ネオプレンばかり着てきた編集長、初めてのシェルドライスーツWATERPROOF D7を徹底レビュー!

皆さん、こんにちは。
稲取マリンスポーツセンターでダイビングガイドを行っている樋口といいます。

2013年の年末に、3着目のシェルドライスーツとして、このWATERPROOF D7 PRO ISSを購入し、着用を開始しました。

これまで8日間・20ダイブで着用してきて、まだ耐久性を測るほどの本数・日数ではありませんが、今までの経緯、個人的な使用感などをまとめさせていただきました。

TUSAのWaterproofシェルドライスーツ(稲取マリンスポーツセンター)

なぜシェルドライスーツを選択したのか?

私は5年ほど前からシェルドライスーツを着用し続けています。

その理由としては、私自身、ダイビング器材を選択する際に一番考えることは、器材によって「潜水範囲を限定」されたくないという事です。

ドライスーツの着用理由は防寒ですから、インナーを増やすことによって、より冷水域に対応できるシェルドライスーツに着目する流れになりました。

今回WATERPROOF D7を購入したのは、現在販売されているシェルドライスーツの中では最も耐久性に優れた素材を使用しているため、限定されるダイビング環境が非常に少ないと考えたからです。

サイズに関して

どのシェルドライスーツでも同じですがサイズのオーダーはできません。
以前は国内メーカーがオーダー可能なシェルドライスーツを販売していましたが、今はしていないようです。

ネオプレン製のドライスーツですと既製サイズでもネックシール、リストシール、ブーツサイズはオーダーできますが、WATERPROOF D7はブーツサイズのオーダーのみ可能です。

そのため、フィット感に関して少し心配していましたが、それは杞憂でした。
リストに関して、手首周りが17cm以下の場合は、Sサイズのシリコーンリストシールを発注時に選ぶといいでしょう。

シェルドライスーツのサイズに関しては、着用経験のある方に相談することをお勧めします。
ゆったり着用するので気にしなくてもいいのではという方もいますが、購入前にアドバイスを受けたほうがよいでしょう。

私の場合、身長181cmでカタログ上、XLサイズに該当しますが、Lサイズを着用して快適にダイビングしています。

当店でご購入頂いたお客様に関しても、ワンサイズ下をお選びいただきました。

専用インナー WARMTEC

WATERPROOFの専用インナー・WARMTEC

WATERPROOFの専用インナー・WARMTEC

これまでシェルドライを着用してきた中で専用インナーの必要性は痛感しています。
ネオプレン製のドライスーツと同じインナーでは、とても潜水できません。快適に潜るには必需品と言えます。

WATERPROOFののインナーは、サーモフィル(中綿)の充填数値によって二種類ラインナップされています(WARMTECと、WARMTEC HD)。
私自身は200のタイプ(WARMTEC)を使用していますが、本日までに潜水した最低水温15℃では全然問題ありません。

昨年まで着用し、伊豆の最低水温を共に過ごしていた他メーカーのインナーと比較しても温かいほどですから、伊豆の最低水温においては十分対応できる保温性であると考えられます。

この季節でも日差しを浴びていると暑いくらいなので、脇の下についているファスナーを開けて体温調整ができるのもありがたい機能です。

手首に指をかけるループ、足の裏部分にもループが付いているので、着用しながら袖がずり上がるのを防ぐことができますし、ウェスト部分を伸縮性のあるゴムで絞ってあるので、上下つなぎタイプですがズリ落ちたりせず、暑いときには上半身だけ脱いで過ごすにも楽です。

なんと言っても、見た目もスマートでかっこいいです。

私くらいの年齢になり、インナーに気を遣わないでいると、例えばジャージを着て、シャツをジャージに押し込んで、靴下をジャージの裾にかぶせていたりしていようものなら、ドライスーツを脱いだ際に「休日ダラダラ寝起きおじさん状態」になりかねません(笑)。

