日本のテクニカルダイバーがギネス世界記録 鈴木雅子氏・智子氏が姉妹で105m到達

テクニカルダイビングに特化したダイビングショップ「スティングレイ・ジャパン」から、嬉しいニュースが届いた。同ショップ所属する鈴木雅子氏・鈴木智子氏(以下、鈴木姉妹)が、それぞれスキューバダイビングで水深105mまで潜ることに成功。姉妹2人の到達深度を合計した「姉妹(女性)によるスキューバダイビングの合計最深深度」が211mとなり、ギネス世界記録として正式認定された。

姉妹で潜るという挑戦が、新しい世界記録を生んだ

一般的なレクリエーショナルダイビングでは、最大深度はおよそ40mまでとされている。多くのダイバーが楽しむファンダイビングは、水深30m前後までが一般的な深度だ。その深度を超えるダイビングは「テクニカルダイビング」と呼ばれる分野になる。水中で体内に溶け込んだガスを安全に排出するため、水中で一定時間止まる「減圧停止」を前提とした潜水計画や、特殊ガスの使用や携行する装備、そして高度なチームダイビングと安全管理が必要になる世界だ。今回、鈴木雅子氏と鈴木智子氏が到達した105mという深度は、そうした専門的なトレーニングと経験を積んだダイバーが挑戦できる領域といえる。また、本世界記録は、もともと存在していたものではなく、鈴木姉妹の挑戦をきっかけにギネス側へ提案され、約1年の審査を経て新たに整備された記録項目だ。

そして、今回の挑戦の舞台となったのは和歌山県串本・古座沖。海域確認から当日の船の手配、サポート、証人まで、ダイビングショップ「ダイブクーザ」代表の上田直史氏をはじめとするチームの支えがあったという。

挑戦当日のエントリー直前には緊張もあったという。しかし潜降が始まると、不思議と「いつもどおり」の感覚になったそうだ。

以下に鈴木姉妹からいただいたコメントを掲載。今回の挑戦にかける熱い想いを伺うことができる。

鈴木姉妹コメント

この度、「姉妹(女性)によるスキューバダイビングにおける合計最深合計深度(女性) / Deepest combined depth in scuba dive by a pair of siblings (female)」において、鈴木姉妹の合計水深211m(1人水深105m)の記録が正式にGUINNESS WORLD RECORDS(ギネス世界記録)に認定されました!

まずは、この挑戦が無事に成功し、認定をいただけたことを心から嬉しく思っています。

テクニカルダイビングの世界では、水深100mは決して珍しい数字ではないのかもしれません。しかし私たちにとって今回の経験は非常に特別なものでした。

「ダイビング業界に何か明るい話題が作れたらいいな」そんな想いからスタートした今回の挑戦、当初はギネス世界記録には「姉妹で潜る」という項目自体が存在しませんでした。私たちはテクニカルダイビングにおける「チームダイビング」をとても重要だと感じていますし、「姉妹」で挑戦することで女性ダイバーの方々にもその魅力を伝えたいという想いがありました。そして、各教育機関のトライミックスコースで到達できる水深100mよりも更に5m深い「105m」という数字には、これまで学んだ知識と技術を、自らの経験・責任・判断で限界を広げるという大きな意味を込めていました。

それらの要素を含めた挑戦になるよう、私たちからギネス側へ挑戦の意味や安全管理体制についてなど提案をし、約1年間の審査を経て、新たな記録項目として整備していただくことができました。

今回の挑戦にあたり、和歌山県串本・古座の「ダイブクーザ」代表の上田直史さんには、海域の確認から当日の船、サポート、証人に至るまで多大なるお力添えをいただきました。また、証人を務めて下さったJCS CMAS会長 佐川純さん、特殊環境下でのサポートも経験しているコマーシャルダイバーの山口浩人くんにもサポートいただきました。心強いチームの皆様に深く感謝申し上げます。

今回の挑戦を支えたチーム

今回の挑戦を支えたチーム

ざまざまな準備を経て、水中へエントリーする直前は緊張もありましたが、いざ潜降を始めると、リラックスした状態で「いつも通り」楽しんでいる自分たちがいました。日頃のトレーニングと積み重ねた経験が、静かな自信を与えてくれるのだと改めて実感した瞬間でした。

水深105mに向けて潜降中。写真は水深68m

水深105mに向けて潜降中。写真は水深68m

これまで私たちが複数回目にしてきた水深90m前後の景色は、暗く泥地の場所が多い印象でしたが、今回の和歌山・古座沖の水深105mの景色は、見渡す限り美しい白い砂地が広がっていました。すごく気持ちが良くて、ボトムで2人で会話が弾んだのを覚えています(笑)。今回は自分たちの領域を広げることにフォーカスしましたが、あの白い砂地にどんな生き物がいたのだろうと考えるだけでワクワクします。

水深105mに到達!自然光はわずかにしか届かず、薄暗い

水深105mに到達!自然光はわずかにしか届かず、薄暗い

この記録は、決して私たちだけの力で達成できたものではありません。挑戦当日に支えてくださった皆様、日頃から応援してくださる各現地サービスの皆さま、そして自分のことのように喜んでくださった皆様。最後に、約20年前、大のカナヅチからスタートした鈴木姉妹をテクニカルダイバーとしてここまで育ててくれた野村に、心からの感謝を捧げます。本当に、いつもありがとうございます!

世界中には素晴らしいテクニカルダイビングフィールドが数多くあると思うのですが、私たちは日本の海が大好きです。先人の方々が切り拓いてきた歴史を大切に繋ぎ、日本でテクニカルダイバーがもっと楽しめるような環境を広げていきたい。そして、重装備のテクニカルダイビングは女性だとハードルが高いように感じるかもしれませんが、陸上の部分は工夫やテクニックで乗り越えられることが多いと思っています。女性も楽しめる分野だと思うので、もっと日本で男性も女性もテクニカルダイバーが増えたら楽しいなぁなんて考えています。一つひとつ、じっくりと時間をかけて継続できるよう、今後も挑戦と発信を続けていきます!

鈴木姉妹のもとに届いたギネス世界記録の認定証

鈴木姉妹のもとに届いたギネス世界記録の認定証

重装備に見えるテクニカルダイビングはハードルが高いと思われがちだ。しかし鈴木姉妹の挑戦は、その世界がもっと多くのダイバーに開かれていることを私たちに示してくれた。日本の海から、新しい可能性がまた一つ広がる、嬉しいニュースだ。

▶︎ギネス世界記録公式ページはこちら
▶︎鈴木姉妹Instagram

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