“より手軽なバックアップ空気源”RASって知っていますか?
リクリエーションダイビングの安全性向上させた画期的な発明に、オクトパスレギュレーター、BCDがございます。
予備のセカンドステージは70年代中ごろ、BCDは70年代後半に登場しました。
それまでタンクにレギュレーターだけで潜っていたヤドカリ爺前は大いにびっくりいたしました。
スクーバのイマージェンシーはいろいろございますが、タンクの空気には限りがあるというのは、スクーバダイビングの宿命であります。
つまりエア切れはいつでも、どこでも、だれにでもあるトラブルであります。
大げさに言えば10m潜るごとに、そのリスクも倍倍になっていくのは言うまでもございません。
そうなるとどなたから空気をいただく、つまりバディブリージングで急場をしのぐわけですが、そのバディブリージングたるや、よほど落ち着かないと、新たのトラブルの原因でありました。
そこで予備のセカンドステージが登場して,このスペアのレギュレーターを手渡すだけで、空気をいただけるわけですから、大変心強い器材でした。
ただバディのどちらかが空気がない状態は、相棒も似たような状況ですし、近くにバディがいなけりゃ、はなから話になりません。
本来水面に出るだけの予備の空気を、持ってれば他人に迷惑をかけることもない、そこでメインのタンクに取り付けるレギュレーターつきのいわゆるポニーボトル、もっと小型のレギュレータ一体型のポケットタイプのスペアエアといったものが、ずっと昔からあるのだけれど、なぜかリクリエーションダイバーの世界では、特に日本では普及しないのですな。
どうもその理由は、邪魔だ、面倒だとということであるようデス。
ところが最近、RASという聞きなれぬ言葉をよく見かけるようになりました。
Redundant Air System(リダンダント・エア・システム)、略してRAS。
辞書で引くと、余分な空気システム。
安全器材に余分なはなかろうと思うのでありますが,要するに追加=スペアの空気ってことなんであります。
ペットボトルのような小さなタンクを、ダイバーの胸の辺りにぶら下げておこうというものです
最近では、無減圧ダイビングをするのに腰に酸素タンクをくくりつけて酸素減圧をする、神経過敏なダイバーを見かけるぐらいでありますし、サイドマウントコンフィギュレーションなどと、わざわざ脇の下に大きなタンクをぶら下げてダイビングをするというトレンドもございます。
それに比べれば、はるかにコンパクトなで確実なエア切れ対応タンク、もう少し普及してもよいかと思うのであります。
特にスペアエアなる、超ミニタンクなどはBCDの肩ストラップにチョコンと引っ掛けておけるサイズでありますから、ぜひお勧めであります。
インターネットでRedundant Air Systemと検索すると、いろいろ出てまいります。
ぜひお試しあれ。
蛇足でありますが、このRASという言い方は、リブリーザーなどの緊急時に使用する別系統のガスシステムもこう呼ぶようであります。
このように多様なバックアップの空気源をひっくるめてのリダンダント・エア・システム=RAS。
海外に出かけるダイバーのみなさんの中には、近々こんな用語に遭遇されるかもしれません。