何本潜れば一人前ダイバーと言えますか?

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こうした類のことを聞かれることはよくあるが、
まず、とってもつまらないことを言ってしまえば、
一人前ダイバーというのは総合的な判断で、本数は特に人それぞれ。
10本で驚くほどうまい人も100本でも腰を抜かすほど下手な人もいる。
カードのランクでも同じようなことがいえる。

しかし、それを言っては話が終わってしまうので、あえて考えてみよう。
大いに主観的だと断っておく。

一人前のダイバーというとレベルが高い人という印象があるので、
まずは安心ダイバー、言いかえれば、脱ビギナーについて考えてみる。

安心ダイバーの目安を一言でいうなら”自分のことは自分でできる”ダイバー。
ダイビング本数でいえば100本、カードランクならレスキュー、
そして、3つの自己管理(水深、時間、残圧)ができ、
スキルとしては、”思い通りに水中で動ける”といった感じ。

100本というのは、やはりひとつの目安になる。
ランクに関しては、アドバンスと言われても安心はできないが、
レスキューであれば、取ろうという意識を含めて何となく安心。
まあ、自分がレスキューされそうなレスキューダイバーもいるけど……。

そして、一人前ダイバーを一言でいえば”他の人を気遣える”ダイバー。
ダイビング本数なら500本、カードランクならダイブマスターで、
人の面倒を見られるダイバー。
スキルとしては、自らダイビングを計画し、バディ(セルフ)潜水ができるといった感じ。

いずれにせよ、「脱ビギナーに必要なものは?」というアンケートの
具体的な結果をカテゴライズした結果を見てもわかるように(下記)、
スキルより意識や態度が大事のようだ。

脱ビギナーの判断基準
■意識・態度 72%
■スキル28%

また、同じように「一人前のダイバーの条件は?」というアンケート(下記)の上位も
意識することから始められる内容だ。

“一人前ダイバー”の条件ランキング
1位:自己管理ができる
2位:他人を意識できる
3位:周囲を見る余裕
4位:ゆったりとした動作
その他:自然を大切にする、片付けがしっかりなど

最後に、多くのダイバーと毎日にように接しているガイドさんに聞いた、
「脱ビギナーの条件を教えてください!(なるべく具体的に)」の結果を参考に。

プロに聞く! 脱ビギナーの条件は?
■ダイビング器材から体調まで、自己管理ができているかどうか。
■自己責任の自覚があるかどうかだと思います。
ガイドにただくっついていけばいいと思っているダイバーはビギナー。
この意識が改善されないと上達はしないと思う。
■周りを(全体を)見る余裕があるかないか。
最悪なのが無意識に「砂を巻き上げる」、「サンゴやソフトコーラルを蹴る」というダイバー。
こうしたことを意識できるだけでもマシだとは思うが、
頭では分かっていても水中に入ってしまうと、
潜ることで精一杯になってしまううちはビギナーかも。
■海の中でも陸上でも一緒に潜るダイバーにさりげなく気づかいができること。
みんなで楽しく潜ろうと思う人は、脱ビギナーといっていいのではないでしょうか。
■水・陸共に「身のこなしに余裕のある」こと。
■中性浮力が取れて、冷静に判断を下せる人で、初心者ダイバーに対し、
変に自慢などしない大人の対応ができるダイバー。
■器材をつかいこんでいる人は一目瞭然で脱ビギナー。
■タンクの本数や空気消費量など気にしない。
■最低限、自分の事は自分でが基本だと思います。
■ガイドに付いていくが、自分で生き物を探して見つける
ことができ、
浮力が取れている人。
■エントリー前までの準備を「さっ」と行い、初心者等の手助けをできる。
■逆説的ですが、ビギナーは、
①すぐに「手かき」で進もうとする。
②中性浮力が上手く取れない。
③エアをばか喰いする。
④底で砂をまき上げる(フィンワークがまるでダメ!)、
⑤前方の狭い視野しか見ていない。(周りが見えていない)、
⑥セッティングがろくに出来ない。
⑦被写体を独占して場所を譲ろうともしない。
⑧エキジットでもたつく。
これらの逆が脱ビギナー。
■フリー潜降、フリー浮上、安全停止が完全に出来るようになったら一人前。

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