はじめての人間ドック・レポ

初体験の人間ドック。少しワクワクしながら病院へ。

個人だけでなく、企業の健康診断も受けているらしく、
人であふれ、看護婦さんたちは若干テンパリ気味の様子。
ベテランさんが新人ぽい男の看護士さん(医者かな?)にイライラし、
男の子、アタフタしていて、こっちはハラハラ。

きれいな看護婦さんに個室に連れていかれ、あれこれ説明を受ける。
小さいときからAVで刷り込まれているこのシチュエーション。
いや、特にイヤラシイ気分になるわけではないのだが、
なんとなーく心がザワザワするというか、一瞬フワッとするというか。


なかなか広い個室。ほとんどいないんだけど

病院着に着替え、先ほどとは違う看護護婦さんに連れていかれ最初は目と聴力の検査。
部屋で二人きりで、雑談すると天然でかわいい。

目の検査で暗幕の中で何度も「もうちょっと顔の位置をズラして」といわれるが、
「おかしいな〜。目に黒い線が入っちゃう」と。
「たぶん、このレンズ前のカバーが写りこんでいるんじゃないの?」
「ヤダーー」、「ウヘヘヘヘヘ」

楽しい。楽しいぞ、人間ドック。たぶん、
婦長さんとかいたらこの子ひっぱたかれるだろうけど、おっさん的には満点。

聴力の検査では「うわ〜めちゃくちゃ聞こえていますよ。野生的ですね」と言われ、
「なんせ耳が動くからね」と耳を動かしてみせたり。ウヘヘヘ。

それにしても、すべてが終わった後にも、
他の看護婦さんから「驚異的に聞こえてますね」と言われたので、
何だかとっても聞こえてるらしい。

個室での楽しい時間はあっという間に終わり、
お次は健康診断の人たちでごった返す部屋で血圧と視力、そして採血。
採血はめちゃくちゃ痛い思いをして以来苦手。怖くて逃げ出したい気分……。
が、腕がいいのか、まったく痛みもなく目を背けている内に終了。ホッ。

医師の問診&触診を待つため、しばらく人ごみの中で待つ。
古くて狭い昔ながらのこの病院。
人ごみの中で普通に問診したりするので人間観察がおもしろい。
とにかくスケジュールを回したい看護婦さんと
そんなもの関係ないおじいちゃん・おばあちゃんの攻防は笑える。

「次は何やるんだ!」としきりに大声を上げるおじいちゃん。
「朝ごはん食べちゃいました」と言うおばあちゃん。

中でも、事前アンケートを書いてこなかったおばあちゃんと、
その場で質問している看護婦さんの会話が傑作。

看「黒い便とか出ることはありますか?」
婆「出ますよ。出ます。でも、黒ってことはないんですけどね。茶色っぽい……」

普通のウンコじゃん!

一時が万事この調子で、ひとつの質問に長い答えを返す。しかもナックル級の変化球で。
ちゃっちゃと終わらせたい看護婦さんは、
「〜でいいですね!」と誘導尋問になっていき、おばあちゃんもとりあえず「はい」。
埋めるためのアンケートになってしまうが、まあ、書いてこないほうが悪いんだろう。

しばらく人間観察をしていると、やっと自分の番になり隣室で問診・触診。
聴診器を胸に当てられたり、お腹とトントン叩かれたり、
かっけを調べられたりした後、ベットに寝かされる。

「はい。お尻を出してください」

え! 何でも、前立腺を調べるために肛門に指を突っ込まれるらしい。
それはいいのだが、医師だけでなく、部屋に通してくれたきれいな看護婦さんもいる。

「尻毛を見られる」。

咄嗟に思ったことがこれだ。
竿、玉、肛門、どれを見られてもまったく恥ずかしくないが、
なぜか尻毛は恥ずかしい。羞恥心って複雑。

恥ずかしがっても仕方ないので、ベットに横たわりオープン・ザ・アスホール。
よりによって看護婦さんがズボンをさらにズリ下ろす……(照)。

タオルをかけてくれるのだが、腰の辺りで何だか意味がない。
「そんなとこにかけてもダメだよ」と医師に指導された看護婦さんは、
「あ、すいません」と恥ずかしがっているが、
肛門と裏玉を見られている俺が一番恥ずかしい。

