黄金崎でアオミノウミウシ初出現!
静岡県・西伊豆に位置するダイビングポイント「黄金崎ビーチ」で、アオミノウミウシが初めて観察された。発見者は、神奈川の湯河原を起点にガイドを行う「Diving Pro Shop SEA HEAT」の加藤仁さん。ダイビング中に発見したという仁さんにその時の様子を伺った。

加藤さんが捉えたアオミノウミウシの姿
水深わずか50cm
水面を漂っていた青い妖精
「エントリーの際にエントリーロープの向こう側、水深50cmほどの岩と岩の間でふわふわと漂っていたんです。」
そう語る加藤さん。南風予報で大きなオンショアではなかったものの、水面にはごみや海藻が多く浮かんでおり、水面漂流する生物が浜に流れ着きやすいコンディションだったそう。
「ギンカクラゲやカツオノエボシなど、アオミノウミウシのエサとなるクラゲ類は見当たらなかったので、まさか出会えるとは思ってもいませんでした。」

さまざまな浮遊生物が流れ込んできていたという
黄金崎での観察は初
出会えるかは“運次第”
今回のアオミノウミウシの観察は、黄金崎では初めての記録。まだ行けば見られるのか伺うと、「いま見に行けば出会える、という類のものではありません」と加藤さん。
「ただ、どこのエリアでも、オンショアで水面に海藻やごみが漂っていたら、アオミノウミウシとの出会いのチャンスはあるかもしれませんね。僕も普段から気をつけて見ていましたが、今回が初めてです。本当に稀です。」
他にもレア生物が続々!
その日観察された生き物は、アオミノだけにとどまらない。バレンクラゲやゾウクラゲ、バテイクラゲなどの浮遊系クラゲたちに加え、通常のダイビングでも以下のような生き物たちが確認されたそう。
- ハナイカ
- 約10cmのオオウミウマ
- 1cm未満のベニカエルアンコウ幼魚
- ヒレナガカサゴ幼魚
- イボオコゼ
- ツマジロオコゼ

海中を漂うバレンクラゲ

約10cmのオオウミウマ

小さなヒレナガカサゴの幼魚
西湘エリアや東伊豆で春濁りが始まる今日この頃、黄金崎はまだその影響が入っておらず透明度が良好で、より小さな生き物も探しやすいのかもしれない。皆さんも次に黄金崎に足を運ぶ際には、水面の小さな漂流物も見逃さないよう、いつもより少し注意深く観察してみてはいかがだろうか。