オニイトマキエイはマンタだけどナンヨウマンタではない話???

うおっうおっ、ササウオです!

美ら海水族館や海遊館にマンタがいる水槽がありますよね。でもその紹介パネルには「オニイトマキエイ」ではなく、「ナンヨウマンタ」と書かれています。

ナンヨウマンタ???

海遊館のサイトを見ると、2009年12月にオーストラリアの研究者によって、今まで1属1種だったオニイトマキエイ属を2種にする研究論文が公表され、それにならって和名「ナンヨウマンタ」、学名「Manta alfredi」を用いているそうです。

で、その違いはというと、「腹側は白く黒い斑点模様があります。背面の白い斑紋の前縁がV字状をしていて、その形状などでオニイトマキエイと区別することができます」と書いてあります。

んー、こんな説明じゃ、まったく違いがわかりません!

そこで調べてみたら、以下のような見分けるポイントがありました。

ナンヨウマンタ オニイトマキエイ
1.体長 最大でも5m以内 最大で6m以上
2.分布 サンゴ礁 外洋性
3.背中の白い模様 口のカーブよりも急 口のカーブと平行
4.下から見た口の周り 白い 黒い部分が大きい
5.第5鰓孔 鰓孔に接する黒班がない 鰓孔に接する黒班がある または小さい


見分けるポイント3.の背中の白い模様と口のカーブ。
この個体は平行に見えるからオニイトマキエイみたいですが、見分けるポイントとしては微妙な感じが…。模様って個体差もありそうですし。


見分けるポイント4.の口の周りが黒く、5.の第5鰓孔に接する黒い斑紋があるのでこちらはオニイトマキエイになりますね。

ポイントの3.4.5.の斑紋は個体差がありそうですから、ちょっと決め手としては弱い気がします。大きさも5mより大きなマンタってそんなに見られませんし、水中だと大きく見えるからこちらも決め手としてはどうかと。

となると、とりあえずは2.の分布域で見当をつけ、3.と4.の模様を確認してみるというのが、見分けるポイントとなるでしょうか。

分布で考えると、石垣島やケラマ諸島のサンゴ礁域で見られるのがナンヨウマンタ、小笠原などの外洋で見られるのがオニイトマキエイということになりそうですね。

ちなみに、日本魚類学会では、まだこちらの新しい和名をつけるかどうか検討していないようなので、この和名が図鑑に載るかどうかはわかりません。

でも水族館に行ったときに、ほかのダイバー仲間たちが、「なあに? ナンヨウマンタって?」と質問したときに、答えられたらかっこいいですよね(笑) ぜひ覚えておいてください。

うおっうおっ!

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