何かを塗られ、「はい、力を抜いて〜」と言われるが、
指の気配を察した肛門様は酸っぱそうにしてキュッと頑なに口を閉じてしまう。
やがて、どうしても力が抜けない肛門様に、医師が無理やり2フィンガー。

ズキンと痛みが走り、「あっ」と声が漏れたかと思ったと同時ぐらいに、
指は中でクルッと回り、すぐに抜かれて終了。
〝あっと言う間〟という言葉は、たぶん前立腺を調べるときに生まれた言葉だ。

先日、アグレッシブな女友達に
「男ならアナルを一度は体験した方がいい」とアドバイスをいただいた。
何でも、前立腺の快楽を知ったら、女などどうでもよくなるという。
でも、実際はそんないいものではないです。はい。

尻毛が恥ずかしいのでパンツを上げようとすると、
「あ、いや、ちょっと待ってください。今、拭きますので……」と看護婦さん。
慌てて肛門様を拭きズボンを上げようとする看護婦さんに、
先生が「もっとちゃんと拭いて」と。
「あ、すいません」と気まずそうに再度拭く看護婦さん。
だから、気まずいのは、膝を抱えてオープン・ザ・アスホールしている俺だってば。

その後、心電図、検尿、レントゲンが終わり、CT検査を待つ。

CT検査を終えて部屋から出てきたおば様が、
例の無駄にオドオドしている男の子の看護士(医師?)に
「もう二度と嫌だわ……」と苦笑いしながら言っているのが聞こえる。
そんなに大変なのかCT……。

CT検査室に入ると、頭と胸のCTを撮り、あっという間に終了。

あれ? 余裕だぞ。拍子抜けしていると、男の子に
「これからがちょっと大変です。まずはこれに着替えてください」と言われ渡されたのが、
お尻の部分に穴が開いている紙パンツ。胃と腸のCT検査が始まるらしい。

 
お尻の部分がパッカリ

まずは、胃の検査。男の子に胃が膨らむという粉薬と水を渡され飲む。
おお、胃が変な感じ。男の子が「どうですか?」と聞くので、
「ゲ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ップ」と深いゲップをした後、
「ゲップしたくなります」と答えると「ゲップはなるべく我慢してください」。
先に言え。

胃の次が腸。尻から空気入れを突っ込むという。


ホントにこんなの

以前、お尻から内視鏡を入れたときは、酔っ払う注射をされたので、
ポ〜っとしているうちに終わっていたが、今回はシラフの状態で突っ込むという。

嫌な予感。というのも、前夜の下剤が効きすぎて、
まだお腹がゆるく、何度も便意を我慢しているから。
こんなもの突っ込まれた日には、どうなるかわからない。

不安になった僕は男の子に「あの、便意を催したりしませんか?」と聞くと、
「便意を催す場所を刺激するので……。我慢してください」と。

もっと不安になった僕は「あの……出ちゃってもいいですか?」と聞くと、
「いや……なるべく我慢してください」。
さらに「トイレ行っておいたほうがいいですかね?」と聞くと、
「いや、このまま……。たぶん、我慢できますから我慢してください」。
たぶん、スケジュールが詰まっているのだろう。ここはがんばろう。

なぜか、このときだけ男の子はベテラン医師を呼びに行き、
やってきた先生が僕の尻に空気入れを挿すことに。
どうやら尻に挿すだけの必殺仕事人。
この先生は慣れたもので、「口を開けてください」と言われその通りに口を開けた瞬間、尻に空気入れをぶっ挿し、
「お前、抜くのはできるよな?」と男の子に言い残し、去っていった。
必殺仕事人、カッコいい(のか?)。

