春夏秋冬 那覇発で潜る、沖縄

Okinawa/沖縄

~OKINAWA SEASONS~

Photo
Yasuyuki Saito
Text
Kaoruko Inou
Special Thanks
Okinawa Diving Service SENSUIYA
Design
Panari Design
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Another face of KERAMA
~ケラマをドリフトで攻める!!~

ケラマといえば、流れのない白砂広がるパウダーブルーの海に、南国系の魚がゆらりと泳ぐ、そんなイメージだが、実はこれは湾内の話。

ケラマには、知る人ぞ知るもう一つの顔があり、潜水屋は、沖合に浮かぶ根の周りで通年(メインは7~10月)ドリフトダイビングを楽しんでいる。

通年潜れる湾内にはなかなか姿を現すことはない大物代表格のマンタや、イソマグロ、おまけにロウニンアジに遭遇できるなど、優しい顔をしたケラマとはうって変わって、攻めの横顔も持っているのだ。

ケラマの新スタイル、“那覇発のケラマドリフト”を取材したとある1日の、齊藤カメラマンのレポートをお届けしよう。

クリーニングステーションに姿を現したマンタ「ウチザン礁」

クリーニングステーションに姿を現したマンタ「ウチザン礁」

齊藤カメラマン・レポート

早朝、朝焼けの淡い光に照らされた那覇の町を背にして、ダイビング船はケラマ諸島に向かって出港。ダイナミックな海を攻めるため、外洋の岩礁ポイントへ。私も久しぶりで朝から気分が高揚していた。

船は外地島(ふかじしま)の南方に位置するトムモーヤ礁というダイビングポイントへ近づいていた。正確にはトゥムモーヤーと発音し、波が四方から打ち寄せてしぶきを上げている隠れ根を意味する。永年に渡って伝えられてきた俗称なのだが、私はトム・ソーヤの冒険を連想して子供のようにわくわくしていた。“大きな根が3つあるのでその間を泳いでいきましょう。マグロとロウニンアジが期待できます”という小島さんの言葉に、さらに胸が高鳴る。

エントリーすると目の前にはダイナミックな地形、力強い岩とそこに差し込む柔らかい光。ファインダー越しの景色に釘付けになりながらも何枚かシャッターを切ると、大きなアオウミガメが現れ、私たちを海底へと導いていった。

次に向かったのは、イソマグロが集まるポイントで知られている運瀬(うんせ)。根で待つとグルクンが舞い、時折アジが狙いにやってくるが、今回はマグロには縁がなかった。ここは時折、潮の流れが複雑になる。安全停止に入る前、ダウンカレントに遭遇し、私の吐いたエアーが前のダイバーの周りをしばらく漂っていた。

最後はウチザン礁へ。前日マンタが出ていたとのことで期待が高まる。水深25mの水底の根がクリーニングポイントとなりマンタがやってくるのだ。下げ潮時が好調となるが、ケラマ諸島は島が多く点在するため潮の時間が大幅に遅れることが多い。時間を合わせてエントリーしたが少し早かったのかもしれない。待てども待てどもマンタはやって来ない。自然相手なので仕方がないと思いながら、そろそろ戻る時間だと諦め、船の方へと向かい始めた時、ついに現れた!

小島さんとアイコンタクトをとり、流れる潮に逆らってマンタの方へ向かった――。

マンタは海底すれすれのところをゆっくりと通過した。砂地に着底していないと流されてしまいそうな強めの潮で、残圧もギリギリだったことから、シャッターチャンスは一度。10枚程撮影をし、ダイバーの頭上を通り過ぎるマンタに後ろ髪を引かれながら浮上した」

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