専用インナーを着用するだけでこの状態を避けられるのは、性能とは関係なくありがたいです。

TUSAのWaterproofシェルドライスーツ(稲取マリンスポーツセンター)

WATERPROOF D7 PRO ISSを着てみて

新品状態ではネオプレン製のドライスーツと同様、接着剤のにおいが気になるかもしれません。ただ、インナーに匂いが移ってしまうなどということはありませんでした。

手首部分を着用前に折り返しておく、フロントファスナーの締め方、ネック部分と取扱、股掛けベルトといったD7ならではのコツは、取扱説明書に写真付きで明記されています。
着る前に絶対に読むことをお勧めします。

ゆったり着用するのがシェルドライスーツです。
着用はネオプレンよりも楽、当店の身体が大きめのスタッフもスムーズに着用できていました。

フロントファスナーですので、一人で脱ぎ着ができるのも特徴です。

標準装備のサスペンダーは、取り回しに気をつけ、必ず肩にかけてください。
このスーツの場合はこれがとても重要で、決して忘れてはいけません。

かけ忘れて、さらに股掛けベルトを忘れて潜水すると海の中で下半身がずれて不快になること間違いなしです。

※編集部注
初めて着用する時は市販のロウを防水ジッパーに塗っておくと着脱が楽になるとのことです。

ウェイト調整について

ネオプレンに比べて、ウェイト量は増えます。
私自身、ご購入いただいたお客様、他のスタッフなども少なくとも2kg程度増やしています。

ネオプレンで同等の保温力を得ようとしても同様にウェイトは増えますが、このウェイト量はシェルドライスーツの数少ないデメリットかと思っています。

普段からウェイト量が多めの方は、BCのウェイトシステムを活用し調整するとよいでしょう。
ウェイトベストなども多少ごわつきますが有効といえます(肩のストラップなどが調整できないウェイトベストは事前にご確認を)。

※編集部注
TUSAからは、ショルダーベルトの長さが調節でき、BCを背負った時に違和感が少ない板ウェイトを採用したウェイトベストも発売されています。

TUSAのWaterproofシェルドライスーツ(稲取マリンスポーツセンター)

器材を背負う時の注意点

シェルドライスーツは性質上、スーツ内部の空気量はネオプレンと比較して増える傾向にあります。
必ず背負う前にスーツ内部のエアを抜いてあげてください。

さらに、必ずBCを確認してください。
ゆったりしたシェルドライスーツはジャケットタイプのBCを着用している場合多少窮屈になることがありますし、お腹のカマーバンドがある場合、ベルクロが届かないなどの事態が生じる可能性がありますので、調整ができるタイプであれば伸ばしておくとよいでしょう。

また、給気バルブがプッシュ式なので、胸の部分にチェストストラップがある場合干渉して、場合によってはチェストストラップが給気ボタンを押してしまう、または押しづらくなることがあるので、この点にも気を使うといいでしょう。

海の中でのWATERPROOFの感想

国内で市販されているネオプレン製ドライスーツよりも、足首周りが柔軟で、フィンワークが快適です、

ドライスーツで泳ぎにくいと感じている方の中には、ブーツによる拘束感が少なからず影響していると思いますが、このブーツは自由度が高く、フィンワークが他のドライスーツよりもスムーズに行えます。

海の中に入るとスクイズ(締め付け)が発生し、個人差はあると思いますがシリコーンネックシール周りのプラスティック製のリングに違和感を覚えました。

これは使用するにつれて気にならなくなりましたが、場合によってはBCのショルダーベルトの位置を調整する必要があるかもしれません。

素材自体が薄手のため、ウェットスーツと同様とはいきませんが、他社製品よりは快適に泳ぐことができますし、ネオプレンと大きく異なりスーツの素材自体に浮力がないので、浮力調整とバランスはとりやすいと感じています。

レジャーダイビングの最大水深40mまでの潜水も行いましたが、浮力変化もないので、スクイズを解消することで自然に中性浮力が取れているという感覚です。

浮上の際には排気バルブからこまめに排気する、これは全てのドライスーツ共通ですね。

TUSAのWaterproofシェルドライスーツ(稲取マリンスポーツセンター)

