現地ガイドがOM SYSTEMのTGシリーズで切り取る 日本各地の海 ②神奈川県 城ヶ島

手軽に始められて、クオリティの高い水中写真が撮れることからダイバーに大人気のOM SYSTEMのコンパクトデジカメ「Tough」シリーズ(以下、TG)。日本各地のTGユーザーのガイドに登場していただく連載企画、第2回は三浦半島・城ヶ島の海をガイドする「Diving Shop SeaZoo miura」の戸井田 静さんが登場。TG-6、TG-7で撮影した作例とともに、自身がガイドする海への想いや水中撮影のコツなどを伺ってみた。

戸井田(といだ) (しずか)さん
Diving Shop SeaZoo miura
戸井田静
ダイビング歴:25 年、 約15,000 本
ガイド歴:21 年
⽔中写真歴:10 年

ダイビングインストラクター・水中ガイドとして、ゲストの皆さんと海を楽しんでいます。水中の自然や生き物の魅力を皆さんにお届けしたいと思っております。

私がガイドしている海について
季節ごとの生態行動を観察できるのが面白い

私は宮古島でダイビングを始めて、最初はリゾートダイビングを楽しんでいました。次第に海の世界にのめり込んでいって、宮古島やタイのタオ島で潜り、伊豆半島の川奈でガイドの仕事を始めました。その後、地元の三浦に戻ってきて「潜るなら、自分の家から見える海がいいな」と思うようになりました。そこで城ヶ島の海でガイドをすることを決めました。最初の1年ほど「城ヶ島ダイビングセンター」でお世話になり城ヶ島の海を潜り込ませてもらい、周りの方々からの応援を受け、2017年に自分の店である「DivingShop SeaZoo miura」を始めることになりました。

城ヶ島の海を潜り込んでいくうちに、生き物の豊富さや、四季によって変わる表情の面白さにどんどんはまっていきました。一年を通して、さまざまな生き物の生態を観察できるところが、この海の最大の魅力だと思っています。季節ごとに変わる生き物たちの行動を、お客様と一緒に見て感動を共有できる時間が、何よりも楽しいです。

【作例➀ ナンヨウツバメウオ】
作例➀ ナンヨウツバメウオ

使用カメラ

TG-7

ライト

RL1500

撮影モード

⽔中ワイド

シャッター速度

1/400

絞り値

2.8

露出補正

0

フラッシュ補正

発光禁止

ISO感度

100

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

城ヶ島「梶の浜ビーチ」 -1.5m

城ヶ島の海では夏の終わりから秋にかけては、季節来遊魚が見られるようになります。浅い場所にナンヨウツバメウオがいたので、光を浴びながら気持ちよさそうに泳ぐ姿を撮りたいと思って撮影しました。また、背景の下の部分はピンク色ですが、これは海藻なんです。海の青さもうまく入れ込みたいと思って、アングルを工夫しました。

お気に入りのダイビングポイント
さまざまな生き物の繁殖行動が見られる「梶の浜ビーチ」

一番お気に入りなのは「梶の浜ビーチ」 で、9割はここで潜っています。コケギンポのオス同士のケンカや求愛行動、カエルアンコウの産卵、タツノイトコの繁殖行動など、本当にさまざまな生態シーンを観察できます。

ダンゴウオも以前はよく見られていたんですが、最近は海の温暖化の影響なのか、出会える機会がかなり減ってきました。例年だと12月頃から産卵のために親魚が出現し、2〜3月には“天使の輪”がある愛らしい幼魚が観察できました。しかし、2023年と2024年には親魚は出現しましたが、幼魚は見られませんでした。ダンゴウオの隠れ家となる海藻が減ってきて、見られにくい環境になってしまったのではと懸念しています。しかし、2025年3月には天使と呼ばれる幼魚が出現しました。今シーズンも見られるといいなと期待しています。

