2013年夏、八幡野。伊豆屈指のスポット「おとじろう」がよみがえる!
Yawatano / 八幡野
伊豆を代表するビッグポイント「おとじろう」、5年ぶりに解禁!
Yawatano / 八幡野
伊豆を代表するビッグポイント「おとじろう」、5年ぶりに解禁!
- Text
- 寺山 英樹
- Photo
- 越智 隆治
- 取材協力
- ダイビングショップ海好き
- 特別協力
- いとう漁業協同組合
「おとじろう」で知る、伊豆のダイナミズム
5年半ぶりによみがえる
あの「おとじろう」
港からおよそ15分。
明らかに沿岸部とは違う海の色を見ながら、「やっぱり、潮の当たり方が違うな~」と嬉しそうに声を弾ませているのは、ダイビングショップ海好きのふくちゃん(福田航平さん)。
あの「おとじろう」を5年以上ぶりに潜るのだから無理もない。
数あるポイントの中で最も沖合に位置し、潮当たりが良くダイナミックで、伊豆フリークやカメラマンをうならせてきた、“あの”「おとじろう」である。
そんな伊豆屈指のビッグポイントは、一時クローズしていたが、2013年夏、いよいよリフレッシュ・オープン!
オープンに先駆けて潜り、取材班が見た5年半ぶりの「おとじろう」は…。
“手つかずの海”に戻った
ソフトコーラル&サメ天国
水深20mの海へエントリーすると、とんがり帽子のような巨大根が見え、その周囲には2~3mクラスの岩がゴロゴロ転がっている。
表面にはカラフルなソフトコーラルがびっしり。
そして、まるで日向ぼっこでもしているかのように、岩の上では巨大なネコザメがあちこちでデ~ンと寝ている。
スロープ状の地形は、ロープのようなムチヤギがニョキニョキと生えているエリアを抜けると、傾斜が急激に落ち込み、先の見えない濃紺の彼方へどこまでも続く…。
中層から40~50mくらいの水底を見てみると、人の背丈ほどの巨大なウミトサカがあちこちで胸を張っている。
折り返しつつ水深を上げていくと、水深15m前後には5mクラスの大きな根が点在し、周囲をスズメダイやキンギョハナダイが群れ、根と根の間にはドチザメが1、2、3……7匹!
たまたま見た根の隙間にいた個体だけでもその数だったので、おそらく至るところにいるだろう。
ポイントを休ませていた効果は抜群のようで、ソフトコーラルは手つかず状態、サメ天国となり、「おとじろう」は完全リフレッシュ。
八幡野だけで1万5千本近く潜っているふくちゃんにとっても「凄いね! こんなに興奮したのは久しぶりだよ」と格別なダイビングだったようだ。
さらに、これからは回遊魚のシーズンを迎え、「おとじろう」は伊豆のダイナイズムを一手に引き受ける夏の目玉。
やや深くて流れもあるので、スキルを相談しつつ、この夏ぜひリクエストしてみてください。
「おとじろう」だけじゃない!?
お手軽ボートダイビング
いつでも新鮮!
ポイント・ローテーション
八幡野のボートポイントでは、ダメージの見えるポイントを順繰りにクローズして休ませる“スポット(ポイント)ローテーション”の成果で、どのポイントもフレッシュ。
「おとじろう」が5年半クローズしていたのもそのためだ。
勝手に夏の主役として「おとじろう」を指名したが、もちろん、ほかにも魅力的なボートポイントはいくつもある。
「おとじろう」が中上級者向けのポイントだったので、ふくちゃんに「初心者向けでオススメのポイントに潜りたい」とリクエストしたところ、案内してくれたのが「サザエ根」。
水深20mから立ち上がる巨大根の周りにはキンギョハナダイが乱舞し、根の下をのぞくと人の頭より大きな巨大なネコザメ!
港からほんの3~4分で、ボートポイントらしい迫力のワイドシーンを楽しめる。
八幡野といえばビーチが有名で、ボートポイントに潜ったことがないという人も少なくないが、これはとってももったいないかも。
伝説のネコザメ・はっちゃん
八幡野には、“八ちゃん(はっちゃん)”と呼ばれる平成元年のオープン当初から見られている巨大なネコザメがいる。
少なくとも24年は生きているので、ひょっとしたら世界の長寿記録といわれている25歳を超えているかも!?
体長は小柄な女性ほどもあり、泳ぐのはあまり上手ではなく、人間より大きい頭を揺らしてオタマジャクシみたいにえっちらおっちら泳ぐ姿がたびたび目撃されている。
「サザエ根」によくいると言われているので、潜ったらぜひ探してみてね!