マナティーに会いたい

Florida / フロリダ

フロリダ・クリスタルリバー

Photo&Text
越智 隆治
Design
Sana☆
Special Thanks
INTO THE BLUE
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Florida / フロリダ

フロリダ・クリスタルリバー

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越智 隆治
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フロリダ・クリスタルリバー

「ジェントル・ジャイアント(優しい巨人)」という表現は、よくクジラ類の海洋ほ乳類に使われるが、本当にこの言葉がしっくりくる動物は、彼らなのではないかと思う。遠い昔には、空想上の生き物、「人魚」にも間違えられた心優しい彼らに会うために、僕は毎年のようにフロリダ半島西岸の小さな町を訪れる。

マナティーに会いたい

あまりのとろさに「あほだな~ 」と 思わず呆れてしまう

水面に浮遊したまま、クリスタルリバーのマナティー「彼(あるいは彼女)」はじっと動かない。何をしているのかと近付くが、そんな事はまるで意に介さないといった表情でじっとしている。つぶらな瞳は閉じられているわけではないし、ましてや目を開けたまま眠っている訳でもない。その証拠に、目の前で手の平を左右に振るとパチパチとまばたきをする。身体に触れてみる。なでてみる。しかし、「彼」 は相変わらずぼ~っと水面に浮遊したままだ。横を見ると、別の「彼」が、停泊させたボートのアンカーロープにじゃれついて遊んでいる。ロープの食感がいいのか、くわえては、モグモグと口を動かし続けている。いつの間にかロープに絡まってしまい、それでもモグモグとロープをくわえ続けるまぬけな様子に、愛着を感じる。近付いてそのシーンを真正面から撮影するが、こちらの「彼」もそんな事まったく気にならないといった感じでモグモグ。後で撮影した写真を見てみると、ロープで捕獲されてしまったかのようにも見える。「アホだな~」僕は、「彼ら」に対して、何度そう心の中でつぶやいたか、もう数えきれない。

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