マクロ限定!? パラオ1,400の魚達に会いたい。
Palau / パラオ
マンタやサメだけでない、未記載種や和名の無い種など、楽園パラオの美しい魚たちに迫る!
Palau / パラオ
マンタやサメだけでない、未記載種や和名の無い種など、楽園パラオの美しい魚たちに迫る!
- Photo&Text
- 峯水 亮
- Special Thanks
- DayDream Palau
- Design
- Yoshiko Murata
洞窟の中、それはまるで宝探し
地形で有名なこれらの場所だが、生物を探すためにライトを携帯して潜ってみると、実はライトで照らさないと気づかない隠蔽性の種類が多いことに気付く。太陽光の届かない暗がりに潜むサクラテンジクダイやシマクダリボウズギスモドキなどのテンジクダイの仲間、パラオならではのハナスズキ属の1種でレッドストライプバスレットというのもいる。
また、こういった洞窟の中を特に好むベニハゼ類がいる。
体長1~2cmほどのこの小さなハゼ達は、壁の窪みのさらに小さな穴の入り口付近に鎮座しているが、ときおり餌を採る時だけひょいっとワープすることがある。
写真的にはその瞬間が狙い目なのだが、警戒心が強く素早いハゼなので、そうやすやすとは撮らせてくれない。
個性的で色鮮やかな柄をなんとか写真に収めようと、ストレスをかけないようにゆっくりと近づくうちに、ハゼとの駆け引きについ惹きこまれていく。
ジャイアントピグミーゴビーは洞窟の壁や天井付近の穴などにおり、体長3.5cmほどとベニハゼ類の中でも大型種だ。
今のところパラオやセブからしか見つかっていないが、パラオのブルーホールは広い穴の中でも複雑に枝分かれしているせいか、ジャイアントピグミーゴビーにとっては生息しやすい環境が整っているようで個体数は多かった。
全体的に黄色いが、鱗は蛍光グリーンで縁取られていて、目に入る青と金の線が何ともそそられる。
そして、今年和名がついたばかりのドウクツシマベニハゼは、知る人ぞ知るレアな種類。
体に鮮やかな青とオレンジの太い縞模様があり、頭の大部分を占める大きな瞳が特徴的だ。こちらはライトを当ててもほとんど動かないので、警戒心が強い
ベニハゼのイメージとは違ってかなり撮りやすかった。
ハゼ好きも唸らせるラインナップ
リーフのくぼみやサンゴの隙間などにいるベニハゼ類やシマイソハゼ類も、洞窟棲の種類にも負けず劣らずド派手な模様で個性的だ。
たいていカメラが入りにくいような狭い隙間の奥にいることから、ストロボをカメラから外して岩の隙間に置いたり、ほとんどありえないような姿勢でファインダーを覗かなければならなかったりして、一筋縄では撮れない事が多い。
しかし、実はそんな風に簡単ではない事が返って写真魂に火をつけたりするのだ。
ボートに上がってから画像をチェックして見ると、苦労して撮ったハゼの姿に「ヒレ全開」「あくびの瞬間逃した~」などと一喜一憂するのだった。
泥場に熱視線!ハゼ尽くしダイブ
もう一つは、パラオではあまり紹介されてこなかった泥場。
ヘルメットレックやゴビパラ、マングローブなどの内湾や河口付近、そしてちょっと深場まで、実はパラオには泥場も充実している。
今回、パラオではあまり見つかっていないナカモトイロワケハゼを見ることができ、そしてその近縁種のSPまでダブルゲット!
日本に分布していないラグーンシュリンプゴビーやピンクスペックルドシュリンプゴビー、モエギSPなどなど挙げればきりがないほど盛り沢山な出会いだった。
ただ、環境は泥場なので、着底する際にはなるべく泥を巻き上げないように気を配ることも重要。
満足いくまでじっと海底に留まっていると、泥ハゼ達のその意外な美しさに魅了されていくのだ。