未知の国、ミャンマーで 潜る
Myanmar / ミャンマー
日本人ダイバーにとって未知の海、ミャンマーへ出航!
Myanmar / ミャンマー
日本人ダイバーにとって未知の海、ミャンマーへ出航!
- Photo
- 越智 隆治
- Special Thanks
- edive
- Design
- PanariDesign
モブラの群れに会うタワーロック
ミャンマークルーズの最大の目的は、クルーズ行程最北端の、タワーロックで、モブラ(ヒメイトマキエイ)の群れ。ここでは、基本的にこれ狙い一本のダイビングになる。通常は透明度が相当に悪いと聞いていたが、自分が参加したクルーズの時には、透明度20m以上はあるくらい抜けていて、どこにモブラたちが泳いでいるかが、一目瞭然だった。多いときには70匹の群れに遭遇したが、案外警戒心が強く、自分もそれが初の遭遇だったので、どのようにアプローチすればいいかがまだわからずに、撮影のチャンスを逃してしまった。
しかし、その後も島の周辺の浅いエリアやその沖にある、巨大な岩礁の点在する根を中心に、10〜20匹のモブラの群れに何度も遭遇した。
海中の花畑を、小魚の雲海が覆いつくす
今回潜ってみた、ミャンマーの海の印象はどちらかと言うと地味目。しかし、それはワイドな視点での事。少し寄りで生き物たちを見てみると、ソフトコーラルのカラフルさや、その上を小魚の群れが雲海のように群れるなど、被写体として十分な程のカラフルさを見せてくれる一面もある。
また、カエルウオやハナダイギンポなどの個体数の多さも目についたし、次の紹介するブラックロックでは、レアなスジクロユリハゼの個体数の多さに目を見張った。
ブラックロックは、ミャンマークルーズでタワーロックと2枚看板となるポイント。ブラックロックの見所は、 何と言ってもマンタ遭遇率の高さだ。メルギー諸島の中でも、他の島から離れて孤立する全長100mの無人の岩礁。この周囲のウォールを潜るダイビングだが、ウォールには雲海のようにスカシテンジクダイやカマスの幼魚などが群れる。水深15m程の岩には、赤く色づいたソフトコーラルが群生し、その上にも同じようにスカシテンジクダイが群れ、時にその上をマンタが通過していった。
クルーズ中でも、マンタ以外の大物遭遇率の高いポイントで、何度かジンベエザメも出現していると聞いた。自分が潜った時には、残念ながらジンベエザメは出なかったものの、数匹の巨大なマンタが、移動したり、頭上で旋回し続けたり、様々なパフォーマスを見せてくれた。
ウォールから砂地のスロープになる、水深30m付近には、スジクロユリハゼの個体数も多く、深場マクロの売りになっている。個人的には、ウォールにいるカエルウオの個体数の多さに驚いた。マンタが頭上や足下を行ったり来たりしていなかったら、もっと集中してこのカエルウオが群れる様子を狙いたかったのだけど、マクロを構える度に、マンタが姿を見せるので、なかなか落ち着いて撮影が出来なかったのは残念だった。
ヒラマサの群れも壮観で、これだけ数が多いと、ダイバーが近寄っても逃げることも無く、悠然と泳ぎ続けて、岩礁の周囲を回遊していた。
クルーズの売りがモブラの群れなので、タワーロックでモブラの出現を待つのも悪くは無かったが、個人的には、このブラックロックの方が面白かった。