ベテランダイバーやフォト派にウケるために大切な水中写真の「見せ方」とは
写真の見せ方講座二回目です。
前回はノンダイバー及びビギナーに見せる場合でしたが、今回は「ベテラン及びフォト派に見せる場合」と「誰に見せても受けの良い写真」です。
ベテランやフォト派に見せる場合
生態
経験豊富なベテランダイバーや、自らも水中写真を撮るフォト派ダイバーに見せる場合に、間違いが無いのは、「生態」です。
例えば、アクビをしているところや、捕食のシーン、又は抱卵や産卵などです。
ビギナーだとこれは何々をしているところですよと、写真に対して説明が必要な場合が多く、また撮るのが大変である事を理解してくれないので見せ甲斐がないのですが、そのシーンの価値や撮影の苦労を共感できる彼らは生態写真を褒めてくれるでしょう。
環境
釣り針が刺さった魚や、サンゴに傷を付けた痕の写真が環境写真の例になりますが、これこそ海に対する造詣の深さがないと理解してもらえません。
しかし、その写真を通じて、言いたい事を理解してもらえると、見る方の満足度は高まります。
前回、ビギナーダイバーに写真を見せる時は、感想を言いやすい写真を選びましょうと言いましたが、ベテラン及びフォト派に見せる時も同様で、彼らが解説しやすく、ウンチクを言いやすいくらいの方が喜ばれます。
逆に水中写真を見慣れている彼らにとっては、一般ダイバーに受けの良い、海のアイドルは最も目にする、ありふれた写真になってしまう事が考えられるので、避けた方が良いでしょう。
誰に見せてもウケの良い写真
組写真・連続写真
一連の行動を続けて撮った写真は、ダイビングの経験を問わず誰にでもウケが良いモノです。
海の中の出来事を、これがこうしてこうなった、という感じで見せれば、大抵の人は興味を持って見てくれます。
それならば動画で撮れば良いのでは?と言う人もいるのですが、自分が説明するタイミングで見せる事のできる写真の便利さは動画にはない物です。
私の肩書はUMA(Underwater Mandan Association)会長です。
そしてUMAの目的は、「水中写真を笑いで広げる」です。
見せる対象がほぼ同じレベルの人なら良いのですが、ベテランからノンダイバーまで皆に楽しんで貰おうとすると、面白い写真である事が非常に重要です。
※
次回は、最終回。
まとめと写真家に見せる場合や口説く場合、そして最終的にはモデルに成った方がいいと身も蓋もないシメにする予定です。
UMA会長・古菅正道プロフィール
水中写真にほぼ無かった「お笑い」の要素を取り入れる事に十数年前から取り組み、笑いで水中写真を広める団体UMA(アンダーウォーター・漫談・アソシエーション)の会長を務めている(会員5名、古菅正道、鉄多加志、工藤昌男、広部俊明、ガルーダ五十嵐)。
■写真/古菅正道