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はじめての神子元ドキュメント企画特集

はじめての神子元で読者モニターがハンマー運試し&常連/ビギナー座談会企画!閲覧無制限

カテゴリ:楽しむ

■撮影/むらいさち、寺山英樹
■構成・文/寺山英樹
■協力/神子元ハンマーズ

神子元の夏、ハンマーヘッドシャークの夏がやってきました!

何としてもハンマーに会いたいオーシャナ取材班は、我こそは「持っています!」という強運ダイバーを大募集。
初めて神子元を潜る4人のビギナーズラックにあやかることはできるのか?

結果やいかに…。

神子元島ダイビングドキュメント

プロローグ

ハンマーヘッドシャークに絶対に会いたい!
でも、どうやったら会えるの?

美しい流線型のボディに、トンカチのような奇妙な頭、アンビバレントな魅力を持つハンマーヘッドシャーク。
このダイバー憧れのサメに会えるだけでもスゴイことなのに、群れ群れで、しかも都内から日帰りでも会いに行ける奇跡の海が、南伊豆の神子元島です。

伊豆半島最南端・神子元島

とはいうものの、相手は自然、潮に乗って移動し続けているハンマー。
潜れば絶対会えるというわけではなく、むしろそんなギャンブル性がダイバーを魅了し、リピーターを生み続けているのかもしれません。

では、すべては運任せかと言えば、神子元ハンマーズのまこっちゃん(有松真さん)の話を聞くと、会える確率を上げることはできそうです。

「黒潮がすべてのカギを握っています!」と言うように、日本の太平洋側を北上する暖流・黒潮が接近するかどうかが運命の分かれ道。
黒潮が接近し、コンスタントに水温20度を超えてくるとハンマーの出現率が上がるので、黒潮情報をチェックするのが会える確率を上げるポイントとなりそうです。

ただ、伊豆半島で黒潮が安定するのは9、10月と言われていましたが、近年では7~8月に大接近して大当たりすることもあり、黒潮が当たっても、ドリフトで流しているこちらと、潮に乗って泳いでいるハンマーとの出会いは最終的には運頼み。
同じ船に乗っていても、当たる班と外れる班があったりします。

なので、点と点との出会いの確率を上げるには、なるべくハンマーがやってきやすい黒潮のシーズンに足しげく通って、線を作ることが最も確率を上げる方法と言えます。

結局、通って、あとは運かよ! という声が聞こえそうですが、そりゃ、そうですとしか言いようがなく…。

昨年7 月末に爆発したハンマーの大群

昨年7 月末に爆発したハンマーの大群

ということで、オーシャナ取材班では取材の時期を見極めつつ、15年かけてやっとハンマーに会えた自分のような“サメ除け”ダイバーだけでは心もとないので、強運を自称するダイバーたちを募集したのでした。
無料で神子元島の海で運試し!読者モデル・幸運のハンマーの女神募集|オーシャナ

科学的データと見えざる力を合わせてこそのギャンブル。
両方とも欠かすことはできません。

決戦前夜はハンマー大爆発!
もうほとんど会えた気分!?

昨年の7月の大当たりを踏まえて、当初7月上旬に設定していた取材日。
しかし、ハンマーどころか、黒潮が遠ざかった状態で、水温もなかなか上がってこず、「今、まだドライスーツで潜ったりもしています。というか、海況が悪くてそもそも船が出るか…」とのまこっちゃんの報告を受け、取材日は何度か延期。

最終的には、黒潮接近の報告を受けた7月後半から数日後の7月31日~8月2日に決定。
30日には大爆発のログを確認し、さらに強運ダイバー4人が合流するとあって、すっかり大群と出会った気分で現地に乗り込んだのでした。

■2013年7月30日のログ写真

神子元のハンマーヘッドシャーク

■2013年7月30日の動画

読者モニター紹介

強運を持つ(自称)4人の神子元ビギナーたち

■稲生薫子(いのうかおるこ・ルコちゃん)

稲生薫子(いのうかおるこ・ルコちゃん)

