一度の旅で2つの海を欲張る!? パプアニューギニア“Two Faces of PNG”
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海の中で見た天の川
~ロロアタ・アイランド・リゾート~
最も近いパプアニューギニアへ
タワリを後にし、ポートモレスビーから車で20分、ボートで15分。
最も近いパプアニューギニアの海、ロロアタ・アイランド・リゾートへ。
■ポートモレスビーやロロアタでの暮らし
敷地内には、ワラビーやオウギバトなどが放し飼いにされていて、夜になると原始的な猿、クスクスがやってくる。
到着日は午後の遅めということもあって、まずは近場の海でまったりダイビング。
砂泥の海は透明度がイマイチで殺風景だったが、あちこちにトウアカクマノミがいて、クマドリカエルアンコウやニシキフウライウオなど、フォト派が喜びそうな被写体がそろっていた。
※
ダイビング後、港に戻り桟橋を歩いていると、桟橋の下にものすごいイワシの群れ。
ムクドリのごとく、巨大な黒い影が海の中を行ったり来たり。
すぐに器材を取りに戻って海へ飛び込むと、すでにイワシの姿はなかったが、巨大なゴンズイのかたまりや無数のミノカサゴなどフォト派垂涎のシーンの連続。
その後、イワシの群れも帰ってきて、桟橋の下であっという間に1時間。
カメラを持って潜ると、リゾートへ続く桟橋の下は癖になりそうだ。
※
翌日はロロアタの人気ポイント「スージーズボミー」へ。
とんがった根のトップへ向かうと、アヤコショウダイが積乱雲のように群れている。

ダイバーが近づくにつれて、群れは2つに割れ、根の下へ降りていき、しばらくするとまたトップへ戻ってきて、近づくとまた割れて……という繰り返しで、なかなか寄るのは難しい。

海の中の天の川
今回のパプアニューギニアの旅で最も心揺さぶられたのが、ロロアタで見られるフラッシュライト・フィッシュこと、ヒカリキンメ。
目の下に発光するバクテリアを持ち、その名の通り、夜になると発光する魚として知られている。
世界には他にも見られる海があるものの、ここロロアタで見られるシーンはドラマチックだ。
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日没直前を狙って、18時半を過ぎたころ、沈船が眠る「パシフィックガス」へエントリーし、潜降ロープを一気に降りると、七洋丸の船体が見える前に、ぼんやりと円形の窓の中で光が激しく動き回り、点滅しているのが見える。
水深20メートルの甲板に着底し、その窓らしきものに近付くと窓の正体がハッチだとわかる。
直径1メートルにも満たないハッチに近づき中を覗き込むと、船内でヒカリキンメがとんでもない巨大な群れをしている。
これだけでも感動ものだが、ここからドラマチックなショーの始まり。
ハッチからやや距離を置いて見守ることおよそ15分。
すっかり日が暮れ、海の中が月明かりだけになったころ、ハッチからひとつ、ふたつ、フアッと光が浮き上がったかと思うと、加速度的にその数は増え、四方に勢いよく飛び立っていく。
まるで、蛍が解き放たれたような光景は幻想的で妖艶。
四方に飛び立つ海の蛍はさらに数を増し、いよいよ勢いづいてくると、やがてひとつにまとまって、川のように一本の太い流れとなる。
その様子は、星空に煌めく天の川そのもの。
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幻想的というひと言ではすまされない、すごいものを見てしまった気分。
かれこれダイビング歴20年近くになるが、久しぶりに胸が熱くなる体験だった。
※
ロロアタの海は首都ポートモレスビーと近いためか、栄養分が豊富で水が濃厚な印象。
エントリーすると肌がチクチクするほどで、透明度はあまり期待できないが、その分、群れの密度も濃く、マクロ生物のラインナップも豊富。
豪華なリゾートでわかりやすく透明度の良い南の島で潜るのとはイメージが異なるが、じっくり写真を撮りたい人にはいいだろう。
ファインダー越しに見ると魅力の増す海かもしれない。
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世界を巡る中村卓哉が感動したパプアニューギニア