紀伊半島・串本

Kushimoto / 串本

古見きゅうが見た本州最南端のサンゴの町

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古見きゅう
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古見きゅうが見た本州最南端のサンゴの町

和歌山県の最南端に位置する串本町。本州の中で最も黒潮が接岸するというこの町の沿岸海域は多種多様なサンゴ群落で埋め尽くされる豊かな海。多くの日本人にとって、もっとも身近なサンゴの海とも言える。およそ10年前、僕はこの海にはじめて出会い、住み込みながら撮影を続け、東京に戻った今でも毎年通い続けている。
この海の移り変わりを目の当たりにしてきた「いちダイバー」として串本の素晴らしさ、それと同時に今抱える問題を多くのダイバーに感じてもらいたい。

古見きゅうが見た本州最南端のサンゴの町

世界最大級の潮流 黒潮の恩恵

串本は地球上の古見きゅうが見た本州最南端のサンゴの町二大海流と呼ばれる太平洋を流れる黒潮(もう一つは大西洋のメキシコ湾流)が岬に直接ブチ当たる場所。毎秒で3500万トンもの海水を時速5km を超えるスピードで流れる、とてつもないパワーを秘めた暖流が串本沿岸を活性化させているという訳だ。ひとたび串本の海に潜れば本州のその他のダイビングディスティネーションとのギャップをすぐに感じることができる。エントリーまもなくから続くテーブルサンゴ(クシハダミドリイシ)の群落、それに依存し可憐に泳ぎ回るチョウチョウウオや色鮮やかなベラ。そう串本の海中景観はどこか沖縄など南の雰囲気を醸し出している。これは紛れも無く黒潮の力がそうさせているのだろう。黒潮によって育まれているサンゴやその他の生き物達は、一年を通して死滅することなくこの地に根付き産卵をするものも多い。そのサイクルが繰り返される事によって、串本の海はますます豊かになっていく。以前あるサンゴの研究者が話してくれたことは「串本は世界で一番北にあるサンゴ(が豊かな)の海なんだよ」という言葉。その言葉を聞いた時、陸続きの海でこれだけの環境が生きている串本の海を、もの凄く誇らしく思えたことを今でもよく覚えている。

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