ヤップ島滞在記
Yap / ヤップ
心地良いいい加減さとだらしなさ
Yap / ヤップ
心地良いいい加減さとだらしなさ
- Photo&Text
- 越智隆治
- Special Thanks
- Yap RiZE Diving Center , World Tour Planners
ヤップ島滞在記
ここ3年ほど、毎年ミクロネシアのヤップ島を訪れるようになった。僕にとっては、当然のことながら、最初は取材で訪れた。ミクロネシアエリアの島々で、それまで訪れたことがなかったのがヤップとコスラエ。それが、いつの間にか、プライベートでもリピートしてヤップ島に訪れるようになったのには、それなりの訳があった。
心地良いいい加減さとだらしなさ
第一の理由は、「2月頃には、マンタの交尾が見れるかもしれないんですよ。もしかしたら、撮影もできるかも」。そんな事を、現地ダイビングサービス、ヤップライズダイビングセンター(以下ライズ)のオーナーガイド、ジョウミダイスケ君から、何度も聞かされたからだ。「マンタの交尾シーン、撮れるものなら、撮影してみたい」。プロ水中カメラマンとしての好奇心が、その言葉に揺り動かされた。マンタといえば、石垣島やモルジブなど、高確率に遭遇できる海を知っている。だけど、ダイバーの少なさや、クルーズではなく、島滞在で、すぐにマンタのポイントに行ける手軽さが、そういう撮影する上では、好都合だと思った。第二の理由、それは、オーナーガイドであるダイスケ君のキャラクター。最初に会ったときから、妙に浮世離れした不思議な存在感を漂わせていた。ダイビングで海に潜っている以外は、常にビンロウ樹の実をくちゃくちゃと噛んでいる。自分のビンロウ樹がなくなると、ヤップ人に「ねえ、チューちょうだい」とへらへらしながらせがんでいる姿をよく見かける。ヤップ人も、それが当たり前のことのように、ヤシの実で編んだ自分のカゴの中から、ビンロウ樹の実を取り出して彼に分け与えていた。