【愛南町】地域おこし協力隊がダイビングライセンス取得に挑戦! 地元目線で見る愛南の海と陸の魅力とは?
愛媛県の最南端、豊かな自然に囲まれた愛南町。国立公園である宇和海に面し、サンゴや多様な魚類が生息する美しい海域を有しており、漁業・養殖業も盛んな町だ。この街に2021年に地域おこし協力隊として移住し、卒業後も定住し地域をつなぐ役割を担う関根さんが、Cカード(ダイビングライセンス)取得にチャレンジ。海の中を実際に体験したことで見えてきた「地元の海」の魅力とは何か。そして、海とともに暮らす愛南町の地元民ならではの視点で語ってくれた。

地元ダイビングショップの想いから始まったCカード取得
関根さんのCカード取得のきっかけを作ったのは、愛南町でダイビングや観光船のサービスを提供する「西海観光船」代表の高橋さんだ。10年ほど前に東京から移住した高橋さんは、愛南町の豊かな海中を、もっと地元の人に知ってほしいという想いが兼ねてからあったという。

講習中の「西海観光船」代表・高橋さん
そこで、毎年6月に行っている海中のクリーンナップとサンゴ保全活動に合わせCカードを取ろうと、高橋さんが地元の方々に声をかけた。町議員や町職員など5名がその声かけに応じ、Cカードを取得することに。関根さんもその一人だったのだ。
関根さんは2021年から3年間、愛南町商工観光課の地域おこし協力隊として町の魅力をInstagramなどを通じて発信したり、地元食材を使った商品開発や販売を行ってきた。現在は自身の飲食店の開業の準備や、海業を推進する一般社団法人Umidasの事務局として、漁師や行政、海辺の観光事業者などをつなぐ役割をしている。
愛南町の海に潜るのは、西海観光船で3年ほど前に体験ダイビングとシーウォーカーを経験した以来で、本格的な水中体験は今回が初。講習を受ける前は「難しそうな器材も必要だし、海ってちょっと怖い」という不安もあった関根さん。東京にいた頃は海に行く機会すらなかったという。「知らないからこそ“海は怖い場所”って思い込んでいたけど、触れることで印象は変わるのでは」とCカード取得に踏み切った心境を語る。

お昼休憩の際にショップの外席で色々と教えていただいた
講習中、80代の現役ダイバーに出会ったことも衝撃だったという。「まさかそんな年齢の方まで潜っているとは思わなかった。ダイビングは若い人のものだと思っていたので、本当に驚いた」と振り返る。
愛南の海の中、どうだったか

緊張と楽しみが入り混じるエントリー前の関根さん
初めて器材をつけて水に入ったとき、陸ではとても重く感じた器材の重さを感じなくなった。しかし、その分「これを海の中で上手く操作できるのか?」という不安も大きかったという。楽しみな気持ちの一方で、緊張と不安が混じった複雑な心境だったそうだ。

ショップの目の前の海で初めは練習
呼吸や浮力調整についても、新鮮な驚きがあった。「慣れてくると普段と変わらない呼吸ができて苦しくない。しかもレギュレーターだけでなく、自分の呼吸でも浮力を調整できるのがおもしろい」と語る。
高橋さんから教わった中で特に印象に残っているのは「中性浮力と自分でコントロールする力」。中性浮力をキープすることで、海中でも安全に、そして楽に過ごすことができる。教わったことを自分自身で調整・コントロールする時間は、自分と向き合う貴重な時間だったと振り返る。

中性浮力を身につけるため、浮力コントロールと泳ぐ練習
講習の最後には、Cカード取得を祝うメッセージをもらって、「本当に嬉しかった」と笑顔を見せた。

無事に講習終了!
「外から見る海と中から見る海は全然違う」。講習を通じて、これまで“見る側”だった海の世界に、自分が“入っていく”体験は新鮮だった。海の透明度、魚の多さ、地形の美しさに驚き、「こういう環境が日常にあるというのは本当にすごいこと」と感じたという。「もっとたくさんの人にこの海を体験してほしい」とも語る。
地元の人にも潜ってほしい海
関根さんは愛南の魅力についてもさまざま教えてくれた。とにかく食べ物が美味しいことや、日常にある自然が豊かなこと。毎朝高台の家のリビングから朝日を見て「来てよかった」と感じる日々だ。

関根さんが週一で働いている市場食堂のカツオとタイの刺身はリーズナブルなのに新鮮でおいしい
中でも絶対に行って欲しいのがスナックだという。「スナックに友人を連れていくと、東京から来てくれてありがとうと地元の人が声をかけてくれる。お話好きなおじいちゃんたちと話す時間が本当に癒し」と、地元の人との交流にも大きな魅力を感じている。

愛南町のスナックが紹介されている「夜遊びマップ」を作成したのも関根さん
そんな関根さんだが、「海の中を知っている地元民はほとんどいない」という。日本でもトップレベルで養殖業が盛んな愛南町だが、意外にも焼肉屋が多い。魚は「もらうもの」「家で食べるもの」であり、海辺に行けば漁港と養殖所がある。暮らしの中に当たり前においしい魚や漁業がある環境だからこそ、「海で遊ぶ」ことから少し遠ざかっているのかもしれない。

[add_ruby k="愛南町外泊" f="そとどまり"]にある石垣の里高台からは養殖の現場が見える
ダイビングを通じ関根さんは「町外から来た人たちが愛南の海を楽しみに来て、実際に楽しんでいたことで、自分自身もこの海の魅力を再確認できた」と語る。だからこそ「地元の人にこそ、この海に潜って、自分の足元にある自然の素晴らしさを感じてほしい。海に入れば、今まで見ていた愛南町がもっと豊かに見えてくる。自分ももっとPRしていきたい」と強く感じたという。

エントリーに向かう二人
地元で活躍する人々が愛する愛南町の海。潜って食べて、自然を感じ、地元の人と触れ合えば、あなたもきっと虜になるはず。




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