むらいさち写真詩集「ALOHEART」発売記念インタビュー

“うみカメラマン”むらいさちさんが、自身初となる写真詩集「ALOHEART」を出されました。

この発売を記念したインタビューをお届けします。
全3回にわたるインタビュー、どうぞお楽しみください!
(取材日:2012年8月9日 聞き手&撮影:いぬたく)

写真詩集「ALOHEART」について

いぬたく

(「ALOHEART」を拝見しながら)これは文章もむらいさんが書いてるんですよね?

むらいさち

はい。けっこう大変でしたね。編集の人の意見もあって、もともとの構想では文章は入れる予定じゃなかったんです。

いぬたく

編集の担当の方が「入れた方がいいんじゃないか」、と?

むらいさち

そうですね。こういうのを作りたいって最初からがっつり決まってたわけじゃなくて、話しながら作っていく感じだったんで。完成品を持って行って「これを出したいんです」っていうパターンじゃなかったんです。

“うみカメラマン”むらいさち

いぬたく

一番初めはどういうところからお話があったんですか?

むらいさち

もともと今回の本を出してくれたライフデザインブックとお付き合いがあったんです。ハワイライフスタイルクラブっていう、ハワイの手帳とかを作ったりハワイ系のイベントを企画したりしている部署があって、僕が4月にやった写真展ALOHEARTを見に来てくれたんです。そこからですね。まさか写真集を出せるとは思ってなかったんですけど。

いぬたく

写真展がきっかけだったんですね。

むらいさち

その会社も写真集は出したことなかったので、ほんとに自由にやらせてくれて。ハードカバーっていうのもお金かかりますけど、そういった意味では僕の意見をとても尊重してくれて、好きにやらせてくれました。

いぬたく

版型もむらいさんがこういう小さめのものがいいと希望されたんですか?

むらいさち

そうですね。小さめというのは、もともとのコンセプトからありました。やっぱり多く買ってくださるのは女性だろうと思うので、女性が持って歩けるサイズがいいなということで。できれば常に身近に置いてほしいなっていうのがありました。

いぬたく

じゃあ、どっちかというと家に置いておくというよりも、持って歩いてほしいという。

むらいさち

家に置いてもらってもいいんですけど。本棚に入れておくというよりは、疲れた時とかちょっとした時に開いてもらえたら嬉しいな、と。寝る前にちょっと写真を見て、いい気持ちで寝てもらえれば、とか。
写真のどうのこうのより、全体的に見て癒されれば嬉しいかなって。

むらいさち写真詩集「ALOHERAT」

いぬたく

ちなみに、僕は申し訳ないことにハワイって行ったことないんですよね。

むらいさち

あぁ、はいはい。そういう人でもこんな感じなのかなっていう雰囲気が伝わると思います。よくあるハワイの風景写真ではなくて、別にハワイじゃなくてもいいんじゃないかみたいな写真が多いんですけど、ハワイってこういう空気感なんだろうなぁっていうのが伝わればいいな、という感じです。
いぬたくさんはハワイに行きたいと思いますか?

いぬたく

思いますね。ハワイは特別ってみんな言うんですよね。

むらいさち

そうですね。僕ももとは「みんなハワイ、ハワイってうるさいなぁ」って思っていて(笑)、ミーハーなのは好きじゃないんですけど、とりあえず1回行ってから考えようって行ってみたら、ハマっちゃった。

いぬたく

初めて行かれたのはどれくらい前なんですか?

むらいさち

10年くらい前ですね。

いぬたく

10年前っていうのは、水中造形センターにいらっしゃった頃ですか?

むらいさち

何してたかなぁ。水中造形センターに入る前くらいかな。カメラマンの助手をしてたような時期ですね。

いぬたく

そうでしたか。そのあたりのお話は後でじっくりうかがいます。今回は「写真詩集」ということなんですよね。

むらいさち

写真詩集っていうのは恥ずかしいんで、自分ではあまり言わないんですけどね(笑)

いぬたく

はは(笑)これも編集の方と話しながら、詩を入れて写真詩集にしたらいいんじゃないかみたいなことになったんですか?

むらいさち

文章は嫌いではないんですけど、文章を入れちゃうと写真をすごく縛ってしまうんですよね。そういう風にはしたくなかったので、入れても短く、一言にしました。相当大変でしたけどね。やっぱり文章は本業じゃないんで。
説明文とかを入れるのはいいんですけど、ワンフレーズで一言入れるのはむしろ難しいですね。

むらいさち写真詩集「ALOHEART」

いぬたく

文章も大変だったと思うんですけれども、色味を再現するのも大変だったんじゃないですか?

むらいさち

大変でしたね。淡い写真なんで、印刷がうまく出なくって。最初の色校のときは全部の写真を2回くらい出したんですけど、たくさん赤字を入れましたね。最終的には印刷所まで行って、印刷所のパソコン見ながら「そう、この色」っていうところまでやって。印刷屋さんも大変だったと思います。

いぬたく

むらいさんの特徴はそういう淡い写真ですものね。

むらいさち

コントラストが薄いと、印刷に余計出づらいんですよね。特色インクを3色くらい使って、色を新たに作ってもらって、けっこうお金かかっちゃいましたね。そういうところも自由にやらせてもらえました。

いぬたく

そうやって紙にするっていうのって、むらいさん個人の作品集としては初めてですよね。「紙にして出版する」ということを初めてやってみて思ったことはどんなことでしょう?

むらいさち

僕らは紙に囲まれて育ってる人間なんで、やっぱり物が形になることってすごく大切だと思いますね。例えば雑誌もすごく好きで、写真をプリントするのと一緒で、最初は絶対に写真集として形に残すというのが意地でもやりたかったですね。

いぬたく

はい。

むらいさち

僕が写真を始めてからの夢が写真集を出すことだったんですけど、だんだんと写真集を出すのが難しい時代になっきて、ちょっと焦ってて。あと何年かしたら、写真集とかほんとうに出なくなっちゃうかもしれない。売れないですもんね、写真集って。そういった意味では、こうして形にできたのはすごいラッキー。特別なものですよね。

“うみカメラマン”むらいさち

いぬたく

今回こうして一つ形にしてみて、今は出たばかりだと思うんですけど、今後はまた紙で第二作を作りたいとか、あるいはデジタルな分野でも他の形のものをやってみようとか、どういう感じですか?

むらいさち

今回のシリーズでいくようにしたいなと思ってます。頑張ってこれを売れば(笑)

いぬたく

シリーズっていうのはハワイにこだわらず?

むらいさち

全然こだわらないです。いくつか自分で撮ってるシリーズもあるので。次は水中写真でやりたいと思っていて。周りからもけっこう突っ込まれるんですよ。「水中ないじゃん」って(笑)。オーシャナさん的にも申し訳ないんですけど。

いぬたく

いえいえ(笑)

むらいさち写真詩集「ALOHEART」、発売中!

むらいさち写真詩集「ALOHEART」発売記念インタビュー

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