パラオマンタリサーチ!序章
Palau / パラオ
50匹のマンタの捕食現場を探したリサーチ、その結果やいかに!
Palau / パラオ
50匹のマンタの捕食現場を探したリサーチ、その結果やいかに!
- Photo&Text
- 越智 隆治
- Special Thanks
- デイドリームパラオ
- Design
- Sana☆
出ない事も一つのデータの蓄積
「狙いは北です。北のマンタの群れ。多いときは50匹くらいの目撃例もあります。でも、正直時期が悪いんですよね。本当は3月とか4月の方が確率が高い」そう話していたのは10月後半の事。
その日から、僕らは潮の状況を頼りに、北でのリサーチを続けた。しかし、マンタの「群れ」どころか、マンタ1匹遭遇することも無く、1日、1日と時間は過ぎていった。(やはり3、4月の方が良かったのかもしれない)そういう思いが、潜っている間中、何度も頭をよぎった。
ほとんど、同じポイントで潜り続けると言っても、もちろん潮の状況を考えてエントリーするので、その一番良いタイミングになるまでは、別のポイントに潜り時間調整をした。北への移動途中、2日間ほど、300匹はいるだろうカズハゴンドウの群れに遭遇してスキンダイビングで撮影したり、何故か、マンタとオルネートイーグルレイを除くパラオで見られるかなりの種類のエイを撮影したり、予想外の場所でシルバーチップシャークやブルシャークに遭遇したこともあった。一見大物運に恵まれているようでいても、狙いのものがみつからなければ、正直あまり嬉しくは無い。
しかし、考えようによっては、自分が撮影に訪れる時には、現地のガイドが相当にリサーチデータを蓄積して、ある程度メドが立った後の事。そういう意味では、今回はそのデータ蓄積の途中段階に訪れたと考えるべきで、より確実性を増すためには必要な事だ。つまり、「会えない事もデータの蓄積である」ということ。失敗を繰り返しながら、新たなポイント開拓はより確実なものとして、完成されているということだ。