ワイドで魅せる錦江湾の魅力
Kinkowan / 錦江湾
桜島のお膝元を潜る!
- Photo
- Takaji Ochi
- Special Thanks
- Scuba Diving Shop SB
- Edit
- Harumi Yamamoto
- Design
- Panari Design
Kinkowan / 錦江湾
桜島のお膝元を潜る!
- Photo
- Takaji Ochi
- Special Thanks
- Scuba Diving Shop SB
- Edit
- Harumi Yamamoto
- Design
- Panari Design
個性的な水中景観の虜に。
最初に潜りに来る前の印象は、暗く、透視度が悪く、マクロが中心のダイビングスタイルと当然思っていた。
今から10数年前のことになるが、この錦江湾をダイバーたちに“全国区”と知らしめた立役者が、当時ガイド会に所属していた出羽慎一さんだ。潜りに行ったことはなかったが、本人のお名前と錦江湾という聞きなれない湾の名前、そして、稀有なマクロ生物たちの写真は、以来忘れることなく、僕の記憶の片隅に残っている。それと同時に、大物海洋生物をテーマに撮影をしている自分には、きっと一生縁のない海だと思っていた。
それが今、この海のことをおもしろいと感じている。しかも、マクロじゃなくて、ワイドがメチャクチャ個性的ときた。
初めてSBに取材で訪れたとき、正直、錦江湾の右も左も分からない状態だった。
ショップの中に招き入れられて、店内を見回すと、オーナーの松田さんが撮影した錦江湾の写真や、南薩摩の海の写真が目についた。その中でも僕の琴線を刺激したのは、緑色の雲海に埋め尽くされたかのような海中に太陽の光が差し込む写真だった。何なんだ、この見慣れない新鮮で神々しい光景は! と心の中で思わずそう叫んでいた。即座に「これは何ですか?」と松田さんに尋ねると、「これは、シオミドロが繁殖している錦江湾の海中景観です。2月くらいに見られるんですよ」。
さらに、「その隣のクラゲと街の夜景の半水面写真は?」と問うと、「これはタコクラゲで、8月くらいに増殖するので、こんな写真が撮れます」。そして、「このアカオビハナダイのすっごい群れは?」「これは、1年中撮れますけど、ベストは10月くらいですかね~」と松田さん。
普段見慣れないワイド写真に触発されて、ふつふつと錦江湾への興味が湧き、ワクワクしてきた。確かに透明度は悪いのかもしれないけれど、ワイドが楽しめない海じゃない。いや、もっともっと、新鮮で斬新なワイド撮影ができそうな海なんじゃないか。そう思って提案したのが“ワイドで魅せる錦江湾の魅力”だ。