一度の旅で2つの海を欲張る!? パプアニューギニア“Two Faces of PNG”
“本気の隠れ家”で楽しむジオグラフィックな海
~アロタウ「タワリ・リゾート」~
まずは、最東端の「タワリ・リゾート」へ
直行便で首都ポートモレスビーまでおよそ6時間半。
さらに、国内線に乗り継ぎ、ミルンベイ空港から1時間半バスに揺られ、船に乗り込みやっと到着するのがアロタウの「Tawali Resort(タワリ・リゾート)」。
パプアニューギニアの最東端に位置し、リゾートができるまでは、クルーズでしか来ることのできなかったまさに秘境の地だ。
船着き場のある湾にさしかかったときのこと。
「ドルフィン!」の声に指差す先を見ると、湾内にイルカの大群。
ちょっと遠いかな、と思った瞬間、いきなりイルカがくるくると回転しながらきりもみジャンプし、それを合図に、群れが一斉にこちらに向かって泳ぎ出す。
あっという間に船はイルカに囲まれ、ハシナガイルカたちは船と並走しながら、ジャンプしたり、波乗りしたりの思いがけない大歓迎。
桟橋に上陸すると、この海を気にいったオーナーが無理やりリゾートを作ったというだけあって、周りは緑と海しかなく、秘境ムードたっぷり。
それにしても、すごいところにリゾートを作ったもんだ。
イルカの棲む海と秘境リゾート。
パプアニューギニアの旅はこうして始まった。
サンゴが広がるジオグラフィックな海
ダイビングは、ソロモン海、サンゴ海、そしてハウスリーフで潜る3パターン。
原生林というべき緑深い森が沿岸をなぞるように続く、そのまさに目の前がソロモン海のダイビングポイント。
浅瀬のリーフ上には手つかずの原始的なサンゴが広がっている。
中でも印象的だったのが「コーラルガーデン」「ディーコンズリーフ」など、沿岸ポイントの入り組んだ地形。
海にせり出した木々をすり抜ける木漏れ日が海の中で光の柱となり、何とも幻想的な世界が広がっている。
沖に向かえば、急激なドロップオフになっていて、潮当たりの良い場所では、ナンヨウキサンゴにキンギョハナダイとパープルビューティーが大爆発。
サンゴ、入り組んだ地形、断崖絶壁のドロップオフ……。
長い歴史と地形の妙が生んだ“地球”を感じさせるジオグラフィックな海である。
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また、少し深いリーフ上では、エレファントイヤーコーラルやキャベッジコーラルなど、パプアらしい海の景観を楽しめる。
そして、ドロップオフ沿いは、ハナダイやハゼなど小物の宝庫。
夢中で撮影していたら、なんと知らぬ間に外洋をジャイアントハンマーヘッドが通過……。
海と海をつなぐ水路は、大物の通り道で、壁ばかりに集中していると、志村うしろうしろ状態。
海岸線沿いに、リーフ、ドロップオフ、外洋とコンパクトに続くひとつの理想型で、それだけに、何を撮るか、見るか、なかなか悩める海である。
サンゴ海とハウスリーフの人気者たち
ボートでおよそ1時間。
外海と言われるサンゴ海は、隠れ根を潜るスタイル。
パプアを代表するようなアイドルに会えるのがこの海だ。
パプアの元祖アイドルといえばピグミーシーホース。
デニスズピグミーシーホースや固有種のミルンベイピグミーシーホースなど、いろんな種類がいる。
よく見かけるスリバチカイメンを探すとピンクスクワッドロブスターを発見。
砂だまりにはツノザヤウミウシも。
もちろん、外海と言うだけあって、潮がかかるとマスクが飛ばされるほどで、潮が当たるナンヨウキサンゴ周辺では、キンギョハナダイとパープルビューティーが爆発し、ユメウメイロが湧き上がる群れ群れ狂想曲。
運が良ければナポレオンの群れも見られるという。
※
そして、参加者の半分以上が「ここが一番おもしろいかも!」とやられてしまったのが、リゾート目の前のハウスリーフでのビーチダイビング。
砂地とガレ場の桟橋付近からエントリーし、西へ向かえば砂地から急激なドロップオフ。
北を目指すとやがて巨大根がボコボコと立ち上がり、根と根の間には砂泥やたくさんのサンゴが点在している。
サンゴの種類によっていろいろな魚が見られるが、ユビエダハマサンゴのマンジュウイシモチが人気者。
砂泥域ではカニハゼ、ガレ場ではニシキテグリと、コンパクトな範囲にあらゆる生息環境が整い、フィッシュウオッチング好きやカメラを持っているダイバーなら、何時間潜っていても飽きることはまずないだろう。
何より、潜っている間、ずっとイルカの鳴き声が聞こえていたのも最高!
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パプアニューギニア・タワリ。いやいやおもしろい海だった。
特にカメラを持っているダイバーには特大にオススメ。
キャパが決まっているので、水中はいつでも貸し切り状態。
人気の小物が豊富で、木漏れ日や地形、サンゴ、シーファンとカラフルな群れといった、パプア独特の美しい景観があちらこちらに。
そして、何と言ってもフォト派垂涎のハウスリーフがあって(カメラマンを潜らせるといつまでも上がってきません・笑)、早朝もナイトもついつい欲張りたくなる海。
“本気の隠れ家”
タワリはいつでも人が少なく、時間の流れが遅い場所。
足早に休日を過ごし、観光を詰め込むのではなく、喧騒から離れてのんびりまったりダイビングを楽しみたい人が集まるリゾートなのだ。
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