鹿児島・南さつまでアオリイカ大産卵中!今シーズンは例年以上の盛り上がり
鹿児島県南さつま市の大当海岸で、アオリイカの産卵がピークを迎えている。毎年5〜8月頃にかけて産卵行動が見られるが、今年は例年よりも多くの個体が確認されているという。
20ペア以上が集まる光景も
情報を提供してくれたのは、地元・南さつまの海を中心に丁寧なガイドスタイルが多くのダイバーから支持を集める「鹿児島ダイビングショップSB」。6月14日(土)のショップのブログによると、エントリー時にアオリイカの産卵床として設置される「イカ芝」を追加してエキジット時にその場所に戻ると、すでにアオリイカの数が一気に増えていたという。なんとその時は20ペア以上が集まっていたそうだ。


イカ芝に産み付けられた卵。そして体を張ってメスを守るオスの姿
アオリイカの産卵が観察できる水深はおよそ12m前後。30杯以上のアオリイカが集まって産卵を繰り返しており、オス同士の激しい争いや、メスを守るオスの姿も観察できるという。さらには、イカだけでなく、そのまわりにいる生き物たちの観察もおもしろいとのこと。

産卵するアオリイカを待ち伏せする卵に隠れるウツボ
安全停止中に観察できる位置にもアオリイカは群れているため、ダイバーにとっては絶好のシャッターチャンスが続くシーズンとなっている。
サンゴや海藻に産み付けられている卵も探してみよう
イカ芝も随時追加されており、卵は次々に産み付けられている。一方で、鹿児島ダイビングショップSBのガイドとしては「サンゴや海藻などの自然の産卵基質に卵を産む、アオリイカ本来の姿もぜひ見ていただきたい」という想いもあるそうだ。人工物だけではなく、自然な環境の中で繰り広げられる産卵シーンは、ダイバーにとって特に貴重な瞬間だ。

サンゴへの産卵

アマモに産みつけられたアオリイカの卵

アマモが朽ちてアオリイカの卵が成長している
いつまで観察できる?ハッチアウト狙いもおすすめ
産卵は8月頃まで楽しめる見込みだが、卵が成長すれば、7〜8月にはハッチアウト(孵化)のシーンを狙うこともできる。小さなアオリイカの赤ちゃんたちが次々と生まれてくる瞬間は、産卵観察とはまた違った感動を与えてくれる。
鹿児島・南さつまの大当海岸は、南九州エリアでも比較的アクセスが良く、透明度も高いため、これからの季節におすすめのダイビングスポットのひとつ。産卵行動も孵化シーンも、今だけしか見られない貴重な自然の営みだ。この夏、アオリイカたちの命のドラマをぜひ現地で体感してみてほしい。