ダンゴウオの幼魚

“天使”と呼ばれるダンゴウオの幼魚

ダンゴウオの幼魚

ダンゴウオの幼魚

【作例② アカイソハゼ】
作例② アカイソハゼ

使用カメラ

TG-6

ライト

フィッシュアイ FIX NEO 1500DX

撮影モード

⽔中マクロ

シャッター速度

1/1200

絞り値

6.3

露出補正

0

フラッシュ補正

強制発光

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

城ヶ島「梶の浜ビーチ」 -5m

アカイソハゼは普段はあまり目立たない魚ですが、繁殖時期になるとオスは体色が変化します。興奮したときの、美しすぎる体色を狙って撮りました。よく見ていただくと、左下のほうにメスがいるんですが、いきなり近づいてしまうと驚いて、メスへのアピールを止めてしまうんです。色を出すためにしっかりライトを当てることと、逃げてしまわないように上手に近づくことが撮影のポイントです。

【作例③ クサハゼのペア】
作例③ クサハゼのペア

使用カメラ

TG-7

ライト

フィッシュアイFIX RL1500

撮影モード

⽔中マクロ

シャッター速度

1/200

絞り値

6.3

露出補正

0

フラッシュ補正

強制発光

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

城ヶ島「梶の浜ビーチ」 -7m

クサハゼのペアの表情も撮れるように、ゆっくり近づいて撮影しました。このペアはちょこちょこ動きますが、同じ場所にいてくれることも多いので、お客様にも見せやすいんです。ハゼは一度穴の中に入ってしまうと、なかなか出てきてくれません。そのため、撮影するときは、とにかく気配を消してゆっくり静かに寄っていくことが肝心です。この時は、片手をスッと伸ばして20cmくらいまで寄って撮影しました。

日々感じているダイビングへの想い
海の環境の変化は、ダイバーだからこそ感じられること

とても身近にある海なのに、海の中のいろいろなシーンを知らないという方は多いと思います。しかし、ダイバーだから知ることができたり、楽しめたりしますよね。「目の前の海でこんな可愛い子に会えるんだ!」「この生き物は何⁉」など、海の中は不思議なことだらけです。ゲストの皆さんが知らなかったことを知って嬉しそうにされていたり、一緒に素敵な場面に出会えたりしたときは、私もとても楽しくなります。そんな感動を皆さんと分かち合っていきたいと思っています。

それともう一つ、海の環境の変化もダイバーだからこそ感じられるものだと思っています。城ヶ島は生活圏にすごく近い海なので、残念ながらゴミが絶えません。先ほどもお話ししたような水温の上昇による生き物の変化、ゴミ問題などを潜って感じることや、いらっしゃるゲストと話をすることも大切なことだと思っています。

【作例④ ゴルゴニアンシュリンプ】
作例④ ゴルゴニアンシュリンプ

使用カメラ

TG-7

ライト

フィッシュアイFIX neo 1500 DX

撮影モード

⽔中マクロ

シャッター速度

1/100

絞り値

4.5

露出補正

0

フラッシュ補正

強制発光

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

城ヶ島「へいぶ根」(ボートポイント) -20m

周りの環境に上手に隠れるゴルゴニアンシュリンプ。まだバレていないと思っているような、スンとした表情を狙いました。このような細長い甲殻類は、目にピントが合いにくいんです。ピントが合った写真を撮るためには、ライトの当て方を工夫することと、何カットも撮ることが大事です。

TGシリーズを選んだ理由
手軽に持って海に入れて、写真も動画もすぐに撮れる

TGシリーズは手軽に持って海に入れて、写真も動画も気になった時にすぐに撮影できるのがとても良いと思っています。岩の隙間や海藻の裏側などの撮りにくい場所でも、コンパクトなTGシリーズならスッと手を伸ばして撮れます。リングライトをつけておけば、撮りたいものにライトが当たりますし。

今回いくつかの作例では、リングライト「フィッシュアイ FIX RL1500」を使って撮影しました。以前の製品に比べると薄くなったため、使い勝手が良くなりましたね。水中でも取り外しできるので、いろんな撮り方ができるのが良いと思います。

アクションカムを使って撮影される方が増えていますが、私は使用経験がありません。TGシリーズはマクロもワイドもいけて動画も撮れるので、私としてこれ一台持っていれば十分だなと思っています(笑)。

