パラオマンタリサーチ!序章
Palau / パラオ
50匹のマンタの捕食現場を探したリサーチ、その結果やいかに!
Palau / パラオ
50匹のマンタの捕食現場を探したリサーチ、その結果やいかに!
- Photo&Text
- 越智 隆治
- Special Thanks
- デイドリームパラオ
- Design
- Sana☆
押えの撮影でマンタ7匹の捕食
なかなか北での成果が得られないある日、「今日は午後からジャーマンチャネルに行きましょう」と遠藤さんが口にした。今回のリサーチダイブには、実は2名のゲストが飛び入り参加していた。諦めたわけではないが、何も出ないポイントを延々繰り返し潜るわけにもいかないと考えてのことだろう。このままでは記事的にも絵がまったくなくて、ストーリーを作れるのかが気になってきたところでもあった。弱気になり、「ブルーコーナー潜っとく?」と聞いてしまった事もあった。正直、当たりが無い日が続き、写真がまったく撮れないで潜り続けることによる精神的疲労の蓄積具合も相当なものだった。
この日は、ある程度押えられるものを押える。そんな感じで東のマンタポイント、スタジアム(デイドリームが使用するオリジナルポイント)や、浅瀬に群生するサンゴの美しいポイントでの素潜り撮影などを行い、午後上げ潮の頃合いを見てジャーマンチャネルに移動した。
一時、このジャーマンチャネルでのマンタウォッチングのルールが厳しくなっていて、中層に出てマンタを探す事もできない状態だったので「撮影には向かない」と諦めていたのだけど、最近は少し規制が弛み、中層に出ることがまたOKになったと聞かされた。
1本目、上げ始めの時間で、他のサービスも多くエントリーしていた。最後の最後になって1匹のマンタが中層を外に向かって移動していくのに遭遇し、とりあえず、マンタの写真を撮影できた。
他のサービスがほとんど引き上げてしまった2本目。水面付近には、クマザサハナムロ、マダラタルミ、ミナミイスズミが密集して捕食を繰り返していた。この激しい捕食シーンだけでも物凄い状態だ。自分は前々から捕食中の魚たちの写真を撮るのが好きだったので、皆が移動を開始してもその捕食に未練があり、目を離さずに深度を浅く取って移動をしようとした。その矢先、2匹のマンタの姿が!僕は皆から見えなくなることを承知で浮上を始め、マンタの姿を追った。またあの捕食シーンの前に出ると、3匹、4匹,5匹、6匹、7匹!マンタたちが、列をなして、魚たちの群れに向かって来ては、捕食を繰り返し始めた。
いつの間にか、遠藤さんたちも、その下で撮影を行なっていた。僕は今まで撮影できなかった鬱憤を晴らすかのように、エアが切れるまで撮影を続けたのだった。この日良い写真が撮れたことは、マッサージに行くよりも、疲労回復に効果があった。