習性や生態からデザインされた企画展「カタチとくらし」が京都水族館にて開催中

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姿や形、習性などを分析しそれぞれの生き物に合わせた「住まい」をデザインし展示する企画展「カタチとくらし」が、京都水族館にて2021年10月31日(日)まで開催中。本展は、2020年1月末から2月末、6月中旬から7月中旬にかけて、東京のすみだ水族館で開催され、好評を博した企画展示で、すみだ水族館と同じくオリックス水族館株式会社が運営する京都水族館に期間限定で展示されるという。

個性豊かな生き物たちを6つの水槽で展示

海や川に暮らしている生き物の「カタチ」が、彼らの「くらし」にどのように紐づいているのか想像しながら見てみよう。

「あなあなの家」×ナベカ

海の浅瀬などに生息し、警戒心が強く穴に隠れる習性を持つナベカ。その習性や特徴を分かりやすく見られるようにデザインされた「あなあなの家」。それぞれの個体がフィットする穴を探せるように、大きさの異なる穴のあるすみかを配置している。

「ぐるぐるの家」×ビッグベリーシーホース

タツノオトシゴ の仲間の中でも比較的体長の大きいビックベリーシーホース。写真から見ても分かるようにしっぽを海藻に巻つけて生活する習性から、さまざまな大きさ、太さの輪を組み合わせた構造物を設置している。

「しましまの家」×ミスジリュウキュウスズメダイ

白と黒の美しいストライプが特徴的なミスジリュウキュウスズメダイ。サンゴの群生の間など隙間に隠れる習性から、生物のしま模様の幅に合わせたサイズの棒状のすみかをデザイン。上手く擬態できており、過ごしやすそうにも見える。

「だんだんの家」×スザクサラサエビ

一見、サラサエビのようにも見えるが「スザクサラサエビ」の方が色鮮やかだという。暗い所に群れで暮らす習性から、安心して過ごせるようたくさんの影ができるような段々状のオブジェ型にデザイン。彼らのくらしを想像しやすい設計になっている。

「とげとげの家」×ヘコアユ

逆さまになって泳ぐ姿がかわいらしいヘコアユ。危険を感じるとウニのとげの中に隠れる習性がある。とげとげのオブジェを設置し、群れで隠れられるような工夫も見られる。

「にょきにょきの家」×クダゴンベ

サンゴやヤギ類の上で観察されることの多いクダゴンベ。升目状の模様が映えるため被写体としても人気だ。辺りを警戒して高い所から見渡す習性があり、気分によって上がる場所を変えるので高さの異なる構造物を設置している。写真のクダゴンベを見ても、かなりお気に召しているようだ。

2020年にすみだ水族館で開催された企画展「カタチとくらし」は、空間デザインの新しい可能性を拓いたとして専門家からも高く評価され、「日本空間デザイン賞2020」の金賞を受賞(エキシビジョン、プロモーション空間部門、金賞受賞はアワード全体で計8点)、さらに「第54回日本サインデザイン賞」でも金賞4点の1つに選出されている。

デザイン:hokkyok / 藤井北斗
http://hokkyok.com/20_katachi/
日本空間デザイン賞2020
https://kukan.design/award_year/2020/
第54回日本サインデザイン賞
https://www.sign.or.jp/about_sda/business/sda-award
大きな水槽の中では気づきにくい、小さな生物たちの「カタチ(姿)」と「くらし(棲み処)」の関係性をデザインとして表現した注目の展覧会だ。

企画展「カタチとくらし」
会期:2021年7月31日(土)~10月31日(日)
会場:京都水族館 2階 交流プラザ
所在地:京都府京都市下京区観喜寺町35-1
営業時間:日により異なるため、公式Webサイト>営業時間年間カレンダーを参照
入館料:大人 2,200円、高校生 1,700円、中・小学生 1,100円、幼児(3歳以上)700円

▼京都水族館公式Webサイト
https://www.kyoto-aquarium.com/

京都水族館のコンセプトである「近づくと、もっと好きになる」を体現した展示方法。生き物の生態を見事にデザインした新しい小空間に、きっとあなたも引き寄せられてしまうだろう。

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PROFILE
静岡県西伊豆町出身。

ドルフィントレーナー専門学校を卒業後、ダイビングインストラクターや操舵手といった海に関わる職歴を持つ。

現在は、ライターとして「地球に暮らす全ての生き物がHAPPYな未来を」と願い、記事を書く。
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