「3月まで宝くじのイメージキャラクター“幸運の女神”を務めていたので、きっと幸運なのだと思います(笑)。そして、ちょっと言いにくいんですが、先日、宝くじで1等を当てちゃいました!」
ダイビングにあまり関係ないのと、運を使い過ぎちゃっていないかが心配…。
170本レスキューダイバーの現オーシャナスタッフ。

■秋葉美郷(あきばみさと・ミーちゃん)

秋葉美郷(あきばみさと・ミーちゃん)

「西表のビッグポイント『オガン』に初めて潜ったときにカスミアジ1000匹の群れを見れたときは“もってる”と思いましたが、タオに2回潜りに行って、ジンベエに会えなかったのでやっぱり“もってない”と思います」
どっちやねん! な感じのミーちゃんですが、カスミ1000匹はすごい。
ダイブマスター220本の八重山大好きダイバー。

■座安佑奈(ざやすゆな・ユナさん)

座安佑奈(ざやすゆな・ユナさん)

「『沖永良部でギンガメ群れ狙いで潜ったら、それ以外にザトウクジラの親子にも会えました』『宮古でたった一日のファンダイビングで通り池に潜れました』『種子島でイタチザメ、アオウミガメを見て写真も撮ったのですが一緒に潜った他の誰も気づいていませんでした』と、幸運続きの私ってもっているかも!?」
以前、ダイビング雑誌のモデルとして海外にも行っていたユナさん、かなり持っているかも。
本職であるサンゴの研究で潜るのでは飽き足らず、ファンダイビングでも潜りまくるアクティブダイバー。

■高橋慧(たかはしけい・ケイ君)

高橋慧(たかはしけい・ケイ君)

「昨年の夏に富士山に登った時、数年に1度しかないほどの天候に恵まれて普段は出ない影富士が現れたり頂上では雲海の中からご来光が出たりと、かなり去年は運あるな~と感じました」
って、やっぱり海に関係ない…。
まあ、黒一点がんばっていただきましょう。
60本ダイブマスタートレーニング中の伊豆ダイバー。

さあ、本場!
初めての神子元ダイビング前編

海への第一歩はパラシュート型エントリー!?
人生初の神子元ダイビングに期待と不安が入り混じる…

2日間のチャレンジのうち1日目は、ユナさん(2日目のみ参加)以外の3人でチャレンジ。
やはり、3人とも上級者の海、しかも初めてということで緊張していましたが、ブリーフィングで1日の流れや潜り方などを確認できて少し安心した様子。

「ブリーフィングが分かり易かったので、一日の流れがスムーズでした」(ユナさん)

神子元ハンマーズでは、エントリーからエグジット、そして緊急手順まで、ビデオで紹介する丁寧なブリーフィング。初めてでもビデオを見ればイメージできる

神子元ハンマーズでは、エントリーからエグジット、そして緊急手順まで、ビデオで紹介する丁寧なブリーフィング。初めてでもビデオを見ればイメージできる

ブリーフィング後、器材を積み、ウエットスーツを腰まで来たら車に乗り込み5分。
港に到着したらダイビング専用船に乗りこみセッティングをし、いよいよ神子元島へ向かって出港!

船上から潮の流れを読みつつ潜るポイントを決める

船上から潮の流れを読みつつ潜るポイントを決める

ポイントまでおよそ15分。
神子元では、到着したらすぐにエントリーできるように、早めの準備をして器材を装着します。

神子元ビギナーの3人もブリーフィングを思い出し、周りの常連さんたちの行動を見ながらちょっとアタフタしながら準備。
ちょっと緊張しているように見えました。

ポイント到着時にすぐにエントリーできる準備をしておくスタイル

ポイント到着時にすぐにエントリーできる準備をしておくスタイル

「正直なところ、波があり、ゲストが多かったこともあり、船の上ではストレスを感じました。酔い止めやエントリーまでの流れを把握するなど、準備は大切ですね。」(ミーちゃん)

「船の上でのセッティングとか次々とエントリーしないとダメとか、初めての人は緊張するかも」(ケイ君)

「船酔いする人は酔い止めを飲んだ方がよいかもしれません」(ルコちゃん)

この日は波があったこともありますが、やはり、独特な神子元スタイルに最初は面食らうようです。

島に到着すると、いよいよエントリー!

