アウトドアビレッジTHE101」。
恋人岬の先端からわずか100〜200mの海域に、「サク根」と「とび島沖」の2つのビッグポイントが眠っているという。
まずは現地ガイドが“魚群が湧き出る”と絶賛する「サク根」へボートを走らせた。
Sakune
西伊豆の聖地にダイビングポイントがあると知り、取材班が向かったのは土肥の「アウトドアビレッジTHE101」。
恋人岬の先端からわずか100〜200mの海域に、「サク根」と「とび島沖」の2つのビッグポイントが眠っているという。
まずは現地ガイドが“魚群が湧き出る”と絶賛する「サク根」へボートを走らせた。
港から南進すること10分ほど。恋人岬を見上げる断崖の下に、海面に突出した岩礁が現れた。
これぞ水深70mまで落ちる「サク根」のトップで、エントリーするや表層にはマダイやメジナが旋回。潜降を続けると、中層ではキンギョハナダイやスズメダイが乱舞している。花吹雪のように渦巻く魚たちを見つめていると、ドロップオフから突如としてタカベやイサキの大群が“湧き出して”きた。
3月下旬の取材だったので大型魚との遭遇は叶わなかったものの、春から秋にはイナダやカンパチが銀鱗のカーテンとなって現れることもあるという。全身を洗う潮の流れや胸が高鳴る回遊魚待ちなど、スリルあふれるダイビングを期待できるポイントだ。
港から南進すること10分ほど。恋人岬を見上げる断崖の下に、海面に突出した岩礁が現れた。
これぞ水深70mまで落ちる「サク根」のトップで、エントリーするや表層にはマダイやメジナが旋回。潜降を続けると、中層ではキンギョハナダイやスズメダイが乱舞している。花吹雪のように渦巻く魚たちを見つめていると、ドロップオフから突如としてタカベやイサキの大群が“湧き出して”きた。
3月下旬の取材だったので大型魚との遭遇は叶わなかったものの、春から秋にはイナダやカンパチが銀鱗のカーテンとなって現れることもあるという。全身を洗う潮の流れや胸が高鳴る回遊魚待ちなど、スリルあふれるダイビングを期待できるポイントだ。
目を楽しませてくれたのは魚の群れだけではない。
真っ赤なウミトサカや黄金色のイボヤギが覆う巨大根は、艶かしい水中のフラワーガーデン。キンギョハナダイが蜜を求める蝶のように、橙色の尾ひれをはためかせている。
ところどころに口を開けるクレバスを覗き込めば、宝石のように小さな命を輝かせるエビ・カニやウミウシ類が。眼前に湧くように飛び込む色彩と生命が、土肥ならではの妖しく刺激的な世界へと誘う。
目を楽しませてくれたのは魚の群れだけではない。
真っ赤なウミトサカや黄金色のイボヤギが覆う巨大根は、艶かしい水中のフラワーガーデン。キンギョハナダイが蜜を求める蝶のように、橙色の尾ひれをはためかせている。
ところどころに口を開けるクレバスを覗き込めば、宝石のように小さな命を輝かせるエビ・カニやウミウシ類が。眼前に湧くように飛び込む色彩と生命が、土肥ならではの妖しく刺激的な世界へと誘う。
さらに取材班は、「サク根」の南に位置する「とび島沖」へ。
潜降してしばらくすると、水深40mから水面付近まで屹立する岩山が迎えてくれた。
Tobishimaoki
さらに取材班は、「サク根」の南に位置する「とび島沖」へ。
潜降してしばらくすると、水深40mから水面付近まで屹立する岩山が迎えてくれた。
あふれる魚群に色彩豊かなソフトコーラルと、伊豆半島トップクラスの迫力ある水中風景を見せてくれた「サク根」。
潜る時間やシーズン、コース、深度によってその表情は異なり、何が現れるかわからないギャンブル的な要素も持ち合わせている。
前後左右、そして上下と巨大根に沿って360度の視界と移動を楽しみながら、限られた時間の海中散歩を堪能しよう。
あふれる魚群に色彩豊かなソフトコーラルと、伊豆半島トップクラスの迫力ある水中風景を見せてくれた「サク根」。
潜る時間やシーズン、コース、深度によってその表情は異なり、何が現れるかわからないギャンブル的な要素も持ち合わせている。
前後左右、そして上下と巨大根に沿って360度の視界と移動を楽しみながら、限られた時間の海中散歩を堪能しよう。
塔のような隠れ根は、「北の根」と呼ばれる「とび島沖」のシンボル。周囲には大小の岩礁が点在し、根から根へとホッピングしながら景観や生物を鑑賞する。
水底に流れる根や岩を見下ろしながら進む心地は、まるで空を飛んでいるような爽快感。青と静寂の世界に抱かれていると、全身が海へと同化していくような不思議な錯覚に包まれる。
コースどりは、ダイビング経験や旬の生物によってさまざまにアレンジが可能。ダイビングならではの浮遊感を味わいながら、冒険的なダイビングを楽しもう。
塔のような隠れ根は、「北の根」と呼ばれる「とび島沖」のシンボル。周囲には大小の岩礁が点在し、根から根へとホッピングしながら景観や生物を鑑賞する。
水底に流れる根や岩を見下ろしながら進む心地は、まるで空を飛んでいるような爽快感。青と静寂の世界に抱かれていると、全身が海へと同化していくような不思議な錯覚に包まれる。
コースどりは、ダイビング経験や旬の生物によってさまざまにアレンジが可能。ダイビングならではの浮遊感を味わいながら、冒険的なダイビングを楽しもう。
「とび島沖」に林立する根にもソフトコーラルが群生し、キンギョハナダイやタカベなど魚影の濃さも「サク根」と肩を並べるほど。
「南の根」と「西の根」の間には水路があり、春から秋にはイナダやカンパチの大群が出現。アオウミガメやハンマーヘッドシャークなど、意表をつく大物が登場することもある。
西伊豆・恋人岬沖の「サク根」&「とび島沖」。これから注目が集まりそうな2大ポイントのポテンシャルを、ぜひその目、そして全身で確かめてほしい。
「とび島沖」に林立する根にもソフトコーラルが群生し、キンギョハナダイやタカベなど魚影の濃さも「サク根」と肩を並べるほど。
「南の根」と「西の根」の間には水路があり、春から秋にはイナダやカンパチの大群が出現。アオウミガメやハンマーヘッドシャークなど、意表をつく大物が登場することもある。
西伊豆・恋人岬沖の「サク根」&「とび島沖」。これから注目が集まりそうな2大ポイントのポテンシャルを、ぜひその目、そして全身で確かめてほしい。