神対応が生んだ幸運の連続!〜多良間の漂流カメラ、持ち主発見まで〜

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漂流した水中カメラ

先日お届けした、カメラが1年漂流した末に多良間島に漂着したニュースの続編です。

素早い情報拡散と情報提供の嵐

たった一つの投稿からシェアの波は一気に広がり、普段は1,500人程度へのリーチなものが、この投稿に関してはわずか1日で400近いシェア、リーチは8万人と、通常の30倍以上を叩き出しました。

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おかげで情報は瞬く間に関係者まで届いた様ですが、その分登場人物も多くなってしまい、さまざまな苦労があった様です。

「見つかるといいですね!」といったたくさんのコメントの1つ1つを丁寧に、毎日深夜までかかりながら返信していったJAWSⅡの柳岡秀さんの神対応には頭が下がります。

その神対応が功を奏してか、

「あそこのショップだと思うよ!」
「持ち主の友人って人から連絡があったよ!」
「私の友人のものだと思います!」

と、徐々に持ち主に近づいていきました。

しかし、手がかりが増えるとともに関係者が増えてしまい、それを整理していく作業も大変なものだったそうです。

しかもやり取りは日本語だけでなく英語、中国語も飛び交うグローバルコミュニケーション。

考えただけでも頭が痛くなりそうです……。

救世主現る

そんな中、言葉の壁を打ち破る救世主が現れます。

1人は中国語のできる日本人の方。
この方はノンダイバーながら、以前多良間島を訪れる際にJAWSの柳岡秀二郎さんが宿泊手配のサポートをした方でした。
ここにも柳岡さんの、過去の神対応が顔をのぞかせています。

そしてもう1人は、持ち主が利用した台湾のダイビングショップのすぐ横に暮らす日本人の方。
日本人が少ない地域にいてくれただけでなく、ご主人が漁師で、ダイビングショップのオーナーと繋がりがあり、解決を一気にスムーズなものにするキーマンとなりました。

最大の問題である言葉の壁が、奇跡ともいえる救世主の登場で取り払われ、ついには本人と直接連絡を取ることに成功しました。

決め手は意外な写真から

本人と連絡が取れたところで問題となったのが本当に持ち主なのか、という点です。

残念ながらこの方のカメラに写真から持ち主を特定できる決め手となるものはありませんでした。

決め手となったのはなんと部屋の写真。

試し撮りとして自分の部屋を撮影したことを本人が覚えており、改めて撮影した部屋の様子と、カメラに残る部屋の写真がほとんど一致したことから「間違いない」となりました。

facebookより

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そして、最後まで幸運がつきまといます。

持ち主のお姉さまが日本語のできる方だったため、送付する手続きまでスムーズにいったそうです。

事の始まりと想いの強さ

ぶっちゃけ、流れ着く、落し物が届く、こうしたことは現地にいればそれほど奇跡的なことではありません。実際、以前にもあります。ただ、今回の件の大きな始まりの違いは、
島民が僕のもとに「多良間島に潜りに来た人が、きっと落として悲しんでいるはずだから探してあげてね」と、島でのダイビングサービス立ち上げから一番自分が理解してほしかった気持ちが島民に通じていたことで、突き動かされた自分がいたことです。

柳岡さんの言葉です。

解決に導いたツールはSNSというWEB上でのやりとりでしたが、その裏には人々の想いが溢れています。

拾った島民のダイビングへの理解、ダイバーへの気持ち、シェアをする人々のちょっとした優しさ、協力を申し出る人々の温かさ、そして何よりも、それを生み出した、これまでの柳岡さんの日々の活動。

こうしたニュースはSNSの力ばかりが注目されがちですが、SNSはあくまでも実際の人々の繋がりという基盤があってこそ力を発揮するものだということがよくわかります。

一方で今回のような「バズる」ニュースから一時的に注目が集まることによる弊害が無いとも言い切れません。

単に、多良間島ってまだまだ知られていないだけで観光の芽がある! と突き進んでしまっては、そう遠くない将来、多良間島の魅力は消え去ってしまうことでしょう。

ダイビング中に海中から見上げるダイビングボート

そうではなく、SNSの裏には人々の想いがあることをしっかりと理解しておきたいものですね。

facebookより

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郷土マリンサービスJAWSⅡ

多良間島唯一のダイビングショップ。
大小2隻のボートを所有しており、様々なシーンに対応可能
広々としたデッキと防水室内スペース、トイレ、予備器材、緊急酸素設備等も完備した大きなダイビングクルーザーは快適そのもの。
小型ながらもスピード感と小回りが利くダイビング船はドリフトダイブの際などには威力を発揮。
手つかずの多良間の海を守りながら、自らが開発した秘境の海を紹介しているアットホームなお店。

(ライター/細谷 拓)

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