【作例⑤ アオリイカの産卵】
作例⑤ アオリイカの産卵

使用カメラ

TG-6

ライト

なし

撮影モード

⽔中ワイド

シャッター速度

1/160

絞り値

3.5

露出補正

0

フラッシュ補正

発光禁止

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

城ヶ島「岩骨」(ボートポイント) -16m

ものすごい数のアオリイカが産卵のために集まっていたので、大興奮でカメラを向けました。100匹以上はいて、一面アオリイカという状態でした。こんなに集まることは珍しいです。本当はワイドコンバージョンレンズをつけていたら……と少し後悔しました(笑)。アオリイカの産卵の大フィーバーは、7月くらいがピークです。
戸井田さんの使用撮影機材


カメラ:TG-6、TG-7
防水プロテクター:PT-059
ライト:フィッシュアイ FIX neo、RG Blue、フィッシュアイ FIX RL1500
ワイドコンバージョンレンズ:weefine

撮影機材は、ガイド中でも邪魔にならないコンパクトなTGシリーズを愛用しています。撮影時には環境を傷つけないように気をつけています。

これから撮りたい水中写真・今後の目標
変化する城ヶ島の海の”今”を記録していきたい

これからもホームの海・城ヶ島で潜り、水中の変化、水中生物の行動や生活などを撮り続けたいと思っています。

私は城ヶ島の海には、これからも今までと同じような海であってほしいという想いが強いんです。しかし、残念ながら海藻が減ってしまったり、タツノオトシゴがいなくなってしまったり……。こういったことが実際に起きていて、しかもその変化のスピードがとても速い気がしています。

小さい力かもしれませんが、環境保全にかかわるお手伝いをさせていただくなど、できることがあればしていきたいです。水中写真を撮ることで、”今”の城ヶ島の海を記録していければと考えています。

今回使用したカメラ

OM SYSTEM Tough TG-7

防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露といったタフ性能で、海や山でのアウトドアでも安心して使用できる。専用防水プロテクターPT-059 は耐圧水深45mで、スキューバダイビングでの撮影が手軽に楽しめる。5つの水中撮影モードを搭載していて、中でもレンズ先端から1cmの至近距離まで寄れる「水中顕微鏡」モードを使えば、小さな海の生き物の拡大撮影が可能。アクセサリーも充実しているので、あらゆる水中シーンを捉えられる。

詳しい製品情報はこちら

Diving Shop SeaZoo miura

城ヶ島の海をこよなく愛する戸井田さんは、ビギナーからフォト派ダイバーまで、幅広いニーズに応えながら、四季折々の海のシーンを丁寧にガイドしてくれる。「撮影したい生き物の動きや特徴、生息環境そのものも、楽しみながら観察・撮影してもらえるよう心がけています。生き物とじっくり向き合って撮影していただけるようにと、いつも思っています」と戸井田さん。

今回は、神奈川県・城ヶ島の海をガイドする 戸井田 静さんに話を伺った。温暖化による海の環境変化やゴミ問題などにも目を向けながら、日々、城ヶ島の海と向き合っている戸井田さん。手軽に撮影できるTGシリーズの機動力を生かし、生き物たちの何気ない営みを丁寧に切り取っている。戸井田さんの写真からは、海への深い愛情と、やさしく温かなまなざしが伝わってくる。これからどんな城ヶ島の海の瞬間を写し取っていくのか、目が離せない。

Sponsored by OMデジタルソリューションズ
OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業を継承し、「人生にもっと冒険を」をブランドタグラインに掲げるOM SYSTEMブランドで、高い耐久性と機動性を兼ね備えたカメラシステムをはじめとする映像製品を展開。アウトドアや水中撮影で圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ダイバーや自然写真愛好家が海や自然の魅力を鮮明に記録する体験を提供している。

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PROFILE

大学時代に慶良間諸島でキャンプを行い、沖縄の海に魅せられる。卒業後、(株)水中造形センター入社。『マリンダイビング』、『海と島の旅』、『マリンフォト』編集部所属。モルディブ、タヒチ、セイシェル、ニューカレドニア、メキシコ、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどの海と島を取材。独立後はフリーランスの編集者・ライターとして、幅広いジャンルで活動を続けている。

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