男の子が空気を入れていく。

はうっ。

とてつもない便意が襲う。
「あの、出ちゃいます」、「が、我慢してください」、
「いや、出ちゃいます」、「我慢、我慢してください……」
と押し問答が続くが、
我慢できなくなった僕は、「本当に出ちゃいますからね!」と魂の叫び。

慌てた男の子が、「じゃあ、一度、トイレへ……」と折れる。
時間どおりに回せないとベテラン医師に怒られるのかなー。すまん。

トイレですっきりした後、再度、不機嫌な必殺仕事人が空気入れを尻にぶち込み、
再度、男の子が空気を入れていく。

やばい。また出そう。でも、またトイレに行きたいとは言えない。
脂汗をかき、悶絶しながら、恥ずかしい格好でCT検査。
ってか、空気入れ、ささったままだし〜。
おば様が嫌がっていた理由がよ〜くわかった。

やっとの思いで腸の検査が終わり、ホースを抜かれると、
ありえないほどお腹がぽっこり膨らんでいる。まだ空気が残っているようだ。
便意がおさまらずトイレにかけこみ、いきむ。

ぷ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

あっはっはっはっはっは。過去最長の屁。
おかしくて、トイレの中で思わず笑ってしまったが、
小便していた人は屁と笑い声が聞こえてきて不気味だっただろうなぁ。

その後も屁が止まらない。

個室で昼食を食べながらも、ぷ〜〜〜。


飯はうまかった

昼食後、カウンセリングのときも、ぷ〜〜〜。帰ってきても、ぷ〜〜〜。
夜、家族に「まったく臭くないから聞いて聞いて」とぷ〜〜〜〜〜。
「くさっ!」と言われてもめげずにぷ〜〜〜。腸の検査、おそるべし。

そんなわけで初めての人間ドック。感想は……

■女性が「女性の医師と看護婦さんがいい」と言う理由がよくわかった。
■看護婦さんとダイビングでよく会うが、前立腺の検査では会いたくない。
■この日まで、本気で〝人間ドッグ〝だと思っていたがドックなんですね……。
■腸の検査は腸辛い。
■ほとんどの病院関係者がマスクしっぱなし。
感じ悪い気もするがこれも世の流れか。
■看護婦の制服。国家レベルで刷り込みが行なわれているので、俺のせいじゃない。
■コスプレなんかアホかっと思っていたが、彼女が看護婦だったら、
やっぱり1回ぐらいは着てもらいたい。でも、俺のせいじゃない。
■病院、やっぱり人間関係ややこしくなるよなぁ……。
■採血は当たり外れが大きい。すんごい痛かったり、全然痛くなかったり。
■採血、気を抜くと、意外と針を抜くときが痛い。
■前立腺検査の2フィンガー。医師も若干嫌そう。
■今度、2フィンガーされたら、その間、ずっと看護婦を見つめてみよう。
■あの男の子。怒るともっと萎縮しちゃうからお手柔らかに。
■頼めば、割と写真を撮らせてくれる。
■体脂肪計測器。うちにあるやつのほうが高価。
■身長測定はやっぱりムキになる。
■かっけの検査。なんとかく、大げさに足を上げてサービスしたくなる。
■ウォシュレットでない病院は今後辛いと思う。
■目と耳の検査のあの子。先輩の看護婦さんに
鉄板でイジメられると思うが、がんばって欲しい。
■看護婦に手を出して結婚までした父ちゃんは偉い。
■心電図の電極をつけるとき、くすぐったくて変な声が出る。
■Gスポットって、男でいうところの前立腺のこと? 教えてケンコバ。
■検尿でめちゃくちゃ濃い黄色で焦った。
■35歳の人間ドック。何かと若者扱いされてちょっと嬉しい。
■おじいちゃんは最強。
■おばあちゃんは無敵。

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登録
writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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