ひとし増子のすべらない話10~サムイ島・タオ島~

タイ湾を巡る「スクーバ・エクスプローラー号」がいよいよシーズンイン! 

マレー半島の東側、タイ湾に浮かぶサムイ島やタオ島を巡るダイブクルーズ「スクーバ・エクスプローラー号」が2013年7月10日から今年もスタート!
そこで、今回はタイのパイオニア、マーシーことひとし増子にサムイ・タオの魅力をひも解く10の○○な話を聞きました。
スベらんな~。

■写真/むらいさち、増子均、寺山英樹
■構成・文/寺山英樹
■協力/サムイダイビングサービス増子均

1.疑心暗鬼な話
ジンベエザメって本当に出るの?

撮影:増子均

撮影:増子均

エクーバ・エクスプローラー号でブリーフィングを聞いていると、“見られる生物”紹介の最後に出てくるジンベエザメ。
しかし、「出たらいいですね~」(ニヤニヤ)、「普段の行いですかね」(エヘヘ)というやり取りには現実感がなく、大取というよりオチに使われている疑惑がムクムク。
引っ張るだけ引っ張って、実は出ないんじゃないの疑惑がモーリモリ⁉ 果たして真相は……。

「失敬な!(笑) 出るときは本当に出るんですよ。
マンタのように、クリーニングに来るなどの生態がわからないのがジンベエザメ。
正直言って、なんでこの海域に現れるのかもわかっていません(エサが豊富だからでしょうけれど)。
よっていつ現れるかも読めないわけでして、確率も出せない存在です」
と、ひとし増子。

そこをあえて、感覚でよいので出そうなシーズンを教えてください!

「夏場は出現の可能性は常にあります。もっと絞れば、理由はわかりませんが、お盆に出ることが多いです。空気を読んでいるのでしょうか(笑)」

昔、ダイビング雑誌の編集部に「ジンベエザメが高確率って書いてあったのに、出なかったじゃない!」とクレームが入ったのは本当の話。
しかし、相手は自然、絶対ということはありません。

栄養分豊富なタイの海はジンベエザメが出る雰囲気はビンビン。
毎年のように目撃されていますし、“会えたらラッキー”くらいの期待を持ちながら潜るのが正解のようです。

2.神秘も数が少ないと下ネタになる話
ゴールデン・ウォール

撮影:寺山英樹

撮影:寺山英樹

「海の中にそびえる金色の壁、ゴールデン・ウォール。
それは東南アジア、タイの沖合で金色に輝く魚が数十万匹という群れをなす事によって起こる神秘の現象」

と、「世界の果てまでイッテQ!」で紹介されたことで一躍有名になったその正体は……。

キンセンフエダイの壁!

撮影:増子均

撮影:増子均

実は、この時に撮影のコーディネーターをしたのが、ひとし増子。

「黄金色に輝くキンセンフエダイが、その先が見えないほどの群れを成し、まさに壁(ウォール)となってダイバーの前に立ちはだかるタオ島の名物シーン。タイで潜るならぜひ一度はその神秘体験をしてみてください!」

ただし、数が少ないと、ゴールデンボール。訳すと……ゴホン。

撮影:寺山英樹

撮影:寺山英樹

すべらんな~。

すべってるか……。

3.透明度がイマイチなのも悪くないって話
アジア屈指の大魚群、セイルロック

タイ湾を代表するビッグスポット「セイルロック」

タイ湾を代表するビッグスポット「セイルロック」

タイ湾の特徴は、とにかく魚影が濃い!
ということで、ひとし増子がおススメするのは、その特徴を最大化したようなポイント「セイルロック」。

バラクーダが渦巻き、ギンガメアジが湧き上がる、魚群二重層、三重層という圧巻のシーンが楽しめる、アジア屈指のビッグポイント。
いや、魚影の濃さで言えば、世界屈指と言ってもまったく差支えないと思います。

しかし、魚影が濃いのと引き換えに、透明度はそこまでよくありません。
“透明度が良くない”=“良くない海”という言い方をするダイバーもいますが、それは大きな誤解。

一般的に、透明度が低いということは、プランクトンなど魚のエサが豊富という証で、魚や大物たちのご馳走だらけということ。
人によっては、透明度が良くないのではなく、栄養分豊富ととらえ、潜った瞬間、“出るぞ感”でワクワクする海です。

ことさら魚群の部分ばかりが強調され、透明度のことはあまり伝えられていないせいか、タイで潜ったダイバーからは、「濁ってました~」という感想をよく聞きます。
けれど、誤解を恐れずにいえば、タイ湾の海は、そこそこ濁っているからこそ面白く、クルーズは、肩慣らしのポイントから始まり、クライマックスに「セイルロック」を潜るというストーリーこそが面白いのです。

「セイルロック」の“出るぞ感”は本物です。

撮影:むらいさち

撮影:むらいさち

タイ基本情報・シーズナリティ

タイのダイビングシーズンは、マレー半島の西側アンダマン海と東側タイ湾でほとんど逆になる。
タイ湾の場合、2月上旬~10月下旬が潜れる期間で、クルーズ「エクスプローラー号」が就航するのは、ベストシーズンの7月10日~9月27日。

ひとし増子のすべらない話10~サムイ島・タオ島~

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