【三保】現地プレスより「旅立ち」by 鉄多加志
実は、この原稿の大半は3/3つまり前回の投稿の時に書いたものです(編注:前回のテーマは「ひな祭り」)。
何を血迷ったのか?「ひな祭り」に投稿しなければ!
と勝手に焦って書いていました。
きっと疲れていたんですね?(笑)
しかし、ちょっと手を加えれば、あっ!と言う間に「旅立ち」です。
けど、中身はそんないぃ加減な話しではないですよ。
と、前振りはこのへんにして、本題に入ります。
先月からボチボチと始まったサビハゼの産卵も
第5ラウンドに突入して、
徐々にオスのやせ細り方にも磨きがかかってきました。
まったく餌を食べていないわけではないと思いますが、
それなりに気苦労や労力を必要とするのでしょう。
5〜6回同じ所で、同じオスが頑張りますが、
最後はガリガリになって燃え尽きます。
自然の摂理、種の保存とか、字面では4〜5文字で片付いてしまいますが、
その行為の奥深さは、1シーズンを注ぐに値します。
今まで、タイミングを合わせて、
ハッチアウトも沢山見たり、見てもらったりしていますが、
被写体としてのパフォーマンスの高さに、初めて見た時は...
絶句して、シャッターを切り忘れたほど感動的でした。
しかも、観察してゆく内に、もっといろいろな事が分かってきます。
ファニングだったり、ハッチアウトの誘発行動だったり、
産卵床で路頭に迷う子供を口に含んで外に出したりと、
驚きの連続です。
近所では、ヤリイカのハッチアウトも行われていますが、
産みっ放しのイカよりは、
大海へ旅立つ仔魚を見守るように見えるサビハゼの方が、
冷たい水温を忘れさせてくれますので好きです。
* この文章のどこをどうすると「ひな祭り」の原稿になるのか?
それは秘密です。
※以上の記事はmixiで展開しているコミュニティ「現地プレス」に掲載されたものを転載させていただいています。こちらもぜひご覧ください!
PROFILE
鉄多加志
Takashi Tetsu
出身地:海、血液型:海水
と根っからの海人間、テツさん。
景勝地「三保の松原」のある三保半島に生息し、
日夜地元の海に潜って生物を観察する事をライフワークとしている。
ライスワークも海の中でのお仕事なので
(1978年創業の老舗ダイビングショップで
インストラクター&ガイドとして活躍)、
かなり塩漬けな半生を送っている。
東海大学海洋学部の講師でもある。
ブログは
http://blog.goo.ne.jp/under-w/
http://ameblo.jp/g-iron/
ダイバーズ・プロ アイアン
http://group-iron.qp.tc/