豪快さと優しさ、西表島の海に
Iriomote Island / 西表島
男らしいハードな海と女性的で優しい海
Iriomote Island / 西表島
男らしいハードな海と女性的で優しい海
- Photo&Text
- 越智 隆治
- Special Thanks
- ダイビングチームうなりざき西表
- Design
- Panari Design
オガンでの初ダイビング。とにかく群れ大物三昧!
仲之御神島、通称“オガン”があるから、西表に潜りに来るというベテランダイバーも少なくは無いという。本来は夏の時期にしか行けないポイントなのだけど、取材した4月頭の短い取材期間で、コンディションが良くて、2日連続で潜りに行けた事は本当にラッキーだった。
外洋にほぼ東西に延びるこの小さな無人島の周辺には、潮が当たり、大物や群れに高確率で遭遇できるポイントが点在しているだけでなく、マクロ、地形なども楽しめる。透明度も抜群で、エントリー直後に包まれるブルーの濃さに、海と同化して、自分の身体がその中に融合していくような感覚を味わえる。吐き出されるエアでさえ、特別な物に感じて来る。そのエアにただ、包まれたいとさえ感じる。そんなブルーだ。
しかし、そんなのんびり気分で潜れる程、何も無い海ではないのだ。“オガン”初ダイブとなった、天馬崎ポイントでは、エントリーするなり無数のウメイロモドキの群れの歓迎を受ける。360度、周囲を囲まれてどこにカメラのファインダーを向ければいいのかわからなくなった。
その直後に遭遇したのは、日本では絶滅危惧種とされている、カンムリブダイ。しかも20匹程の群れ!まさか、日本でカンムリブダイの群れに遭遇できるとは思わなかった。
しばらくして、巨大な四角岩の点在する不思議な地形を撮影しようとしたら、うなりざきのガイドの曽我君が、何かを発見。撮影を諦めてそちらに急行すると、巨大なオオテンジクザメが数100匹のテングハギモドキらを従えて悠然と泳いでいた。撮影しようと思ったが、距離がありすぎた。
激しい追走で、エアを消費し過ぎたので、しばらくは浅めに深度を取り、あまりうろちょろせずに、曽我君について行った。すると今度は50匹程のイソマグロの群れに遭遇。極力激しく動かないように、アプローチして撮影した。
それが終わると、今度はケーブに入り、中で眠っていたネムリブカに遭遇。
そして、その後浅場の海底遺跡っぽい岩礁地帯を流して、最後に飛び石が砂地に点在する、日本庭園のような美しいポイントで、また撮影しようとカメラを構えた瞬間、またまた曽我君が120匹程のバラクーダの群れを発見してしまった。
発見してしまったというのは、もうそこで安全停止するかな、くらいにエアが少なくなっていたから。それでもバラクーダだから、深度も浅いので、皆で接近できるところまで接近。目の前まで迫ったバラクーダを撮影し、力つきて浮上。
それにしても、“オガン”初ダイブは盛りだくさんの群れや大物に歓迎された、最高のスタートだった。