ダイビング中に気づいたら他のグループにいた場合、どうしたらいいですか?
いきなり「だから、はぐれないようにするんだ!」と真顔でいうおバカさんもリアルにいるが、
そうした思考停止な人は放っておいて、さて、この場合どうしたらいいだろうか?
そのまま他のグループについていってしまうと、
元いたグループの、特にバディやガイドは心配し探してしまうので、
基本的には、ブリーフィング時のはぐれた時の手順に従うのがベターだろう。
そして、ダイバーならこれくらいの対応は軽々できるようになってほしい。
しかし、現実はそうもいかない。
海の中での独りぼっちの心細さといったら半端ではない。
ダイビングを始めたばかりであればなおさらで、
「はぐれて独りぼっちになってパニックで溺死」と考えられるケースも実際ある。
そんなことを言うのは、自分も初心者のころはぐれてしまい、
他のグループについていってしまったことがあるから。
透明度もあまりよくなかったので、はぐれてだいぶ経ってから気がついたのだが、
あの時の心臓の爆音といったら……。
このとき、「独りぼっちになったら死ぬ!
俺はこのロクハンを着た頼もしそうなガイドさんから離れたくない!!」
との思いから、独りぼっちになるという選択はありえず。
もちろん、間違ってついていってしまったガイドさんに、
すぐに一緒にエグジットさせてもらうのが一番安全だが、その場合、
そのお店のお客さんたちも一緒にエグジットすることになり迷惑をかけてしまう。
そんな申し訳なさ(というより恥ずかしさ)を考えた結果、選択したのは、
〝遠めから何食わぬ顔をしてくっついていく〝という水中ストーカー作戦。
遠巻きに後をつけていき、
「あいつは誰だろう……」とこちらを気にし始めたガイドがこちらを見ると知らんぷり。
口笛でも吹かんばかりの知らんぷり度は、まさにテレビコントのベタな尾行。
つかず離れず、チラチラとそのグループの後をストーキングし、
浅瀬に帰ってきたところでそのグループから離れ、
浮上して岸まで泳いでエグジットしたのだった。
そんな体験から、なかなか「独りで離反の手順を取りましょう」とも言えず、
「そのガイドさんに連れて帰ってもらいなさい」とも言えず、
ましてやドリフトだったら? 初めてのファンダイビングだったら?
などと考え始めると、軽々にアドバイスすることもできず質問ごとお蔵入り。
ということで、ビギナーさんになるべく具体的にアドバイスできることと言えば、
少なくとも、ブリーフィング時にはぐれたときの決まりごとを確認し、
それを実際に行なう覚悟と手順のイメージを持ってダイビングをして欲しいということ。
そして、たまたま他のグループについていってしまったなら基本的には離反の手順に従う。
しかし、海況、残圧、そして何より心のストレスと相談し、
「無理!」だと思ったらそこにいるガイドさんに助けを求めるのもあり。
ガイドさんは「あっちへ行け」とは言わず、きっと対処してくれるだろうが、
エグジット後は誠心誠意、謝りつつお礼も言うしかない。死ぬよりよっぽどいい。
で、ここで初めて、「だから、はぐれないようにしましょうね」と。