桜島ダイビングレポート[後編] !海なのに雪景色!?な溶岩の港

昨日公開した、鹿児島は桜島、錦江湾のダイビングレポートはもう読んでいただけただろうか。

▶︎桜島ダイビングレポート[前編] 錦江湾の火山灰エリアは不気味でカラフル!?

今回は1日目の火山灰エリアから離れ、溶岩エリアへ。潜ったポイントは「袴腰」と「ケイレ湾」。それぞれ印象的だった錦江湾の様子を勝手にレポート!

緑と赤のコントラストが美しいアカオビハナダイの群

2日目は前日より天気も良く、フェリーから桜島が良く見える。例によって、あっという間にフェリーは桜島に到着し、車でポイントへ向かう。1本目に潜るのは、港から5分ほどの「袴腰」というなかなか風流な名前のついたポイントだ。

対岸には鹿児島の都市が見える

エントリー口から見てもわかるように、ゴツゴツした溶岩が特徴のポイントで、この岩の感じが水中まで続いている。ここでは私が見たかったアカオビハナダイの群れが見られるとのことで期待が高まる。

エントリーするとやっぱり水中はダークグリーン。前日より透明度が良いせいか、それほど不気味な感じはしないが、ここでも溶岩の間からムチヤギが伸び、「おいでおいで〜」と深場に誘ってくるようだ。

水深20mあたりまで潜っていくと、ついに現れたアカオビハナダイの群れ!想像以上の数のアカオビハナダイが緑色の海を飛び回り、まるで春の夜に桜吹雪が延々と舞っているようで幻想的。アカオビハナダイ自体は伊豆などでも見られる種類だが、この水深でこれほどまでに群れているのは錦江湾ならではの光景だ。

スイカの腕ではこれが限界。


たまにマメアジやコガネスズメダイの群れが通り過ぎ、暗い海へと消えていく。私の腕ではとてもじゃないが写真に収められないので、ぜひこのワイドの魅力は実際に潜って確かめてみてほしい。

天然の溶岩が形成した港「ケイレ湾」

2本目に潜った「ケイレ湾」は、入り組んだ天然の溶岩が形成した港。波も少なく比較的穏やかなポイントだ。

不法投棄なのか船がよく沈んでいる

ここには湾の奥の方に行くと、湧き水が出ている場所がある。

モヤモヤしているのが湧き水

雰囲気的には陽炎っぽくてなんだか暖かそう…と思って手を突っ込むとめちゃくちゃ冷たい!裏切られた気分になるので手を突っ込みたい方は心して突っ込もう。

また、浅瀬の岩が真っ白く染まり、まるで雪山のようになっている。これは海藻が光合成で出した酸素の泡が岩に張り付き、このような光景を生み出しているのだそう。

岩が白っぽくなってるの、わかる?

ここで一番私が見たかったのがカタマキケヤリムシ。どこで見聞きしたのか忘れてしまったが(オーシャナLive!だった気がする)、ゴツゴツした岩に花が咲いているような不思議な光景を見て、これもぜひ見てみたいと思っていたのだ。実際に見てみると、思ったよりも群生している。ちょうど引っ込んだカタマキケヤリムシが出てくるところに遭遇し、ゆっくりと花が開くような様子を眺めることもできた。

そしてこのポイントでも1日目にどハマりしたマメスナギンチャク類がふたたび私の目の前に…。前日には見なかったピンク色のマメスナ、それからマメスナの上をキンホシイソハゼが飛び回る様子も見ることができ、最終的にはまたマメスナに時間を費やしてしまった。しばらく自分の中でブームが続きそうだ。

ピンクとブルーのマメスナが綺麗

マメスナとキンホシイソハゼ

以上、勝手に錦江湾レポート、楽しんでいただけただろうか。今回は潜らなかったが、タコクラゲの大群や、冬には森の中にいるような気分になれるシオミドロの海、そして透明度の良い外海の南さつまなど、実はまだまだ見所があるそうだ。

▶︎鹿児島・桜島のお膝元、錦江湾で潜る。溶岩の海の顔、サクランボウとクマソハナダイ(?)の話
▶︎水中ワイド写真で感じる鹿児島・錦江湾の海中の四季〜SBオーナーガイド・松田さん撮影〜

四季により大きく様相が変わる鹿児島の海。ぜひ次も違う景色を見に訪れたいと思う。

休憩中の足湯もいいよ

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PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
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