はじめてのサイパンだ!テニアンとマニャガハもあるよ!!
Saipan / サイパン
王道でハズレなしのサイパンコース!
Saipan / サイパン
王道でハズレなしのサイパンコース!
- Photo
- 高砂淳二
- Text
- 寺山英樹
- Model
- 稲生薫子
- Special Thanks
- マリアナ政府観光局、NMDOA(北マリアナダイビング事業組合)
- 器材協力
- TUSA
- Design
- 中村孝子
ダイビング歴18年、潜った海は100を超えるのに、なぜか縁のなかったサイパン。
「どうしても潜りたい!」と募った思いが叶うことになり、サイパンを巡る旅がいよいよ始まる。
事前に調査したアンケートをもとに、ガイドさんとサイパンだ!先輩のナビで、王道、そしてハズレなしのサイパンコースをレポートします。
ガイドさんに聞いた
「ぜひ潜ってほしい」ダイビングポイントランキング
1位 グロット
2位 ラウラウビーチ
3位 オブジャンビーチ
4位 ディンプル
5位 ナフタン
5位 スポットライト
7位 テニアン
光のその先へ…。
ガイドに聞いた!サイパンでぜひ潜ってほしいポイント
1位 グロット
サイパンの通過儀礼!? 人気No.1のグロットを潜る
グロット。
はじめてのサイパン。やっぱりここを潜らないと始まらない。
この言わずと知れた世界的にも有名なケーブポイントは、NMDOA(北マリアナダイビング事業組合)のガイドさんたちへのアンケートでも、「ぜひ潜って欲しいポイント」ランキングでぶっちぎりの1位。
「誰も知らないポイントを潜ってみたい」という願望もあるけれど、はじめての海では「“あの”有名なポイントに潜ってみたい」というミーハー魂が勝る。
パリに行けば凱旋門、ニューヨークに行けば自由の女神に行くように、サイパンならやっぱり「グロット」に潜りたい。
※
116段。
あまりにも有名なグロットの階段数。
最初のうちは、「本当に116段あるのか数えちゃお♪」なんてはしゃいでいたけど、運動不足の体には結構きつく、最後は無口に…。
重い器材を背負って毎日往復するガイドさんはさぞ大変と思いきや「慣れますし、そのうち“グロ筋”がつきますから」とピースダイバーズの大志さん(廣木大志さん)。
グ、グロ筋!?
なんでも、階段を昇り降りしているうちにグロット専用の筋肉が付くそうで、確かにふくらはぎの横の筋肉がもっこり。
ペンダコならぬグロ筋。
それは、サイパンガイドの勲章!?
階段を降りた後、岩へ上り、2m近い高さから天然プールにジャイアントエントリー。
GROTTO(=洞窟)の名の通り、巨大な洞窟が口を開けており、潜降して見渡すと、外洋へ続く3つの横穴に太陽光が降り注いでいる。
ブルーのグラデーションは美しく幻想的だ。
外洋に抜けると、この日は流れが強く、すぐに引き返してしまったが、コンディションや運が良ければ、バラクーダなども登場する大物ポイントに早変わりする。
116段の先に待っている唯一無二のサイパン、グロットでしか味わえない感動。
グロットはサイパンへ潜りに行ったダイバーの通過儀礼と言えるポイントと言えるかも。
※
太陽の位置。
グロットを潜ってから1週間後、MSCのトシさん(山口仁さん)から電話があり、グロットのお誘い。
すでに潜っていたので他のポイントを潜ってみたい気持ちもあったが、「太陽の位置によって全然違うんですよ」と午後2時という時間指定のお誘いに乗ってみると、果たして、すごい光景が待っていた。
天然プールには光のシャワーが降り注ぎ、水に拡散して煌めいている。
最初に潜った時と光の絶対量が違う。
やがて光が水に射し込む角度が垂直に近づくにつれて、光は輪郭をくっきりと現し、光のカーテンとなって風の代わりに波に揺られている。
神々しくすらある光景。
これを見せたかったのか。見られてよかった…。
太陽の位置や潜る季節によって表情を変えるグロットの奥深さを知る。
これがグロットの潜り方!
グロットを見ながらブリーフィング
いってきま~す♪
階段を下りて…
岩場を歩き……
エントリー岩へ渡る
いざ、グロットへ!
エグジットは這った状態
階段を上る前にちょっと休憩(笑)
※注:グロットを潜る際、経験本数に条件がある場合があります。
ガイドに聞いた!サイパンでぜひ潜ってほしいポイント
2位 ラウラウビーチ
アジ玉。
オススメ2位のポイント「ラウラウビーチ」の名物シーン。
「見られるかどうかは半々くらいですかね~」という大志さんの言葉に期待しながら、サイパン初潜りへ。
駐車場から緑を抜け、しばらく浅瀬を歩いてからエントリーすると穏やかな海が広がっている。
ただ、湾状である海は、穏やかな海況を保証する代わりに透明度はマリアナブルーというイメージとは遠く、靄のようにやや白みがかっている。
広がる砂地に岩場や根が点在する、やや殺風景な印象だ。
クマノミやカメなど定番の人気者もいて、初心者が落ち着いて潜るには最高のコンディションだが、アジ玉に期待していただけに、正直、少し物足りなさを感じつつエグジット…のはずが、状況が一変する。
ダイビングも後半、エグジットに向かっていると、正面から黒い影が近づいてくる。
もちろん、その正体はアジ玉!
いや、10mほどの水深を上から下まですべて覆い尽くすえげつない群れは、”アジ玉”だなんて生易しいものではなく、まさに壁。
まるで群れ全体に意志があるかのように変幻自在の動きを見せ、ダイバーの周りを渦巻き、球になったかと思うと弾けるように爆発し、竜巻のように立ち昇る。
こりゃすごい…。圧巻。
さっきまで「ほうほう、こういう感じね」とクールだったのに、全身が高揚感に包まれ、ファーストダイブを終えたころには「やっぱサイパン最高!」って、現金だけどそんなもの(笑)。
ひとつの出会いで印象がまったく違ってくるのもダイビングの醍醐味だろう。
ラウラウは初心者から上級者まで楽しめる万能型ポイントといった印象だが、アジに当たれば誰もが得難い特別体験ができるはず。
割と”もってない”自分が初ダイブで遭遇するくらいだから、意外と確率は高いんじゃないかな。