エキジット〜脱ぐまで

他のドライスーツと何ら変わりはありません。
腿の部分のポケットに少し水が溜まっていますが、勝手に排水されます。

スーツを脱ぐ方法も、着た時と逆の方法で脱いでいきます。

数回使用すればネオプレン製ドライスーツよりも脱ぎやすくなると思いますし、ネックはシリコーンシールですのでネオプレンよりは脱ぎやすいです。

一つ気になっている点は、ブーツの底の消耗です。
ほかのユーザーさんから聞いたのですが、若干摩耗が早いようです。

足を引きずらない、まめに脱いであげるなどの気遣いが必要かもしれません。

編集部注:
ブーツの底には、市販の靴の補修材・肉盛り剤をつけると、長持ちに役立ちます。

その他、部品ごとの感想

D7の大きな特徴として、手首と首のシリコーンシールが自分で交換できる点が挙げられます。

破損してしまった場合、ネオプレンやラテックスのシールの場合は自分で交換ができません。修理期間中はスーツをレンタルする、またはダイビングをしないという形になります。

WATERPROOF D7は手首と首両方のシリコーンシールが交換できるため、スペアのシールを持っていればユーザー側で交換が可能です(購入時に首と手首それぞれ1つずつの予備は付属しています)。

ユーザー側で交換できるとはいえ、今回レビューを書くにあたり挑戦してみて、初めはかなり戸惑いました。

ワンタッチというわけにはいきませんし、慣れが必要だと思います。また、首の場合は付属品の専用ローラーが必要であるという事をお忘れなく。

装着を忘れてはならないサスペンダーですが、新品状態ではかなり長めなので、自分の好みにカットしました。

付属品のフードは、裏地の乾きが早いこととフィット感が、とても快適です。
これまで使用していたフードは3.5mmで寒さを感じていたので、保温性を重視し5mm/7mmのタイプを選択しましたが、一般的には3mm/5mmタイプで十分かと思います。

今回、ナイトダイビングでも着用してみましたが、襟の部分のリフレクターが小さいながらも視認性向上に役立ちました。これは取り付け部分を増やしてほしいですね。

大腿部のポケットは、クエスト(水中スレート)がちょうど収まるので、ガイドや講習では重宝しています。デジカメも入れられますね。

ポケット内部にDリングもあるため、リトラクターなどでアクセサリーが保持でき、紛失などを防げています。

最後に、実際の使用には関係ありませんが、納品される際の箱もかっこいいです。

WATERPROOF D7 PRO ISSの惜しい点

シェルドライスーツ自体はコンパクトにすることができますが、インナーも含めるとそれなりにかさばります(スーツ専用のバッグは付属しています)。電車でマイギアを運ぶ方には、少し負担が増えるかな?

また、納期に関しては、メーカーさんの努力に期待するしかないのですが、注文してから届くまでの日数がネオプレン製ドライスーツよりも必要です。
待っている期間も楽しいものですが、購入後はできる限り早く潜水したいですから。

WATERPROOF D7 PRO ISSの感想まとめ

これまで着用してきたシェルドライスーツの中では最も満足しています。特に着脱性能、水中でのバランスが非常に良いです。
さらに冬のダイビングがさらに楽しくなりました。

ネオプレンタイプのドライスーツを着用されている方であれば戸惑うことも多いと思いますので、可能な限り着用経験者からの情報収集をし、自分のスタイルに合った選択ができるようにされるとよいと思います。

既製サイズ(ブーツサイズは指定可能)ですので、スーツが身体に歩み寄ってはくれません。
自分でスーツに歩み寄り、自分なりのスタイルを発見してみてください。

TUSAのWaterproofシェルドライスーツ(稲取マリンスポーツセンター)

※商品に関しての詳細はこちら!

ネオプレンばかり着てきた編集長、初めてのシェルドライスーツWATERPROOF D7を徹底レビュー!

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