ワイドで魅せる錦江湾の魅力

Kinkowan / 錦江湾

桜島のお膝元を潜る!

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Takaji Ochi
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Harumi Yamamoto
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桜島のお膝元を潜る!

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雄大な桜島を抱く錦江湾へ。

ムチカラマツの森(撮影:越智隆治)

ムチカラマツの森と表現してもいいくらいに群生している

シコロサンゴ サンゴイソギンチャク(撮影:越智隆治)

シコロサンゴの周囲を取り囲むように群生するサンゴイソギンチャク

桜島を取り囲む鹿児島湾は、錦江湾とも呼ばれる。火山の大噴火によってできたカルデラ湾で、その中央に鹿児島県を象徴する桜島を頂く、雄大な風景が広がっている。まだ活火山である火山島の麓には約5000人の人々が生活し、錦江湾を挟んだ対岸には、人口60万人都市の鹿児島市がある。

これだけ活発に活動を続ける火山の麓に平然と人々が住む光景は、世界的にも珍しいといえるだろう。稀有というか……命知らず? と言ってもいいくらいの環境だ。取材時にも1日1回は噴火をしていて、時折「どど~ん!」という爆発音が聞こえてくるのだが、それもここに住む人々にとっては、日常茶飯事の聞き慣れた音でしかないのだろうか。「風向きによっては、噴火で飛ばされてきた火山灰が市内に積もって掃除が大変なんです」と笑いながら話すのは、地元ダイビングショップSBエスビー のオーナーガイド、松田康司さん。迷惑、と言いながらも、どことなくうれしそうだ。

それだけ桜島は、鹿児島に住む人々にとって、自慢できる大きな存在なんだと感じる。確かに、鹿児島に来た際に桜島の山頂が雲に覆われて姿が見えないと、なんだかとても損をしてしまったような気持ちになるから不思議だ。

それでは、その桜島を取り巻く錦江湾はどうなんだろう?

今回の取材の目的は、もちろん桜島ではなくて、その周囲を取り巻く錦江湾で潜ることだ。「錦江湾の海水がすべて入れ替わるのには、30年かかると言われています」という松田さんの説明が、やたら脳裏に焼き付いて離れない。この海は、生物たちにとって、栄養がぎっしりつまったスープでもあるのだという。反面、閉ざされた閉鎖的内湾であるため、一度ダメージを与えると回復に気の遠くなるような時間を要する繊細な環境だ。

 いったい、どんな不可思議な世界が広がっているのだろうか。そして、溶岩によって形作られた海底環境は……? 特異な環境の海に興味は尽きない。

溶岩の海岸からエントリーするダイビング

溶岩の海岸からエントリーするダイビング

婚姻色のアカオビハナダイ(オス)(撮影:越智隆治)

暗い海中でライトを当てると、婚姻色のアカオビハナダイ(オス)の体色が際立つ

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