ナイトロックスで潜るパラオ!!
Palau / パラオ
世界遺産パラオの海を、全ダイブ、ナイトロックスで潜る
Palau / パラオ
世界遺産パラオの海を、全ダイブ、ナイトロックスで潜る
- Photo&Text
- 越智 隆治
- Special Thanks
- ブルーマーリン
- Design
- Panari Design
まず、ナイトロックスとは?
そんなパラオの海をナイトロックスで潜ることに。
と言っても、ダイバーの間ではすでに浸透している「ナイトロックス」とは一体どういうものかというのを、ここで少しだけ紹介しておくことにする。
ナイトロックスとは、空気(酸素21%窒素79%)より酸素分圧の高い混合ガスのことで、PADI では、エンリッチド・エアという。
酸素分圧が多いために、空気を使用したダイビングと同じ深度・時間で潜った場合の体内残留窒素が少なく、より安全に、快適にダイビングを楽しむことができる、というもの。
通常のナイトロックスを使ったダイビングでは、酸素分圧が32%(酸素32%、窒素68%)や36%(酸素36%、窒素62%)を使用する事が多い。
現段階でブルーマーリンでは、32%酸素分圧のナイトロックスのみ、空気タンクと同じ金額で使用できる。
ナイトロックスを利用する事で減圧不要限界時間が伸びるという利点があり、1日に通常の空気で潜るよりも、長く潜ることができる。
以下にダイビングコンピューターをそれぞれ、21%の空気と、32%のエンリッチド・エアに設定して、2本のダイビングを行なった場合の途中経過の比較をしてみた。
1本目のダイビング:経過時間9分
1本目のダイビング:経過時間40分
2本目のダイビング:経過時間10分
2本目のダイビング:経過時間20分
同じダイビングプランで潜った場合の減圧不要限界時間が長くなり、窒素の体内蓄積も少なくなる。
また、個人差はあるが、潜水中・潜水後の身体が楽になるとよく言われている。
ナイトロックスで潜ることで、通常の空気で潜るダイビングプランを行なった場合に、減圧症のリスクが軽減される。
上記のような利点がある一方で、酸素分圧によって、潜れる深度に限界が生じる事も理解しておかなければならない。
例えば、ブルーマーリンが利用する32%のナイトロックスタンクで潜れる最大深度は34m。
これ以上深く潜る場合には酸素中毒になる可能性が出て来るため、この深度を越えないダイビングプランを立て、そのプランを忠実に守って安全にダイビングをする事が重要になる。
実際にナイトロックスで潜るためには、PADI の場合、エンリッチド・エア・スペシャリティコースを取得する必要がある。