神子元島の灯台

潜降ロープのないドリフトダイビングなので、次々にエントリーしていきます。

神子元島でのエントリー

来たれ!ビギナーズラック!!

この日は運試しということもあり、3人は別々のグループでエントリー。
さて、みんな無事にハンマーに出会うことができたのでしょうか?

神子元島でのダイビング

結果。

■ケイ君  ……正面から単体
■ミーちゃん……うっすら単体
■ルコちゃん……「見えたような、見えないような……」

微妙な初遭遇となったようですが、感想は人それぞれ。

神子元島のハンマーヘッドシャーク

「正直、ログとかでは出ているって書いてあるけど、見られるチームは幸運で、実際には天候とか潮の回りを見ると厳しいと思っていました。だから、1本目でいきなり正面で鉢合わせして、全員ビックリ(笑)。正面の姿って見たこと無かったけど、思いのほか可愛くて…1回見れば満足かと思ったけど、もっともっと見たくなっちゃいました」(ケイ君)

「連日出ていることはログをみてわかっていたし、『今なら見られるよ』というベテランさんの言葉もあったので、出るんじゃないかという期待は膨らんでいました。なので、単体しか見られなかったときは正直なところ少し残念に思いました」(ミーちゃん)

「心の目で見たハンマーはかっこよかった。次こそは……(泣)」(ルコちゃん)

ケイ君とミーちゃんの温度差は、事前の期待値によるものかもしれません。
前日まで爆発していた映像を見ていたので、ミーちゃんを始め多くのゲストが脳内で勝手に群れと遭遇している自分を想像してしまっていたようです。

15年会えなかった自分としては、思わず「そんなに甘いもんじゃない。ふふふ」と心の中でつぶやいてしまいましたが、点と点との遭遇を狙うダイビング。
単体でも一発目で会えるのはラッキーです。

その点、潮回りまで考えて潜っていたケイ君は冷静でした。
「100%ハンマーに会えるとは思わないのが大事ですね!」とは、完全に群れと泳ぐつもりでいたルコちゃんの言葉(笑)

群れを目指して、2本目。

初日は流れは穏やかでビギナーでも安心の海況

初日は流れは穏やかでビギナーでも安心の海況

ボートのアッパーデッキから、エグジットしてきた3人の表情を見て、「あー、こりゃハズしたんだな」と、後片付けもあったのでとりあえずそっとしておきました。

港へ向かう船上、結構なうねりがあったこともあり3人とも渋い顔でうなだれています。
励まそうとミーちゃんに声をかけると、顔を上げて「群れが見れちゃいました♪」とニヤリ。

聞けば、30匹くらいの群れと遭遇し、「嬉しくて叫びながら追いかけました。ハンマーにもてあそばれた気分です。もっと近くで!もっとはっきり!もっと大群を!と、ハンマーへの気持ちは膨らみました」とミーちゃん。

じゃあ、なんでそのテンション? 船酔い?

「いえ、船上に上がってきて、ちょっと反応に困っていまして…。見られた人と見られなかった人がいる中で、こっそりにやにやするのが精一杯な感じで(笑)」

おー、他の班に配慮しつつ喜ぶ、神子元名物“噛み殺し喜び”の贅沢を早くも味わうとは。
ただ、まこっちゃんによれば、「いやー、がっつり喜んじゃっていいんです。みんな大人ですから、逆に喜びを共有できますし、『次こそは私も!』となりますからね。まあ、たまにムッとする方もいますが」

やっぱり、たまにはいるんですね(笑)。

ということは、ケイ君もルコちゃんも噛み殺し喜び?と聞いてみると、空振りだったようで……。
同じ船に乗っていても、大群に会えるグループもあれば、まったく見られないグループも。
そんな悲喜こもごもが神子元ダイビングの魅力です。

空振りと船酔いでうなだれていると思ったら、喜びを噛みしめていたミーちゃん

空振りと船酔いでうなだれていると思ったら、喜びを噛みしめていたミーちゃん

本当にただの船酔いだったルコちゃん

本当にただの船酔いだったルコちゃん

ダイビング後、「明日は全員で群れが見られますよーに」とハンマー神社へお参りしたのでした。

神子元島のハンマー神社

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