オーバーウエイトで潜っちゃダメですか?

結論。ダメでない。

もうひとつのよくある駆け込み、
「撮影時に呼吸を止めるのはありですか?」と一緒に考えてみるぞ。

まず、「呼吸をしながらだと手ブレする」、
「被写体となる生物が逃げる」という理由で息を止めているフォト派は多い。
プロのカメラマンでも同じじゃ。

現実問題として息を止めるフォト派がたくさんいるわけで、
であるならば、安全な正しい息止めの方法を考えてみる必要がある。

まず、息を止めるには条件がある。

第一にあくまで”意識的”ということ。
いつでもどこでも無意識に呼吸が止まってしまうのではいかん。
呼吸方法を明確に使い分けるということが大事。

次に”急激に水深が変わらない状況下である”こと。
例えば、水底にヘバリついて撮影するのであればこれに当てはまるが、
中層の群れを猛ダッシュで追いかけるなんてのは、
呼吸を止めたらエアエンボの危険性があるので止めちゃダメじゃ。
むしろ呼吸を心がけねばならん。これらの条件を守りつつ、
大人な判断で息止め撮影をしておくれ。

撮影時はある程度息を吸いこんでから息を止める方が自然。
酸素を多く取り込めるわけじゃし、素潜りでもそうしておるしな。
しかし、そうすれば体は浮いてしまいがちになるので、
オーバーウエイトで体を安定させることになるわけじゃ。

オーバーウエイトは、通常はタブーとされているが、
計画の段階で「〜を撮る」という明確な目的と意図を持って、
行動範囲を狭くするなど対応策を考えればいいと思う。
つまり、オーバーウエイトでも安全に潜れるような計画と
シミュレーションを行なうことが大事で、
極端な話、水深3㍍でずっと撮影するという目的なら、
海況を見極めた上で3㌔ぐらいオーバーだって構わないと思うのじゃ。

基本を理解した上で、
自分の頭で考え、そして判断して潜ることが大事ということじゃ。

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
  • facebook
  • twitter
FOLLOW