豪快さと優しさ、西表島の海に
Iriomote Island / 西表島
男らしいハードな海と女性的で優しい海
Iriomote Island / 西表島
男らしいハードな海と女性的で優しい海
- Photo&Text
- 越智 隆治
- Special Thanks
- ダイビングチームうなりざき西表
- Design
- Panari Design
超豪快!三の根、東の根
7カ所あるオガンのダイブポイントの中でも、豪快さを極めるのが、三の根と東の根。ダイバーの間でも「オガンに行ったら、絶対三の根と東の根に入りたい!」とリクエストがある程、最も人気のあるポイントだ。
オガンからボートで15分程離れた三の根という隠れ根。かなり広範囲に広がる根には、これまた良い感じの潮がかかり、イソマグロの群れや、カスミアジの群れが見られる他、ジンベエザメやタイガーシャークが目撃された事もあるという。
今回は、60匹程のイソマグロがかなり密にまとまって、流れに乗ってホバリングしているところをカメラに押えた。撮影には至らなかったけど、巨大なナポレオンが、僕らと微妙な距離を保ちながら泳ぎ続けた。カスミアジは、少し時期が早いとのことで、大きなまとまりを見ることはできなかったが、GWから夏にかけては、きっと大きな群れが期待できるはずだ。
地形的に、一番豪快なのは東の根。巨大な岩の壁のトップにつかまって、潮の当たる壁面前に群れる魚群を堪能するために、潮が当たっている時は、激流に逆らってのダイビングになる。潜れるのは丁度壁面に潮が当たる下げの時間帯のみ。
この日はそれほど激流では無いにしても、壁のトップに固定したアンカーロープにつかまりながらの潜行では、前にいるダイバーの吐き出したエアがもろにかぶさって来るほどに流れていた。それだけで、大物や群れが期待できた。
水深17mの壁のトップに到着し、エッジにへばりついて眼下を見下ろすと、そこにはヒメテングハギとテングハギモドキの巨大な群れが。つかまらなければいけない程の激流では無かったので、壁面を越えて、群れを撮影し始めたその瞬間、どこからともなく、無数のツムブリが僕を取り囲み、しばらく暴れ回って、またどこかへ姿を消した。大物回遊魚の群れに取り囲まれたときの幸福感と興奮は、何度味わっても止められない。これこそ、ダイバーの特権だ。
オガンの洞窟ポイントでは、ケーブに差し込む青い光を楽しむとともに、18mの横穴を抜けた先にある、階段状の地形を見学。その後ガレ場で、卵を抱えたキンチャクガニ、ヒメメンコヒシガニ、カエルアンコウモドキなどのマクロを堪能。
群れ有り、大物有り、地形有り、マクロ有り。何でも楽しめてしまう“オガン”が、ダイバーに人気があることも納得が行く。